この記事では、会社(企業)が「エゴサーチ」を行う理由について解説しています。
- エゴサーチとは何か知りたい
- 会社(企業)がエゴサーチを行うメリットがあるのか知りたい
- 会社(企業)のエゴサーチ活用方法を知りたい
「エゴサーチ」という言葉だけを知っていても、意味や実際に活用する方法を知らないという方は多いです。
そこで今回紹介するのがエゴサーチの意味、メリット・デメリット、ノウハウとなります。
実戦的な方法を詳しく解説していますので、読み進めながらお試しいただければと思います。
それでは解説していきます。
エゴサーチとは何か正しく理解しましょう
エゴサーチ(エゴサ)とは、自分の本名、芸名、ハンドルネームなど「自分の名前」をネット上のサービスを利用して検索をかけ、自分に対する評価・評判などを調べることです。
また、ネット上の評価・評判は良いものばかりではありません。
中には個人・企業に対する誹謗中傷コンテンツも存在します。
ゆえに、ネット上での誹謗中傷の有無を調べる「誹謗中傷の実態調査」などに応用されるケースもあります。
企業がエゴサーチをすべき理由
企業がエゴサーチをすべき理由は、先ほども述べた通り、「ブランドイメージの調査ができるため」です。
このブランドイメージは経営に直接的な影響を及ぼす可能性があるので、十分に注意する必要があります。
例えば、企業が「不祥事」「公害」「社員の逮捕」などの問題を起こすと、 企業のブランドイメージは悪化し、自社商品への販売にも影響、売上の減少に直結する可能性が高いです。
逆に、ブランドイメージが良くなると、売上の向上につながる可能性があります。
最近ではこのブランドイメージを意図的に高める「ブランディング」を経営戦略として行う企業が増加傾向にあります。
つまり、自社の印象(ブランドイメージ)を調査する「エゴサーチ」は、そうしたブランディングを行うための準備となるわけです。
企業がエゴサーチを行う意味は十分にあります。
ここからは企業がエゴサーチを行う際のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
エゴサーチのメリット
繰り返しとなりますが、企業がエゴサーチをするメリットは「ブランドイメージを確認できること」に集約されています。
具体的なメリットとしては以下のようなものがあります。
- 顧客の企業に対する印象が分かる
- 企業の知名度が分かる
- 設備投資が圧倒的に少ない
- 消費者が自社ブランドに興味があるかないかが分かる
まずはメリットから見ていきましょう。
メリットその1:顧客の企業に対する印象が分かる
エゴサーチのメリットとして「企業や製品、サービスに対する顧客の印象(顧客満足度)が分かる 」という点が一番大きいです。
SNSや匿名掲示板などのネット上のサービスは基本的に匿名性が高いため、何を書き込んでも実生活への弊害は少ないとされます。
ゆえに、ネット上のユーザーは「本音」を書き込みやすいという傾向にあります。
つまり、ネット上にある製品のレビューなどは、本音をもとに書き込まれた可能性が高いというわけです。
エゴサーチは顧客の満足度調査にも応用できます。
メリットその2:企業の知名度が分かる
エゴサーチを行うと企業に関する書き込みが一覧で表示されるので、企業の知名度を計り知ることが可能です。
また、知名度だけではなく、ブランドの良いところも知っているという「認知度」も分かります。
現在は知名度調査・認知度調査も経営課題であり、エゴサーチが効果的な手法となっています。
メリットその3:設備投資が圧倒的に少ない
エゴサーチ(ブランドイメージ調査)に必要なものはスマートフォンやパソコンなどネットに接続できる情報端末とWebブラウザだけです。
現在はこれらはほぼ確実に社内の設備として用意されています。
ゆえに、既存の設備を流用するだけでエゴサーチができるので、設備投資を最小限に抑えることができます。
メリットその4:消費者が自社ブランドに興味があるかないかが分かる
