この記事ではトリップアドバイザーの口コミを削除する方法と失敗した時の対処方法を解説しています。
トリップアドバイザーは世界最大の閲覧数を持つ旅行口コミサイトであり、悪質な口コミにより、企業が経営する施設の悪評が拡散してしまう可能性が非常に高いです。
このような拡散性が高い口コミサイトでは、初期対応が肝心となります。
まずは悪評の原因となっている口コミの削除を行いましょう。
そこで今回紹介するのが「トリップアドバイザーの口コミ削除依頼方法」です。
今回は、
の4点を解説していきますので、迅速に対処できるようになりますよ。
もちろん事前知識は不要です。
今回紹介する内容を参考に慎重に対処していきましょう。
それでは解説していきます。
トリップアドバイザーは口コミへの対応を徹底している
実はトリップアドバイザーは他の口コミサイトと比べて、口コミの取り扱いが慎重で、公式サイトにも丁寧なガイドがあり、様々な対処を講じています。
削除できる口コミか判断する前に、まずはトリップアドバイザーの口コミ削除方針を見ていきましょう。
トリップアドバイザーの口コミは削除できる
トリップアドバイザーの口コミは削除可能とされています。
以下はトリップアドバイザーの利用規約の一文です。
トリップアドバイザーグループは、当該コンテンツが本契約に違反すると思われる場合、またはトリップアドバイザーグループおよびその他のサービス利用者の権利を保護するために、削除が合理的に必要であると思われる場合、かかるメッセージやその他のコンテンツを予告なしにサービスから削除する権利を留保します。
引用トリップアドバイザー ウェブサイトの条件と告知「口コミ、コメントおよびその他の投稿可能なセクションの使用:ライセンス付与」
※赤字加工
この「メッセージやその他のコンテンツ」には「口コミ」も含まれています。
つまり、トリップアドバイザーは口コミに問題があった場合、必要であれば「削除」を行うとしています。
実際に、ユーザーからの報告で「投稿した口コミが削除された」という例も散見されるので、運営が削除を行っていることは明らかです。
投稿の削除は確かに「可能」ということが分かりました。
まずはご安心ください。
ただしどんな口コミでも削除できるわけではない
確かにトリップアドバイザーの口コミは削除できます。
ただし、どんな口コミでも削除できるわけではありません。
トリップアドバイザー上で削除できる口コミは、トリップアドバイザーに「不当な口コミ」とみなされたものだけです。
つまり、「不当な口コミ」とみされた口コミが削除できるというわけですね。
トリップアドバイザーに「不当な口コミ」とみなされるケースは2つあります。
公式サイト上には以下のような記載がありました。
大きく分けると、2つのケースで不当な口コミが発生する可能性があります。
- ケース1: 偏りがある内容の口コミ(「偏り」について、 詳しくはこちら)や、施設を実際に利用していない人が投稿した口コミ。
これをトリップアドバイザーでは、 不正な口コミと呼びます。- ケース2: 施設を実際に 利用した 人による投稿であるが、(施設との関係はなく「偏り」はない)、施設から異議を申し立てられた口コミ。
これをトリップアドバイザーでは、 異議を申し立てられた口コミと呼びます。問題を扱う方法が異なるため、この区別は重要です。
引用トリップアドバイザー「不当な口コミについて、トリップアドバイザーはどんな対策を講じていますか?」
ここから「不当な口コミ」には以下の2種類があることが分かります。
- 不当な口コミその1:
「不正な口コミ」=実際に施設を利用していない人の悪質な口コミ
- 不当な口コミその2:
「異議を申し立てられた口コミ」=施設を利用した人の悪質な口コミ
少しややこしいですが、2つの不当な口コミの違いについては上記のように解釈できます。
トリップアドバイザーの公式サイトには「違い」についてさらに以下のような記載がありました。
不正な口コミとは、偏った内容の口コミや、施設を実際に利用していない人物が投稿したすべての口コミを指します。
不正な口コミは、異議を申し立てられた口コミ(ある施設と関わりのないお客様が投稿した個人的な経験について、その施設が異議を申し立てた場合)とは異なります。
引用トリップアドバイザー「トリップアドバイザーが不正な口コミを検出する方法は?」
このように、不正な口コミは異議を申し立てられた口コミとは異なると明記されています。
混同しないように注意しましょう。
削除できる不当な口コミ1:「不正な口コミ」
不正な口コミは具体的にどのような口コミなんですか?
