この記事では企業のSNS炎上対策について解説していきます。
企業がSNS運用に失敗するなどして、SNSアカウントが炎上すれば売上減少などの様々な影響が懸念されます。
また、炎上のリスクは企業SNS運用の失敗だけではありません。
社員・バイトの個人SNSアカウントから「バイトテロ」動画が投稿されて炎上する危険性もあります。
最悪の事態を避けるためにも、多角的な炎上対策は重要でしょう。
そこで今回紹介するのが「社内でできる予防策」と「業者を利用した予防策」です。
具体的には、
- 企業のSNSの炎上対策方法(予防策)
- 従業員や社員による不適切投稿に対する予防策
- 炎上防止サービスについて
- 炎上の種類
- 炎上の事例
といった内容を紹介し、予防策を知って炎上の対策がスムーズに行えるようになるために必要な情報を提供していきますよ。
早期対策、できればSNS運用を始めた段階でこの記事の内容を実践できると良いですね。
それでは解説していきます。
7つの対策で企業のSNS炎上を防ごう
ご安心ください。
企業のSNS炎上は様々な対策で「予防」することが可能です。
具体的には、以下のような対策方法があります。
- その1:アルバイト・従業員に不適切な投稿を行わせない
- その2:SNS上で重要な情報のやり取りをしない
- その3:SNS・匿名掲示板を「監視」する
- その4:炎上しやすい話題に注意して「延焼」を防ぐ
- その5:過去の炎上事例を知る
- その6:もしも炎上が起きた際は問題の分析・改善を忘れない
- その7:SNS運用・炎上予防・炎上対応は複数人で行う
このように7つの対策方法で炎上を予防できます。
すべて「自社でできる予防策」となっていますよ。
すべてを対策することがゴールですが、適当に対策するなど1つずつの対策をおざなりにはせず、少しずつ着実に予防できる体制を整えていくことが大切です。
それでは対策の内容を見ていきましょう。
その1:アルバイト・従業員に不適切な投稿を行わせない
炎上しないための「秩序」作りを心がけましょう。
ルールは大切ですね。
- アルバイトによるバイトテロ動画
- 公式SNSアカウント担当者の不適切発言
などは炎上の原因となる可能性が非常に高いです。
まずはこのような不適切な投稿を行わせない環境を作りましょう。
そのための予防策が「投稿ガイドラインの制定と周知」です。
企業に関する投稿にはルールを設けるなどして、責任を持った投稿を心がけるように促します。
例えば、以下のようなガイドラインを制定できると良いですね。
【ガイドライン例】
当社の従業員が当社に関連する業務に関する内容を SNSに投稿する場合は以下の ガイドラインが適用するものとします。 |
|
概要 | ガイドライン詳細 |
1:
閲覧する相手は心を持った人間です。 誠実な内容を心がけてください。 |
TwitterなどのSNSサービスへの投稿は、 誠実で良識のある内容を心がけてください。思いがけない発言が炎上を 引き起こす可能性があります。「投稿したらどうなるか」を念頭に置き、 SNS投稿においても社会人としての 常識・マナーに配慮した発言を意識してください。 |
2:
消費者の誤解をまねく発言は |
政治的な発言、他社批判、他社製品批判、 自作自演を通して、当社の製品を 持ち上げるような投稿は避けてください。消費者の誤解をまねき、 スパムとみなされる可能性があります。 |
3:
担当部署での撮影ならびに |
担当部署の職場内で写真・動画を撮影し、 SNSアカウントに投稿する行為は避けてください。個人情報の流布につながる可能性があります。 |
4:
事実関係が不明瞭なものは |
ウワサや事実関係が分からない情報、 信憑性の低い情報の発信は 混乱の原因となります。書き込む内容は必ず 裏が取れた情報のみに厳選してください。 |
・・・ | |
10:
上記のガイドラインが守れない場合は、 |