エゴサーチしてヒットした書き込みの内容から、消費者が自社ブランドに興味があるか否かを知ることも可能です。
自社商品やサービスに興味だけある段階の顧客、いわゆる「見込み顧客」の存在を知ることができます。
ネット上の見込み顧客を見つけたら放置せずに、一歩踏み出して商品やサービスを利用してもらえるような施策を展開する必要があります。
SNSアカウントを運用して「商品・サービスが欲しくなるような情報」を提供するなどアプローチしていきましょう。
エゴサーチのデメリット
エゴサーチのデメリットは以下の4つです。
- 企業に対する誹謗中傷もある
- エゴサーチがバレるリスク(“エゴサ”嫌いも)
- エゴサーチしても何もヒットしない可能性もある
- あくまでも情報を「知る」だけ
メリットがあれば、デメリットも存在します。
状況に合わせてエゴサーチを活用していきましょう。
デメリットその1:企業に対する誹謗中傷もある
残念ながら、 企業に対する書き込みはポジティブなものだけではありません。
ネガティブな内容の書き込みも少なからず存在します。
中には「企業・従業員に対する誹謗中傷」といった書き込みもあるので、エゴサーチをして誹謗中傷投稿を見つけてしまうと、精神的苦痛を感じてしまう可能性があります。
デメリットその2:エゴサーチがバレるリスク(“エゴサ”嫌いも)
ネットを利用する方の中には、エゴサーチされることを嫌う方も一定数存在します。
そのような方々に「企業がエゴサーチを行っている」という事実が発覚すると、企業に対するネガティブな批判などにつながりかねません。
ゆえに、「エゴサーチを戦略的に行っている」という姿勢を大々的に見せずに、あくまでも「実態調査」という名目でブランドイメージを調べることをおすすめします。
デメリットその3:エゴサーチしても何もヒットしない可能性もある
企業の知名度・認知度が低いと、エゴサーチを行っても書き込みがヒットしない可能性があります。
SNS運用で少しずつネット上での知名度・認知度を高めていきましょう。
デメリットその4:あくまでも情報を「知る」だけ
エゴサーチのゴールは、あくまでも「ブランドイメージを知る 」だけです。
当然かもしれませんが、 エゴサーチだけしても、業務や商品・サービスのクオリティが改善されるわけではありません。
エゴサーチして得た情報はしっかりと分析を行い、ブランドイメージのさらなる改善を行っていきましょう。
エゴサーチの方法
エゴサーチの方法は非常に簡単で、ネット上のサービス(検索エンジンやSNS上にあるもの)にある検索ボックスで自社名を記入して検索するだけとなります。
エゴサーチをおすすめする媒体(メディア)は以下の通りです。
- インスタ(Instagram)
- 5ちゃんねる
また、Twitterの場合はエゴサーチを「自動化」できるのでコストがかかりません。
下記の記事で各サイトでの「エゴサーチのやり方」と「自動化の方法」について解説していますので、参考にしてただければ幸いです。
最も簡単な方法はGoogleで自社名検索する方法
最も簡単なエゴサーチ方法はGoogleで自社名を入力・検索して、検索結果一覧に出てきたページの内容(ブランドイメージ)を参考にするという方法です。
また、自社名以外にも、自社サイトのURLで検索し、自社サイトのリンクを貼っているページがないか検索するという方法もあります。
何も出てこない場合
検索しても何も出てこない場合は残念ですが、知名度・認知度が十分に高くない可能性が考えられます。
他の媒体でも検索をかけてみるか、ブランドを発信していきましょう。
誹謗中傷投稿を見つけたら法的措置も検討
誹謗中傷は、場合と程度によっては「名誉毀損」「侮辱」「業務妨害」「信用毀損」に該当する違法行為です。
エゴサーチをするうえで誹謗中傷投稿を見つけたら、風評被害が拡散する前に投稿の削除を依頼しましょう。
慰謝料請求や告訴など法的措置の検討も視野に入れることをおすすめします。
5ちゃんねる(元2ちゃんねる)の場合
5ちゃんねるはエゴサーチをするうえで、貴重な情報源となる匿名掲示板サイトです。