不正な口コミは次の3つのカテゴリーのいずれかに分類されるとされています。
- 不正な口コミ1:偏った内容のポジティブな口コミ=意図的に評価を上げる口コミ
- 不正な口コミ2:偏った内容のネガティブな口コミ=意図的に評価を下げる口コミ
- 不正な口コミ3:金銭の授受を伴う口コミ
参考トリップアドバイザー「トリップアドバイザーが不正な口コミを検出する方法は?」
すべて「施設を利用していない人間が自分の利益のために書き込んだ口コミ(利用しなくても書き込めるような口コミ)」とも言えますね。
例えば、企業がライバル他社に不正な口コミを投稿する場合などが当てはまります。
具体的な口コミ内容や基準については公式サイトで詳しく解説されていますので、そちらを確認しても良いでしょう。
この「不正な口コミ」については、トリップアドバイザーが不正口コミ検出技術(追跡システム)や専門の調査チームに投資を行うなどして監視体制を強化しています。
つまり、運営に見つかり次第、削除される口コミはこの「不正な口コミ」となります。
放置しても削除されますが、運営に見過ごされる可能性もあるので、通報して口コミの存在を知らせることが大切です。
具体的な方法と手順は目次より「トリップアドバイザーに口コミ削除依頼をする方法」を確認してください。
削除できる不当な口コミ2:「異議を申し立てられた口コミ」
「異議を申し立てられた口コミ」に分類されるのは、施設を利用した人間が書き込んだ悪質な口コミでしたね。
「異議を申し立てられた口コミ」には当然ですが、先ほどの「不正な口コミ」のような監視体制はありません。
文字通り、自分で口コミの内容に異議を申し立てるしかないので、積極的に通報する必要があります。
「異議を申し立てられた口コミ」は、
- 偏った内容のポジティブな口コミ
- 偏った内容のネガティブな口コミ
- 金銭の授受を伴う口コミ
といった「不正な口コミ」以外の悪質な口コミが該当します。
「異議を申し立てられた口コミ」に該当するかどうかは、内容をみて慎重に判断するほかありません。
トリップアドバイザーは「異議を申し立てられた口コミ」について、以下のような対応を行うとしています。
報告ツールを使用して、口コミに異議を申し立てることができます。
その後、トリップアドバイザーの審査チームが異議を申し立てられた口コミを分析し、弊社のガイドラインに違反しているか、そして削除する必要があるかどうかを判断します。
引用トリップアドバイザー「不当な口コミについて、トリップアドバイザーはどんな対策を講じていますか?」
※下線部加工
上記のように示し、異議を申し立てられた口コミにもきちんと対応すると述べています。
また、上記の通り、トリップアドバイザーのガイドラインに違反していれば、「ガイドライン違反」と考えることが可能で、口コミ削除の根拠となります。
一度ガイドラインなど、トリップアドバイザーの「規則」に目を通しておきましょう。
削除依頼前にトリップアドバイザーの規約を確認する
前章で、規約に違反している口コミは通報して異議を申し立てることで「異議を申し立てられた口コミ」として削除できる可能性があることが分かりました。
削除を依頼する前にトリップアドバイザーの規約を確認しておきましょう。
「口コミ関するガイドライン」で削除できる口コミか判断
削除できる口コミかどうか確かめる指標の一つに口コミに関するガイドラインがあります。
このガイドラインには以下のような順守事項がありました。
- 最新の情報であること
- 営利目的でないこと
- 関連性があること
- 偏りがないこと
- 実際の体験に基づいていること
- 読みやすいこと
これらは順守事項ですので、これらに違反する以下のような口コミは「口コミに関するガイドライン違反」として異議を申してて、削除を依頼できます。
条件 | |
情報が 古い口コミ |
・情報が1年以上前の口コミ |
営利目的の 口コミ |
・宣伝目的のリンクや コンテンツを含む口コミ |
関連性が ない口コミ |
・政治 ・倫理 ・宗教 ・社会問題などの意見やクレーム ・質問など施設のレビューという目的と関係のない投稿 |
内容に偏りが ある口コミ |
・「肩入れ」や「脅迫」など内容に極端な偏りがあり、 施設の評価を操作するような口コミ |
実際に体験して いない口コミ |
・常識 ・うわさ ・他の旅行レビューサイトの 口コミ内容に基づいた口コミ |
読みにくい口コミ | ・記号やスペースを多用し、 読みづらい口コミ |
見つけ次第、運営に通報しましょう。
「トリップアドバイザー ウェブサイトの条件と告知」もチェック
「トリップアドバイザー ウェブサイトの条件と告知」は、トリップアドバイザーの利用規約のことです。
この規約には「口コミ、コメントおよびその他の投稿可能なセクションの使用:ライセンス付与」という口コミ関する項目もあります。
こちらに違反するような口コミコンテンツも規約違反として削除できる可能性があります。
