
スマートフォン片手に現実世界を探索し、アイテムを集めたり、他のプレイヤーと協力・対戦したりする位置情報ゲーム(ARゲーム)は、今や老若男女を問わず人気を博しています。GPSと地図情報を活用したこれらのゲームは、日常に「冒険」をもたらす一方で、その仕組み自体に重大なプライバシーリスクとセキュリティホールを内包しています。
ゲーム内で出会った見知らぬプレイヤーと、現実世界で物理的に遭遇しうるという特性は、従来のオンラインゲームにはなかった特有のトラブルを引き起こします。特に問題となっているのが、ゲーム内の情報や行動パターンを悪用した「自宅の特定(特定行為)」や、その情報をSNSや匿名掲示板に拡散する「晒し行為」です。
「ただゲームを楽しんでいただけで、なぜ自宅がバレるのか?」「見知らぬ人から突然、ゲーム外のSNSでDMが来た」「ゲームのトラブルで粘着質な嫌がらせを受けている」――こうした被害は決して他人事ではありません。熱中しているゲームだからこそ、つい無防備になりがちですが、あなたのスクリーンに映るマップ情報の一片が、悪意ある第三者にとってはストーカー行為や誹謗中傷の格好の足がかりとなりえます。
この記事では、一般社団法人ネット削除協会に寄せられる相談事例に基づき、位置情報ゲームに潜む具体的な危険性を徹底解説します。そして何よりも重要な、自宅の特定を防ぐための具体的な予防策と、万が一、自宅を晒されたりストーカー被害に遭ったりした場合に、投稿を削除するための法的・実務的な対処手順を網羅的に解説します。位置情報ゲームを安全に、そして安心して楽しむために、今すぐ取るべき対策と、知っておくべき知識をまとめました。あなたとあなたの家族の安全を守るための必読ガイドです。
危険性把握:位置情報ゲームがプライバシーを脅かすメカニズム

位置情報ゲームの核となるシステムは、プレイヤーのリアルタイムな地理情報と密接に結びついています。この特性こそが、ストーカー行為や自宅特定といった現実世界での被害を引き起こす最大の原因となります。
ゲーム内の情報が自宅を特定する鍵になる
位置情報ゲームでは、プレイヤーの活動履歴やゲーム内の特定の要素が、そのまま現実世界の居場所に関する強力なヒントになります。
プレイヤーのアクティビティ履歴が地図上に残る
多くの位置情報ゲームでは、プレイヤーが「タワーを占領する」「ジムにポケモンを配置する」「アイテムを設置する」などの特定のアクションを行った場所に、そのプレイヤーのアバター名(ID)や活動記録が一定期間残ります。悪意のあるプレイヤーは、特定のアバター名に注目し、そのIDがアクションを行った場所の履歴を丹念に追跡します。これにより、「このプレイヤーは毎朝7時にこのタワーを占領しに来る」「このプレイヤーは夜9時以降、このジムの周辺にいる」といった行動パターンと時間帯を把握されてしまいます。
特定の場所(スポーン地点やジム)への継続的なアクセス
自宅や職場など、プレイヤーが毎日決まった時間に長時間滞在する場所の近くにあるゲーム内の拠点(ジム、ポケストップなど)は、「生活の本拠地」を推測する上で極めて重要な情報源です。もしあなたが自宅から容易にアクセスできる拠点で頻繁に活動していると、その拠点を監視している第三者から、「このIDのプレイヤーの自宅はこのスポットから半径〇メートル以内にある」と特定されてしまうリスクが極めて高くなります。
ゲーム内チャットやプロフィール情報からの推測
ゲーム内のクローズドなコミュニティ(ギルド、フレンドグループなど)での会話や、アバターのプロフィールに無意識に書き込んだ情報(「〇〇区在住」「〇〇駅を利用」といった地元の情報)が、地理的な特定を補強する情報として悪用されます。仲の良いプレイヤーに何気なく漏らした個人情報が、関係性の悪化やアカウントの乗っ取りによって流出し、特定行為に繋がるケースも少なくありません。
ゲーム外の連携サービスによる情報流出リスク
ゲームの外部で利用しているサービスと位置情報ゲームが結びつくことで、より広範囲な個人情報流出のリスクが発生します。
スクリーンショットのアップロードによる意図しない情報漏洩
