

お店側の手違いやお客様の勘違いで、誤った情報の口コミが投稿されてしまうこともありますよね。
しかし、いくら手違いといえど、その口コミによってお店に風評被害を与えてしまうケースも多いため、焦りを覚えるかもしれません。
そこで、この記事でホットペッパーの口コミを削除する方法を紹介していきます。
削除ができない状況や理由を知り、今すぐ削除できるように削除の手順まで解説していきますよ。
この記事を読み進めながら、口コミ削除に関するモヤモヤした気持ちを少しずつ取り除いていきましょう。
ホットペッパーの口コミは投稿者もお店側も削除ができない


残念ながら、ホットペッパーの口コミは削除する機能はありません。
ホットペッパーのヘルプには
口コミ投稿後の再投稿・再編集・削除は行えません。ご了承ください。
と記載されています。
一概に口コミを削除するといっても、「口コミ投稿者側」と「お店側」の2種類の立場に立つことが可能です。
それぞれの立場から削除ができない現状についてみていきましょう。
口コミ投稿者側でも削除できない
さきほど述べた様に、ホットペッパーの口コミ投稿ルールにて 「口コミ投稿後に再編集や削除はできないこと」が記載されています。
投稿者が投稿してしまってから「やっぱり削除しよう」と思っても削除は不可能です。
ゆえに、投稿者は お店側から「口コミ投稿を削除してほしい」といわれても、投稿者は削除することはできません。
したがって、口コミ投稿者に直接削除させるような依頼をするのは避けましょう。
お店側で口コミ削除を依頼しても対応してくれない
お店の掲載管理画面には、口コミを削除できるフォームやメールアドレスの記載はありません。
それどころか、ホットペッパーのヘルプには、
※※お問い合わせいただきましても修正・削除はお受けできません※※
と記載されており、削除依頼の問い合わせができない状況となっています。
削除したい口コミがあって、運営に依頼したとしても、口コミは削除できないのです。
結局どうして??ホットペッパーの投稿が削除できない理由は「審査」
ホットペッパーのヘルプには
投稿いただいた口コミは、『口コミの掟』に基づき事前に審査を行います。
と記載されており、事前に審査が行われることがわかります。
理由として考えられるのが、ホットペッパー運営によるこの 「口コミの事前審査」です。
ホットペッパーの口コミは、事前に運営による審査の通った口コミのみが掲載されています。
つまり、ホットペッパー運営が一度目を通して、 問題がないと判断した後に口コミを表示させるわけですね。
したがって、現在ホットペッパーで閲覧できる口コミは表現に問題がない口コミだけなのです。
運営は削除を依頼されても、すでに審査が済んでいる口コミを削除するようなことはしません。
これがホットペッパーで口コミが削除できない理由といえます。
ホットペッパーに表示されている口コミは入念な審査済み
ホットペッパーに表示されている口コミは、時間をかけて入念に審査された口コミです。
ホットペッパーのヘルプには
投稿内容の審査に2~10営業日かかる場合があります。また、掲載順は投稿日順ではなく、前後することがあります。
と記載されています。
口コミ記入・投稿後すぐに反映されるのではなく、「2~10営業日」と時間をかけてじっくりと審査しているのです。
このように審査に力をかけており、ただ運営に送信されてきた口コミを表示しているわけではありません。
入念に審査された口コミの削除は簡単ではないのです。
ホットペッパーが禁止している口コミの内容
ホットペッパーには「口コミの掟」と呼ばれる利用規約があり、運営によって禁止されている口コミがあります。
「口コミの掟」に基づいて、運営が入念にチェックした口コミのみが掲載されているため、口コミの削除は容易ではありません。
「口コミの掟」第3条(投稿・閲覧)の第4項「内容に関する規制」では以下のような内容が禁止されている口コミ内容です。
禁止されている口コミの中からいくつかを抜粋して、紹介していきます。