しかしながら、中には心ない投稿も多いというのが現状となっています。
あまりにもひどい投稿は削除を依頼しましょう。
関連記事:https://sakujo.or.jp/2channel-sakujo/
SNSサイトの場合
TwitterなどのSNSサービスもエゴサーチの必須ツールであり、ユーザーの生の声が分かるサービスとなっています。
しかしながら、気軽に投稿できるためか、人間の価値を否定するような悪質な投稿を平気で書き込む方も多いです。
もし企業や従業員に対する誹謗中傷を見つけたら、自力でSNSサービスに削除を依頼するか、弁護士に削除を依頼しましょう。
そのためのノウハウを下記の記事で紹介しています。
無料ブログの場合
誰でも簡単に無料で「ブロガー」になれる「無料ブログサービス」が人気です。
非常にハードルが低く、サービスを展開する企業も多いため、芸能人などではなくてもブログを始める方はたくさんいます。
母数が多いので、残念なことに中には悪質なブログ記事を投稿する方も存在します。
もし無料ブログサービスで誹謗中傷を見かけたら、下記の記事で一からブログ記事の削除方法を解説していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
関連記事:https://sakujo.or.jp/blog-iyagarase-taisaku/
YouTubeの場合
「ユーチューバー」が一時期話題となりましたが、一部のユーザーが動画コンテンツ上で企業や製品に対する誹謗中傷を行うケースもあります。
実際に警察が「業務妨害・信用毀損」として捜査を行った事例も存在します。
「企業への誹謗中傷・名誉毀損」としてYouTubeの動画に削除を申し立てましょう。
具体的なノウハウは下記の記事で解説します。
「ブランドイメージ」を向上させる方法
- エゴサーチをした上で、ブランドイメージを向上させる方法を知りたい
- エゴサーチをしてもネガティブな意見が多かった
- 誹謗中傷・風評被害の払拭を行いたい
エゴサーチをして得た「自社の印象」に関する情報、実際にその情報をどう活用・対処すればいいのかと思う方は多いはずです。
そこでここからは、ブランドイメージを向上させる方法(3ステップ)を簡単に説明していきます。
エゴサーチの方法とセットで実践することをおすすめします。
ステップ1:自社の「強み」分析
重要なのは競合他社とのブランドイメージの「差別化」です。
しかしながら、いきなり自社にしかない強みを考えるのは骨が要ります。
そこで、エゴサーチを行って集めたブランドイメージをもとに、自社の強みを割り出していきましょう。
意外にも「それまで企業が認識していなかった」という情報が多いので、参考になります。
ブランドイメージから自社の強みを分析したら、SWOT分析などの「ビジネスフレームワーク」を利用して、ターゲットとターゲットのニーズを絞っていきます。
ステップ2:ブランドコンセプトの決定
「消費者に抱いて欲しいブランドイメージ」としてブランドのコンセプトを決めましょう。
社会においてどのような価値を提供する企業でありたいのか、位置づけを考えていきます。
エゴサーチで得たブランドイメージを改善したい場合は、ステップ1で分析した自社の強みを中心に、競合他社がまだ提供していないブルーオーシャン的な価値を提供しましょう。
ステップ3:情報発信
ブランドイメージの伝え方を考えていきましょう。
効果的にターゲットに伝わるように、
- SNSアカウントを運用する(10~30代)
- CM・広告を出す(40~60代)
なのかを決めます。
情報発信は伝える内容とタイミングを変えながら、戦略的かつ継続性に行います。
新製品の販売や投資、共同開発、革新的な製品の開発など、ユーザーの関心を引く情報を提供していきましょう。
まとめ
今回は企業版エゴサーチのノウハウを中心に解説してきました。
エゴサーチして得た情報は貴重なユーザーの意見・感想です。
エゴサーチをするだけで終わらずに、エゴサーチした情報を活用する方法を考えて企業の経営に生かすことが重要となります。