プレイヤーがゲームの達成度やレアアイテム獲得を自慢するために、ゲーム画面のスクリーンショットをSNSにアップロードする行為は一般的です。しかし、このスクリーンショットに映り込んでいるゲーム内の地図の範囲や、周囲のランドマーク(建物、道路の形状、ジムの名前)が、現実世界の具体的な場所を示す手がかりとなる場合があります。また、稀にゲーム外の通知やホーム画面の一部が映り込み、他のアプリの使用状況などが露見することもあります。
SNSアカウント連携からの情報収集
ゲームアカウントとX(旧Twitter)やFacebookなどのSNSアカウントを連携させている場合、ゲーム内トラブルが起きた際に、悪意のあるプレイヤーがあなたのSNSアカウントを特定し、そこからさらに詳細な個人情報(顔写真、本名、職場、交友関係)を収集し始める危険性があります。SNSでの何気ない投稿(「今日は自宅でまったり」「近所のカフェ」など)とゲーム内の活動履歴を照合されると、自宅の特定は一気に進んでしまいます。
予防策徹底:自宅の特定を防ぐための具体的行動マニュアル

トラブルに巻き込まれた後の対処も重要ですが、最も効果的なのはトラブルの発生を防ぐことです。ここでは、位置情報ゲームを安全に楽しむための具体的な予防策を解説します。
ゲームプレイ設定の見直しと徹底した情報管理
ゲーム内で自宅の場所を推測される手がかりを最小限に抑えるための設定変更と行動パターンを確立します。
自宅周辺では絶対にプレイしない(仮想安全圏の確保)
これが最も重要な予防策です。ゲーム内のジムや拠点は、自宅から「簡単にはアクセスできない」場所に設定し、自宅周辺のスポットでの一切のゲーム内アクティビティを停止します。自宅から徒歩数分圏内のスポットで頻繁に活動していると、あなたの生活の本拠地は確実に特定されます。通勤・通学経路の特定の場所でも、滞在時間を極力短くし、行動パターンを読まれないように変則的なルートを取ることも有効です。
プレイ用とプライベート用のID・アカウントの分離
位置情報ゲームで使用するアバター名(ID)は、本名や他のSNSで使用しているハンドルネームとは全く異なるものを使用します。また、ゲームアカウントと連携させる外部SNSアカウントは、個人情報が一切含まれていないゲーム専用のアカウントを作成し、プライベート用のSNSアカウントとの関連性が外部から判別できないように徹底的に分離します。これにより、ゲーム内でのトラブルが現実世界に波及するのを防ぎます。
スクリーンショットの公開時に地図情報を厳重にチェック
ゲーム画面をSNSなどに公開する際は、地図上の具体的な場所、周囲のスポーン地点、ジム名などが映り込んでいないかを細心の注意を払って確認し、必要に応じてトリミング(切り抜き)やモザイク処理を施します。特に、珍しい建物や道路の形状など、特定の地域を特定できる情報が映り込んでいないかを確認してください。可能であれば、位置情報ゲームのスクリーンショットは公開しないことが最も安全です。
外部サービス利用時のセキュリティ強化と危険な行動の回避
位置情報ゲーム以外のサービスや、現実世界での行動においても、プライバシー侵害のリスクを避けるための対策が必要です。
外部SNSでのジオタグ(位置情報)機能をオフにする
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSに写真を投稿する際、自動で付与されるジオタグ(位置情報)機能は必ずオフにします。位置情報ゲームの活動範囲内で撮った写真にジオタグが付いていると、ゲーム内の行動履歴と合わせて自宅やよく行く場所が特定されてしまう可能性が飛躍的に高まります。過去の投稿についても、ジオタグが付与されていないか確認し、削除または非公開化することを推奨します。
ゲーム内での過度な交流や個人情報に触れる会話を避ける
フレンドやギルドメンバーとの交流はゲームの醍醐味ですが、安易に個人的な情報(居住地、職業、家族構成など)を開示することは避けます。特に、ゲーム外のプライベートなSNSでの交流を誘うプレイヤーや、個人情報を聞き出そうとするプレイヤーには警戒し、交流を断ち切ることも検討します。トラブルが発生した場合に備え、ゲーム内のチャット履歴やフレンドからの不審なDMは定期的にスクリーンショットなどで保存しておくことが重要です。
不審な行動を取るプレイヤーのブロックと通報