- 【1】リクルートの提供する美容院・各種サロン情報関連から逸脱した内容
- 【2】利用者自身の体験や、HOT PEPPER Beautyを利用しての利用経験に基づいていない内容
- 【4】事実と反する内容・虚偽の内容
- 【6】掲載施設の提供サービスと関連のない内容を投稿すること
- 【7】利用者と掲載施設にまつわる、当事者間の問題とリクルートが判断した内容(当事者間の個別事情による返金・サービスの再提供等の対応を含むが、これらに限らない)を投稿すること
- 【8】著作権、商標権、プライバシー権、名誉等、他者の権利を侵害する内容
- 【9】投稿者のみならず、他の施設利用者や施設従業員等、個人のプライバシーにかかる事項(利用日・企業団体名・役職名・特徴風貌・行為行動など個人が識別できてしまうような情報を含むが、これらに限らない)
- 【10】本来公開されていない個人の名前・電話番号その他の連絡先が使用(投稿者名や投稿内容において使用される場合を含むが、これらに限らない)されているもの
- 【12】特定の条件でしか発生しない情報についての喧伝ととれるもの
- 【13】他人を威圧・脅迫する旨が看取される内容
- 【14】粗暴性、残虐性又は犯罪を誘発助長する内容
- 【15】掲載施設や第三者に対する不当な利益誘導、信用毀損にあたる内容
- 【18】以下に該当する表現(または近しい表現)
以上のような口コミは投稿禁止とされており、審査のうえ反映されない投稿となります。


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さきほどの規約の表現を変えると、上記のような口コミが表示されない投稿です。
「口コミの掟」によって、具体的にどのような口コミが禁止されて非表示となっているかわからないので、例をあげつつ解説していきます。
禁止されている口コミ1:お店に直接関係のない口コミ
「お店に直接関係のない口コミ」は以下の規約により、口コミとして反映されません。
【1】リクルートの提供する美容院・各種サロン情報関連から逸脱した内容
ホットペッパーは掲示板サイトではないので、「その口コミは間違っている」「あの口コミはおかしい」といった他人の口コミの評価や会話は禁止されています。
禁止されている口コミ2:お店に行ってないのに書き込まれた口コミ
「お店に行ってないのに書き込まれた口コミ」も以下のように禁止されています。
【2】利用者自身の体験や、HOT PEPPER Beautyを利用しての利用経験に基づいていない内容
要は、実際にお店を訪れたこともないのに、書き込まれた口コミです。
「聞いた話だと、このお店の従業員は接客が最低」「事前に高評価の口コミをすればサービスが無料になると言われたので、高評価します」といった内容の口コミは禁止されています。
禁止されている口コミ3:事実ではない嘘の口コミ
「【4】事実と反する内容・虚偽の内容」
このように「事実ではない嘘の口コミ」は規約により、禁止されている口コミ内容です。
口コミに少しでも嘘の内容が含まれていたら、その口コミは規約違反として表示されません。
例えば、事実は異なるのに「このお店には○○という裏メニューがある」「店員さんに手荷物を盗まれた」と書き込まれた場合です。
禁止されている口コミ4:サービスと関係のない口コミ
お店が提供しているサービスと関係のない口コミは以下の規約により表示されません。
「【6】掲載施設の提供サービスと関連のない内容を投稿すること」
この規約で禁止されている口コミは例えば次のような口コミ内容が該当します。
「(URLを紹介しながら)このサイトが面白い」「この店を訪れた○○という政治家は無能だ」「この店にサインを残した○○は不倫で有名だ」といったサービスと関係のない口コミは表示されません。
禁止されている口コミ5:お店とお客の間の問題を含む口コミ
お店とお客の間で事件・事故があってもその内容を口コミとして投稿することは禁止されています。