上記のガイドラインを守れず、 当社が損害・損失を受けた場合は、 当社が担当者・投稿者に対して 「名誉毀損」「信用毀損・業務妨害」 として法的責任を追求する場合があります。なお、匿名アカウント上からの 投稿でも法的な手続きにより、 投稿者の「特定」が可能です。その点を理解し、SNSへの 投稿を行うようにしてください。 |
バイト・社員テロを防ぐためにも、公式SNSアカウントの担当者だけではなく、従業員やアルバイトにもガイドラインを徹底させる必要があります。
ただし、このようなガイドラインは中々読み進めてもらえない可能性が高いので、イラストや図解を用いて視覚的にわかりやすい内容に仕上げることが大切です。
その2:SNS上で重要な情報のやり取りをしない
SNS上での重要情報のやり取りは避けましょう。
例えば、Twitterのリプライ機能を利用し、社員の個人情報、リリース前の新製品の仕様など社内の秘匿事項に関する内容の書き込みは避けるべきです。
担当者からすればただ日常的な内容を投稿しようとしただけで悪意はないのでしょう。
しかし、このような情報が公開された場合、情報漏えいとしてプライバシー侵害の発生や他社に知られたくない情報が筒抜けとなります。
また、プライバシーを侵害された方が、情報を書き込んだ担当者に損害賠償を請求する可能性も否定できません。
重要な情報は決してSNSに書き込ませないように指導を徹底しましょう。
その3:SNS・匿名掲示板を「監視」する
炎上の火種はいつどこで発生するかわかりません。
さらに、炎上する内容は大体が話題性が高いテーマであるため、炎上が発生すれば急速に拡散します。
そのため、常日頃から炎上が発生しやすいSNS・匿名掲示板を監視しておく必要があります。
炎上が発生しやすいSNS・匿名掲示板としては以下のようなサイトがあります。
- 5ちゃんねる
- 爆サイ
- ガールズちゃんねる
いずれも匿名性が高く、誹謗中傷の温床となる傾向があります。
Googleなどの検索エンジンを利用してエゴサーチを行うなどして、定期的に自分の会社に関する投稿が書き込まれてないか確認しておきましょう。
エゴサーチをすれば「〇〇株式会社は〇〇」といった企業批判や誹謗中傷を含む情報を見つけ出すことが可能です。
エゴサーチと言えば個人が自分のために行うイメージがありますが。
はい。
企業が自社ブランドイメージを確認する方法として応用できます。
具体的なやり方は下記の記事で詳しく解説しますので、炎上の火種を見つける方法としてご活用ください。
その4:炎上しやすい話題に注意して「延焼」を防ぐ
炎上しやすい話題(テーマ)がありますので、監視を行う際には下記のような話題には注意しておきましょう。
例えば、
- 食べ物(飲食店、コンビニなど)
- 宗教
- 社会保障
- 格差(性別、年齢、障害など)
- 災害(客観的に「不謹慎」と判断される内容)
- 外交問題
- 安全保障
といった話題は比較的に炎上しやすいテーマとされています。
公式SNSアカウント上で投稿を行う際、上記のようなテーマを扱う場合は炎上に十分に注意しましょう。
また、全く関係のないニュースや話題で炎上した場合に、強引に自社との関連が結びつけられ、炎上する可能性があります。
いわゆる「延焼」です。
実際に、事件・事故のニュース映像で会社名が同一であったり、会社のロゴ(またはよく似たロゴ)が映り込んだために、SNSユーザーが勘違いして会社がその事件・事故との関与を疑うといったケースがあります。
炎上しやすい話題では、拡散の範囲が広くなる傾向があり、このような勘違いによる炎上のリスクも大きくなります。
やはり、SNS・匿名掲示板の監視を行い、こういった炎上しやすい話題には注意しておく必要がありますね。
その5:過去の炎上事例を知る
炎上対策には過去の事例の分析も有効です。
過去の炎上事例を知れば、
- なぜ炎上が起きたのか