ゲーム内での粘着行為、執拗なメッセージ、不適切な言動など、不審な行動を取るプレイヤーに遭遇した場合、直ちにブロック機能を利用します。さらに、その行動がゲームの利用規約に反していると判断される場合は、ゲーム運営会社に直ちに通報し、適切な対応を求めます。運営会社に通報することで、そのプレイヤーのアカウントが停止され、将来的なトラブルを未然に防げる可能性があります。
対処法(初期):ストーカー・特定被害発生時の緊急対応

万が一、自宅を特定されたり、ストーカー被害に遭ったりした場合、被害の拡大を防ぐために迅速かつ冷静に対応することが求められます。
被害発生直後に取るべき行動
被害の証拠を保全し、自己の安全を最優先に確保します。
証拠の保全(スクリーンショットと魚拓の取得)
自宅や個人情報が晒された投稿(SNS、掲示板、ブログなど)を発見した場合、その投稿内容をスクリーンショットで撮影し、投稿日時、URL、投稿者IDが明確に分かる形で保存します。また、匿名掲示板などの場合は、「魚拓(ウェブページのキャッシュを保存するサービス)」を利用し、投稿が削除されても内容が確認できるように記録します。これらの証拠は、後の削除依頼や法的手続きにおいて不可欠な資料となります。
自宅周辺の不審者への警戒と警察への相談
もし、ゲーム内のトラブルをきっかけとした不審者の接近やつきまとい、自宅への訪問などのストーカー行為が発生した場合、自身の安全を最優先し、すぐに最寄りの警察署や生活安全課に相談します。位置情報ゲームでの特定被害であることを明確に伝え、ストーカー規制法や他の法規制に基づく対応を求めます。証拠(チャット履歴、晒し投稿、ゲーム内活動履歴など)を提示できるように準備しておきます。
ゲームアカウントの緊急非公開化・削除と一時休止
被害が発生した直後から、被害に関連するゲームアカウントのプライバシー設定を最高レベルに引き上げ、フレンドリストの整理、自宅周辺でのプレイの一時休止、もしくはアカウントの一時削除を検討します。アカウントのIDや活動が特定行為に利用されている可能性があるため、その情報源を断つことが重要です。ゲーム運営会社にも、被害状況を詳細に報告し、アカウントに対する特別な対応(例えば、活動履歴の非公開化など)を要請します。
晒し投稿の対象と内容の法的評価
晒し投稿を削除するための法的根拠を明確にするため、投稿内容がどの権利を侵害しているかを評価します。
「名誉権」侵害(誹謗中傷・信用毀損)
晒された投稿内容が、あなたの社会的評価を低下させる具体的な事実(例:「あいつは不正行為者だ」「仕事で横領している」)を摘示している場合や、あなたの社会的評価を低下させる侮辱的な表現(例:「キモい」「氏ね」などの暴言)を含んでいる場合、名誉毀損罪や侮辱罪の対象となり、民事上も名誉権侵害や名誉感情侵害として削除を請求できます。
「プライバシー権」侵害(自宅の特定・個人情報の拡散)
投稿内容が、あなたの私生活に関する事実(例:自宅住所、電話番号、顔写真、職場、家族構成など)を含み、それが一般に公開されていない情報であり、あなたが公開を望んでいない情報である場合、プライバシー権侵害として削除を請求できます。自宅の外部からの写真や、住所・番地まで特定できるような情報が含まれている場合は、特に重大なプライバシー侵害となります。
「肖像権」侵害(無断での顔写真・動画の公開)
もしあなたの顔写真や、あなたが映っている動画が無断で公開されている場合、それは肖像権侵害(プライバシー権の一部)にあたります。特に、プライベートな環境で撮影された写真や、公の場ではない場所での撮影物である場合、削除請求の根拠となります。
対処法(実行):晒し投稿を削除するための具体的ステップ

晒し投稿をインターネット上から削除するためには、プラットフォーム運営会社やサーバー管理者に対して、法的根拠に基づいた削除依頼を行う必要があります。
ステップ1:コンテンツプロバイダ(SNS・掲示板)への削除依頼
最も迅速な対処法は、投稿が掲載されているサイトやSNSの運営会社に直接削除を要請することです。
サイト運営者の利用規約違反による削除請求
ほとんどのSNSや匿名掲示板には、誹謗中傷、ストーカー行為、個人情報の晒しを禁止する利用規約が存在します。晒し投稿がこれらの規約に違反していることを指摘し、運営会社が独自に定める「通報フォーム」や「問い合わせ窓口」を通じて削除を依頼します。この際、投稿のURL、投稿者ID、違反している規約の条項を具体的に記載することが、削除のスピードを上げる鍵となります。