「【7】利用者と掲載施設にまつわる、当事者間の問題とリクルートが判断した内容(当事者間の個別事情による返金・サービスの再提供等の対応を含むが、これらに限らない)を投稿すること」
お店とお客の間で起こった事件・事故に対して、返金やサービスの無料などの対応を取るケースがあります。
しかし、その事件・事故について直接口コミとして書き込むことは認められません。
例えば「○○という美容院で怪我をさせられた」「別のメニューの金額を請求された」などの当事者間の問題は表示されない口コミとなります。
禁止されている口コミ6:法律で守られている権利を侵害する口コミ
法律で守られている権利とは次のようなものです。
- 著作権
- 商標権
- プライバシー権
- 名誉
- そのほか法律で守られている権利
これらの権利を侵害する口コミは、ホットペッパーの利用規約で禁止されています。
さらに、権利侵害の内容を含む口コミは、法律にも違反する行為です。ゆえに、上記の権利を侵害した場合、口コミは表示されません。
例えば「この従業員の電話番号を特定した」「この店の店長は元犯罪者だ」といった口コミはプライバシーの侵害や名誉毀損に該当する可能性があります。
このような口コミは運営によって口コミ投稿が反映されません。
プライバシーの権利について
プライバシーの権利の扱いについて、ホットペッパーでは以下のようにも定めています。
【9】投稿者のみならず、他の施設利用者や施設従業員等、個人のプライバシーにかかる事項(利用日・企業団体名・役職名・特徴風貌・行為行動など個人が識別できてしまうような情報を含むが、これらに限らない)
【10】本来公開されていない個人の名前・電話番号その他の連絡先が使用(投稿者名や投稿内容において使用される場合を含むが、これらに限らない)されているもの
従業員の特定、本名や電話番号の公開などが厳しく制限されていることがわかりますね。
ゆえに、個人情報が含む口コミが審査を通り、公開されるケースは極めて少ないです。
それでも個人情報が公開されている場合は、上記の条件を満たしていない可能性があります。
信用毀損について
信用毀損とは、嘘の情報を流すなどして、経営者として信用を失わせるような行為です。
この信用毀損は法律でも禁止されていますが、ホットペッパーでも禁止されています。
「【15】掲載施設や第三者に対する不当な利益誘導、信用毀損にあたる内容」
「あの店の従業員は全員ミスばかり起こしている。この店の経営者の顔が知りたい」といった口コミは表示されません。
禁止されている口コミ7:たまたま起こった不慮の事故をおおげさに伝える口コミ
お店の人もたまたまミスをしてしまう可能性は十分にありますよね。
不慮の事故を咎め、おおげさに伝えるような口コミは以下のように禁止されています。
「【12】特定の条件でしか発生しない情報についての喧伝ととれるもの」
具体的には、「お店のシャンプーで何かのアレルギー反応が出た。配慮不足だ」「お店で痴漢にあった。この店にはもういかない」といった口コミは表示されない投稿です。
禁止されている口コミ8:他人を脅かすような口コミ
「【13】他人を威圧・脅迫する旨が看取される内容」
他人を威圧・脅迫して恐怖を与えるような口コミは禁止されています。
「従業員の名前を特定してやる」「金を返さないと店に火をつける」といった内容の口コミは表示されません。
禁止されている口コミ9:危険な行為や犯罪を招く口コミ
危険な行為や犯罪を誘発するような口コミは以下のように禁止されている口コミです。
「【14】粗暴性、残虐性又は犯罪を誘発助長する内容」
例えば、「店裏で大麻の取引を行っている」「裏で売春の募集を行っている」といった犯罪行為を招くような口コミは禁止されています。
「投稿者の勘違いによる内容を含むもの」は一度問い合わせを
お客が勘違いして書き込んで投稿しても、ホットペッパーの審査を通って表示されているケースがあります。
例えば、「(自分が遅刻したのに)15分待たされた」「(混雑状況による判断だったのに)後から来た客が先に案内された」といった口コミです。