実際に以下のような禁止事項が記載されています。
a.虚偽的、違法、詐欺的、中傷的、侮蔑的、猥褻、ポルノ、下品、非道徳的、挑発的、困惑的、他者への困惑行為の呼びかけ、脅迫的、プライバシー権やパブリシティ権の侵害、侮辱的、扇動的、不正その他の不適切なコンテンツ。
引用トリップアドバイザー ウェブサイトの条件と告知「口コミ、コメントおよびその他の投稿可能なセクションの使用:ライセンス付与」
接客担当者などに対する「誹謗中傷」「モラルに欠けた発言」などは禁止されています。
攻撃的な表現はすべて禁止されているような印象を受けます。
さらに過激な差別やヘイトスピーチといった行為も以下のように禁止されています。
b.その種類を問わず、いずれかの法人または個人に対する人種差別、偏見、憎悪、身体的危害など、サイト利用者への明白な攻撃となるコンテンツ。
引用トリップアドバイザー ウェブサイトの条件と告知「口コミ、コメントおよびその他の投稿可能なセクションの使用:ライセンス付与」
見つけ次第「利用規約違反」として通報しましょう。
また、「従業員の個人情報が勝手に記載されている」といった場合も規約違反として通報・削除依頼可能です。
h.住所、電話番号、電子メールアドレス、社会保障番号、クレジットカード番号を含むがこれらに限定されない第三者の個人情報であるコンテンツ。
個人の姓(名字)が当社のウェブサイトに掲載される場合がありますが、特定された個人から明示的な許可を事前に得た場合にのみ掲載されます。
引用トリップアドバイザー ウェブサイトの条件と告知「口コミ、コメントおよびその他の投稿可能なセクションの使用:ライセンス付与」
個人情報に関する取り扱いも徹底されているので、住所・電話番号・メールなどを含む口コミなどが規約違反として通報できますね。
これ以外にも禁止事項はありますので、トリップアドバイザーの利用規約は一度通して確認しておきましょう。
トリップアドバイザーに口コミ削除依頼をする方法
規約違反が発生している口コミは削除されると考えられています。
つまり、トリップアドバイザーの口コミを削除するためには、口コミ内で規約違反が発生していることを「報告(通報)」すれば良いのです。
トリップアドバイザーではこの報告(通報)を「異議を申し立てられた口コミ」として扱います。
口コミを報告する方法は以下の2つです。
- 方法その1:口コミから直接報告
- 方法その2:「オーナー管理ページ」から報告
施設のオーナーである場合は方法その2を試してください。
前章までの内容で削除できる口コミと確信できた場合のみ、削除依頼を行いましょう。
「不当な口コミ」や「規約違反」に該当することを削除の根拠とするのが効果的です。
削除方法その1:口コミから直接報告
施設の関係者以外の方が報告する場合はこの方法で報告しましょう。
規定通り参考https://www.tripadvisorsupport.com/hc/ja/articles/200614937-不適切な口コミを通報するには-どうすればよいですか-、施設のオーナーの場合はこの方法で報告しないようにします。
以下の方法で口コミを簡単に報告できます。
- ステップ1問題の口コミを表示問題の口コミを表示し、右上の設定アイコン(横3点)をクリック・タップし、「報告する」を選択
- ステップ2ログイン報告にはログインが必要なので、ログインを済ませる
- ステップ3選択肢の中から近いものを選択「内容に問題がある場合はこちら」として選択肢が表示されるので、内容が近いものを選ぶ
- ステップ4内容の説明選択肢を選択すると、記入フォームが表示されるので、口コミのどこに問題があるのか説明する
- ステップ5送信記入後は送信して報告完了
先ほどの内容を参考に口コミ内容が「不当な口コミ」や「規約違反」であることを述べましょう。
送信すれば報告は完了です。
削除方法その2:「オーナー管理ページ」から報告
方法2の場合はオーナー管理ページから以下の流れで報告できます。
- ステップ1口コミタブ「口コミ」のタブをクリック・タップ
- ステップ2口コミを報告する「口コミを報告する」を選択し、「口コミに関して懸念点がある場合」の「弊社のガイドラインを読み、コメントを送信する」をクリック・タップ
- ステップ3問題があると思う理由を記入記入用のフォームに口コミを問題と思う理由や「口コミが不適切なこと」を示す事実を記入
記入用のフォームには口コミを問題と思う理由として「不当な口コミ」に該当することや、ガイドラインや規約に違反していることを述べましょう。
記入内容は前章までで紹介した内容を参考にしていただければと思います。
そのまま「この〇〇という表現(内容)が〇〇に違反しているから」「〇〇に該当するから」と記載しましょう。
削除依頼で削除に失敗してしまった場合
数週間以上、何の変化もない場合は残念ですが、削除依頼に失敗している可能性が高いです。
下記の2つの方法で法的手段に基づく口コミ削除の要請を検討しましょう。