法的根拠に基づく権利侵害の主張
規約違反だけでなく、「プライバシー権侵害」「名誉権侵害」「肖像権侵害」といった法的根拠(プロバイダ責任制限法第3条)に基づき、運営会社へ削除を請求します。運営会社が用意している「権利侵害申告フォーム」を利用し、侵害された権利、侵害の具体的な内容、削除を求める理由を詳細かつ論理的に記述した申告書(意見書)を提出します。法的論拠を明確に示すことで、単なるクレームではなく、運営会社の法的責任を問う行為であることを伝え、対応を促します。
サイト運営者が海外法人の場合の対処法
投稿サイトの運営会社が海外法人(例:X、Facebook/InstagramのMeta、Google/YouTube)である場合でも、日本国内からアクセス可能である限り、日本の法律(プロバイダ責任制限法や民法)に基づく削除請求は可能です。これらのグローバル企業は、日本の法律に準拠するための専門の窓口を設けていることが多いため、日本語で記載された権利侵害申告フォームを利用して手続きを進めます。申告内容の翻訳は不要な場合がほとんどですが、提出する資料は正確性を期す必要があります。
ステップ2:発信者情報開示請求と法的措置の検討
運営会社が任意での削除に応じない場合や、投稿者が同一人物による粘着質な投稿を繰り返す場合、法的措置を検討する必要があります。
投稿者の特定(発信者情報開示請求)の手続き
削除請求に応じない場合でも、投稿者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うために、裁判所を通じて発信者情報開示請求を行うことができます。これは、まずサイト運営者に対してIPアドレスの開示を求め、次にIPアドレスを保有するインターネット接続事業者(プロバイダ)に対して、契約者情報(住所・氏名)の開示を求める二段階の手続きです。この手続きには専門的な知識と時間、費用が必要となります。
裁判所による削除の仮処分命令の申立て
運営会社が任意での削除に応じず、かつ緊急性が高い場合(被害が拡大している場合など)、裁判所に削除の仮処分を申し立てることができます。裁判所が「投稿による権利侵害が明白である」と判断すれば、運営会社に対して直ちに当該投稿を削除するよう命じる決定(仮処分命令)が出されます。これは、削除までに時間がかかる開示請求よりも迅速に被害を食い止めるための有効な手段です。
警察への被害届・刑事告訴の提出
ストーカー行為、脅迫行為、名誉毀損行為が明らかに犯罪に該当する場合、証拠を揃えて警察に被害届を提出したり、刑事告訴を行ったりすることを検討します。警察が捜査を開始すれば、投稿者を特定し、被害拡大を防ぐための措置(警告、逮捕など)が取られる可能性があります。警察への相談は、前述の「自宅周辺の不審者への警戒」と並行して早期に行うべきです。
トラブル予防知識:位置情報ゲームを巡る法制度の理解

位置情報ゲームに関するトラブルに巻き込まれないために、また、被害に遭った場合に適切に対処するために、関連する法律の知識を持つことが重要です。
ネット上の誹謗中傷・プライバシー侵害に関する法律
インターネット上のトラブルの解決に直結する重要な法律について理解を深めます。
プロバイダ責任制限法と被害者保護
「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)は、インターネット上の権利侵害が発生した場合に、サイト運営者やプロバイダが負う責任の範囲を定めています。この法律により、権利を侵害された被害者は、サイト運営者やプロバイダに対し、投稿の削除や発信者情報の開示を請求する法的根拠を得ることができます。
刑法・民法上の名誉毀損と侮辱
刑法においては、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した場合に名誉毀損罪(事実の真偽を問わず成立)が、事実を摘示せずに人を侮辱した場合に侮辱罪が成立します。また、民法においては、故意または過失によって他人の権利を侵害した場合、不法行為として損害賠償責任を負うことになります(民法第709条)。晒し投稿や誹謗中傷は、これらの名誉権、名誉感情、プライバシー権の侵害にあたり、法的責任を追及できる対象となります。
改正ストーカー規制法による特定行為の規制
ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)は、つきまとい、待ち伏せ、住居等への押し掛け、無言電話、電子メール等の送信といった「つきまとい等」の行為を規制しています。位置情報ゲームを悪用した自宅の特定行為や、ゲーム外での執拗なメッセージ送信も、この法律の規制対象となる可能性があります。特に、生命、身体、自由、名誉または財産に害を加える旨を告知する行為(脅迫)は厳しく罰せられます。
ゲーム運営会社と警察の役割分担
トラブル解決に向けて、ゲーム運営会社と公的機関がどのような役割を果たすかを理解します。
ゲーム運営会社は「利用規約」と「サービス継続」の観点から対応
ゲーム運営会社は、主に利用規約に基づき、ゲームの健全な運営と他のユーザーの保護の観点から、問題のあるアカウントへの措置(警告、アカウント停止、投稿削除など)を行います。運営会社は原則として、個人のプライバシー侵害や名誉毀損といった「法的な紛争」そのものには介入しませんが、利用規約違反や深刻な被害の発生が明確な場合には、迅速な対応を期待できます。
警察は「犯罪行為」と「生命・身体の安全」の観点から対応
警察は、ストーカー行為、脅迫、恐喝、電子計算機損壊等業務妨害など、刑法や特別法に違反する犯罪行為が発生した場合に捜査を行い、加害者の特定と逮捕、被害の拡大防止のための措置(警告、保護など)を行います。単なるゲーム内でのトラブルや、違法性の低い誹謗中傷については民事不介入の原則から介入が難しい場合がありますが、生命や身体の安全に関わるストーカー行為や明確な脅迫に対しては積極的な介入を期待できます。
ネット削除協会からのアドバイス:安全なゲームプレイのための心得

位置情報ゲームを最大限に楽しむためには、常に「現実世界と繋がっている」という意識を持つことが重要です。以下の心得を実践し、安全なデジタルライフを送りましょう。
匿名性の意識的な活用とリスクヘッジ
「完全な匿名性」は存在しないことを理解する
インターネット上に「完全な匿名」は存在しません。IPアドレス、活動履歴、投稿内容の癖、他のSNSとの関連性など、無数の情報が組み合わさることで、個人が特定されるリスクは常に伴います。特に位置情報ゲームにおいては、リアルタイムの地理情報という極めて強力な特定材料があることを常に意識し、自ら個人情報を特定されるような行為は絶対に行わないという意識を持つことが重要です。
リアルな出会いを誘う誘惑への警戒心を持つ
ゲーム内のフレンドから「リアルで会いたい」「一緒にプレイしたい」といった誘いがあった場合、極めて慎重に対応し、原則として断ることが賢明です。どうしても会う必要がある場合でも、絶対に自宅や職場の近くではない公共の場を選び、信頼できる友人・知人と複数人で行動するなど、最大限の安全対策を講じることが必要です。
定期的なプライバシー設定の点検と情報の棚卸し
位置情報ゲームや連携SNSのプライバシー設定は、定期的に(最低でも半年に一度)点検し、最新の設定状況を確認します。利用していない古いアカウントや、過去に不用意に公開した個人情報を含むSNSの投稿などは、この機会に削除するか非公開設定に見直します。情報の棚卸しを行い、自らのデジタルフットプリントを小さく保つことが、長期的なリスクヘッジにつながります。
まとめ
位置情報ゲームは、日々の生活を豊かにしてくれる素晴らしいエンターテイメントですが、その仕組み上、他のオンラインサービスにはない現実世界へのリスクを内在しています。
この記事で解説した、自宅周辺でのプレイの回避、アカウントの分離といった「予防策」は、被害に遭わないための最も重要な盾となります。そして、万が一、誹謗中傷や自宅の晒しといったトラブルに巻き込まれた際には、証拠を迅速に保全し、利用規約違反や法的根拠(プライバシー権侵害など)に基づき、運営会社への削除要請や裁判所への仮処分申立てといった「対処法」を躊躇なく実行に移すことが、被害の拡大を防ぐ鍵となります。
個人の名誉とプライバシーを守り、安心してゲームを楽しむために、常に冷静にインターネットのリスクを理解し、適切な対策を講じ続けることが、現代のプレイヤーには求められています。


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