- どうやって拡散されたのか
- 炎上によってどのような被害を受けたのか
が分かり、炎上の予防につなげることができます。
近年では大手食品メーカーや大手旅行店など大企業であっても容赦なく炎上が発生しています。
そのような企業の失敗を参考にし、同じ轍を踏まないように対策を行いましょう。
過去の炎上事例や炎上の発生原因が気になる方は「なぜ起こる?ネット炎上の種類・事例から予防策を考える」へとお進みください。
その6:もしも炎上が起きた際は問題の分析・改善を忘れない
もしも炎上が起きてしまった場合、炎上の原因を的確に分析する必要があります。
なぜなら、そうしないと同じような原因で同じような炎上を繰り返してしまう恐れがあるためです。
以下のような観点で原因を分析してみましょう。
- 利用しているSNSツールの使い方
- 担当者の性格、SNS運用への適正
- 書き込み内容
- 炎上監視体制
上記のような簡単を元にきちんと反省を行い、次回以降繰り返さないような改善を行いましょう。
炎上による風評被害を食い止めたい方は、投稿の削除依頼が有効です。
下記の記事で風評の拡散について交えながら紹介しているので確認しておきましょう。
その7:SNS運用・炎上予防・炎上対応は複数人で行う
SNSの運用は一人ではなく、複数人に担当させましょう。
一人が投稿内容を仕上げ、複数人の担当者がその内容をチェック・評価して炎上のリスクがないか確認します。
複数人による客観的な意見が炎上を未然に防ぐ可能性があるためです。
某政党の公式Twitterアカウントが私見によるツイートを繰り返して炎上したケースもあるので、個人の主観的な意見だけでSNSを運用するのは危険です。
また、今回紹介した炎上予防や炎上した際の対応はどの部署の誰が対応するのか決めておきましょう。
いざ炎上が起きたときに混乱することなく、スムーズに対応を行うことができます。
炎上が起きた際にどのあたりの対応が滞るのか、実際に炎上が起きたと仮定して「防火(炎上)訓練」を行い、評価・反省しておくと良いでしょう。
炎上防止サービスを活用することで効率化できる
「炎上防止サービス」とは、文字通りネット炎上を未然に防ぐためのサービスのことです。
この記事で紹介したような7つの対策を社内で講じるための金銭的・時間的・人員的な余裕がない場合もありますよね。
そのような場合、「炎上防止サービス」のようなサービスを展開する業者に炎上予防業務を委託することをおすすめします。
炎上防止サービスの業者は、具体的には下記のような業務を請け負うケースが多いです。
- WEB(インターネット)モニタリング:特殊な監視システムや監視基準を元に、Twitterや5ちゃんねるなどといった特定のサイトの投稿監視(24時間365日)を行ってくれる
- 炎上リスクモニタリング:特殊な解析ツールを利用し、ネット炎上のリスクを24時間365日監視(炎上が起きた時は沈静化までサポートしてくれるケースも)
- 炎上予防コンサルティング:SNS投稿から炎上、拡散、報道をシミュレーションし、その会社に必要な対応スキルの把握と炎上を対処できる体制を強化
- 炎上回避用のガイドライン策定支援:炎上を起こさないためのガイドラインの策定を支援
- 炎上予防ツールの導入:主に自動的に炎上リスクを管理してくれるモニタリングツールを導入
- 防火(炎上)訓練の実施:通常の防災訓練同様に、炎上の発生から対処、会社の社会的信用の保全をシミュレーション
このように、炎上リスクの監視だけではなく、会社全体の「炎上耐性」を高めてくれる業者となっています。
予防業者は炎上に関するプロフェッショナルなので、社内の人員を割いて対策を講じるよりも、効率的・効果的に炎上を予防することが可能です。
業者の料金相場は月々10万円程度となっています。
炎上が起きると数百万円~数憶万円もの損失が出る可能性もあるので非常にお手頃な費用と言えます。