- 方法その1:ノーティス・アンド・テイクダウン
- 方法その2:弁護士に口コミ削除の協力を依頼
具体的な方法と手順を解説していきます。
方法その1:ノーティス・アンド・テイクダウン
ネット上では名誉毀損(名誉権の侵害)や著作権侵害などの「権利侵害」が頻繁に発生しています。
この「ノーティス・アンド・テイクダウン(Notice and Take Down)」とは、
ネット上で権利侵害が発生した際に、インターネット自体のサービスを提供するプロバイダが法律に違反しているかどうかの判断を行わず、
口コミ投稿者に削除を行うことを通知し、異議申し立てがなければ口コミを削除する手続きのことです。
要は、名誉毀損などが発生した際に、プロバイダが負担なく、円滑に口コミを削除を行う手続きとなっています。
トリップアドバイザーはこのノーティス・アンド・テイクダウンの原則に基づいて運営されているため、この方法で問題の口コミを削除依頼可能です。
トリップアドバイザーでは口コミ内に「名誉毀損」が含まれる場合の手続きに対応しています。
トリップアドバイザーのサイトに名誉毀損的な表現が含まれている旨、当社に対し苦情申立てをされる場合には、、
下記「名誉毀損的コンテンツがある旨のトリップアドバイザーへの申立て」のフォームに必要事項を記入し、日付を記載し、ご署名した上で、次の宛先に送付してください。
TripAdvisor LLC
Attn: Content Notice Department
400 1st Avenue
Needham, MA 02494, USA申立てに対し、トリップアドバイザーが対応できるように、必ず連絡先ご住所と、日中に通じる電話番号及び電子メール・アドレスをお書きください。
引用トリップアドバイザー「トリップアドバイザー:申立による掲載削除に関する手続き」
「名誉毀損的コンテンツがある旨のトリップアドバイザーへの申立て」のフォーム(型)についてはトリップアドバイザー:申立による掲載削除に関する手続きをご覧ください。
記入後、コピーを行い、上記の住所宛に送付しましょう。
「名誉毀損かどうか判断できない」という方もいるでしょう。
下記の記事では「名誉毀損」の成立条件について解説しているので、参考にして頂ければと思います。
方法その2:弁護士に口コミ削除の協力を依頼
法律のエキスパートである弁護士に削除を依頼する方法もあります。
まずは以下の流れで弁護士を探し、削除を依頼しましょう。
- ステップ1弁護士を探す
- ステップ2口コミ削除を得意とする弁護士を選ぶ
- ステップ3候補に挙げた弁護士と法律相談する
- ステップ4弁護士にトリップアドバイザーの口コミ削除を依頼する
- ステップ5弁護士がトリップアドバイザーに直接交渉を行うか、「仮処分」の申立をするなどして訴訟を行う(仮処分:一時的にみなさんの権利を保護する措置で、強制的なコンテンツの削除が可能)
- ステップ6問題の口コミを削除させる
「仮処分」という法的な手続きにより、口コミを強制的に削除できます。
詳しい弁護士の探し方や選び方、弁護士費用、問題解決までにかかる期間などは下記の記事が参考になりますので参考にしていただければ幸いです。
トリップアドバイザー上の風評に対処!風評被害を防ぐ
トリップアドバイザー上に悪質な口コミが投稿されると「風評被害」を受ける可能性があります。
風評被害を受けた施設は、ブランドイメージが短期間で悪化し、改善には時間を要します。
さらに、風評被害を受けると、売上の減少につながり、業務に支障をきたす恐れもあります。
この風評被害を防止するためにも、早急な対処が必要です。
下記の記事では、風評被害の特徴から実例、対処方法まで徹底的に解説していきますので、読み進めながら対策の準備が出来ますよ。
「トリップアドバイザーでの風評被害が心配」という方はチェックしておきましょう。
まとめ
トリップアドバイザーで削除できる口コミには大きく分けて以下の2種類の口コミがありましたね。
- 不当な口コミその1:
「不正な口コミ」=実際に施設を利用していない人の悪質な口コミ
- 不当な口コミその2:
「異議を申し立てられた口コミ」=施設を利用した人の悪質な口コミ
「不正な口コミ」は運営がしっかり監視を行っているため、削除が行われつつあります。
今回のようにガイドライン違反や規約違反を報告する場合は「異議を申し立てられた口コミ」に該当し、口コミを削除依頼可能です。
まずは、
- 方法その1:口コミから直接報告
- 方法その2:「オーナー管理ページ」から報告
の方法で口コミ内容の違反を報告し、悪質な口コミの存在を運営に知らせましょう。
削除できなかった場合は法的手段を講じて強制的に削除を要請します。
その方法は今回紹介したとおりとなっています。
みなさまの成功をお祈り申し上げます。
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