ここからは予防業者の例を3つ紹介しますので、参考にしていただければと思います。
炎上防止サービスその1:リリーフサイン
「リリーフサイン(株)」は炎上予防ソリューション事業を展開している炎上防止業者の一つです。
炎上しない組織作りからツールを用いた炎上の解析、炎上を疑似体験できる研修プログラムなどを提供しています。
炎上発生時の対策費用を「保険金」として受け取れる『炎上時保険(あいおいニッセイ同和損害保険提供)』を標準搭載したツールをリリースするなど、炎上予防~対策まで一貫したサポートを提供しているのが特徴です。
炎上防止サービスその2:ALSOK
出典ALSOK「インターネット炎上・風評対策(「ネット情報監視サービス」)
「ALSOK常駐警備株式会社」は1960年代に常駐警備・身辺警備として事業をスタートして以来、「警備」という分野において高い信頼性を誇るサービスとして絶大な存在感を誇っています。
そのALSOKのインターネット版ともいうべきサービスが「インターネット炎上・風評対策(「ネット情報監視サービス」)」です。
炎上予防も有人監視、定期レポートなど安全安心のALSOKクオリティとなっています。
炎上防止サービスその3:エルテス(eltes)
出典「eltes」
「株式会社エルテス」は炎上リスクの発券に特化したビッグデータ解析によるソリューションを提供する炎上防止業者です。
エルテスがビッグデータ解析を用いて収集する「データ」の信頼性は高く、大学の論文などにもデータや統計が利用される程となっています(実際に大学との共同研究も行っています)。
株式会社エルテスならば、確かなデータに基づき、的確な対策を提示してくれますよ。
なぜ起こる?ネット炎上の種類・事例から予防策を考える
企業ネット炎上の原因は炎上しやすいテーマで事件・事故を起こすことです。
例えば、食べ物(飲食店、コンビニなど)、格差(性別、年齢、障害など)、災害(客観的に「不謹慎」と判断される内容)、外交問題などといったテーマは炎上しやすいとしましたね。
SNS運用の担当者やアルバイトが上記のテーマで、
- 不適切な発言
- 劣悪な労働環境やハラスメント、不正、企業犯罪、モラル違反、バイトテロ、サービス、炎上
- 後の不適切な対応といった社内外問題のリーク・告発
などが発生した場合、炎上するとされています。
さらに、これが「5ちゃんねる」など匿名掲示板や「Twitter」などSNSサイト上で問題視され、批判・誹謗中傷が殺到することが炎上の始まりです。
実際に以下のような事例があります。
- 事例その1:災害に対するSNS上での不適切発言
- 事例その2:利用客がスーパーのアイスケースの中に入る(客テロ)
- 事例その3:クーポンでサンプルと異なる商品が届いた
- 事例その4:カップやきそばに害虫混入
- 事例その5:ツナ缶に害虫混入
- 事例その5:「女子学生」キャンペーンは「セクハラ」
- 事例その6:応募条件が差別的
- 事例その7:民進党公式アカウント大炎上
ネット炎上は1日に平均して1回以上起きているとされ、具体的な事例は山ほどあります。
下記の記事を参考により詳しい原因や具体的な事例の内容をふまえて、みなさんの状況に合わせた対策を考えていきましょう。
まとめ
今回は炎上を未然に防ぐ方法を7つ紹介しました。
社内でできる炎上予防をおさらいしておきましょう。
特に1番目の不適切な投稿を行わせないためのガイドライン制定や4番目の炎上しやすい話題には十分に注意しましょう。
もし炎上予防が社内だけでは手に負えない場合、炎上予防業者に依頼することで効果的・効率的に対策を行うことが可能です。
業者を探すのも予防策としてはありでしょう。
この記事が炎上に悩む担当者のみなさまの参考になれば幸いです。
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