勘違いによる投稿は以下のように規約で禁止されています。
【18】以下に該当する表現(または近しい表現)
- 具体的な事象に基づかない記述
- 必要以上に感情的と判断される表現
- 投稿者の勘違いによる内容を含むもの
- 「利用しないほうがいい」「絶対に止めるべき」「最悪」「最低」等の独断的・断定的表現とリクルートが判断したもの
このように禁止されているため、本来であれば表示されない口コミとなっています。
しかし、ホットペッパー運営は膨大な数の口コミを審査しなければならないため、把握ができずに見逃すこともあるためでしょう。
ゆえに、勘違いによる口コミは、運営に審査を申し出る必要があります。
ホットペッパーへのお問い合わせの手順
以下の5つの手順で勘違いによる口コミを運営に報告しましょう。
- 手順1:お問い合わせフォームを開く(https://rls-customersupport.force.com/hpb/s/ask?faqId=kaP6F000000KylHUAS)
- 手順2:名前、メールアドレスの入力
- 手順3:「お問い合わせ内容のカテゴリ」の「クチコミ・レビューについて」を選択
- 手順4:利用環境を選択(パソコン、スマホなど)をして「次へ」をクリック/タップ
- 手順5:サロン名、予約番号、お問い合わせ内容を入力して「同意して問い合わせる」をクリック/タップ
以上の手順で口コミの報告が可能です。
注意!お問い合わせで注意することはやはり「お問い合わせ内容」
手順5の「お問い合わせ内容」には「口コミのURL」「口コミ内容のコピペ」「口コミ内容が違反している利用規約のコピペ」などを記入して、説得力を高めましょう。
また、感情的になっても、事態は解決しません。
命令口調ではなく、冷静に取引先との連絡を行うように丁寧な表現を意識してください。
ただ、ホットペッパー運営が削除しても口コミが削除されない姿勢であるため、必ず削除ができるとは限りません。
ゆえに、3週間ほど待って削除されない場合は口コミの削除を弁護士に依頼しましょう。
ホットペッパーの口コミ削除は弁護士に任せる手もある
ホットペッパーでは利用規約である「口コミの掟」に沿って、口コミを管理していましたね。
この「口コミの掟」に反していなければ、口コミは非表示・削除されませんでした。
しかし、「口コミの掟」に反していない場合でも、日本の法律に違反している可能性はあります。
そこで、法律違反を認めさせ、口コミを削除させる方法についてみていきましょう。
この方法が成功すれば、問題の口コミは確実に削除されますよ。
口コミ削除の為に弁護士に「仮処分申し立て」の依頼をする
「仮処分」とは、法律で守るべき権利を裁判所に認めてもらうことで、権利を守る処分のことです。
口コミでお店側の権利が侵害されている場合、この仮処分が守ってくれるわけですね。
この仮処分を裁判所に申し立て、仮処分が認められると、「権利侵害」が発生しているというお墨付きがもらえます。
そのため、権利侵害を行う口コミの掲載を続けるホットペッパーが「悪」という状況になるのです。
仮処分が下されたことをホットペッパーに報告すれば、口コミは削除できます。
この 仮処分は法律の知識が必要になるため、弁護士に依頼するケースがほとんどです。
ゆえに、ホットペッパーの口コミを法律で確実に削除させる場合、弁護士に依頼しましょう。




仮処分で権利を保護することで、改めて問題の口コミが「攻撃している」と認識できます。
ガードを作ってはじめて相手に攻撃されてるとわかるわけですね。あとはホットペッパーに権利侵害を申し出るだけです。
仮処分が認められる権利侵害についてわかりやすく解説
仮処分で権利侵害が認められれば、ホットペッパーの口コミは削除可能でしたね。
そこで、仮処分が認められる権利侵害の種類についてみていきましょう。
名誉毀損
他人を傷つける情報を不特定多数のユーザーが閲覧できるサイトに公開すれば、刑法の名誉毀損罪に問える可能性があります。
相手を傷つける情報とは、「犯罪者」「詐欺師」「低学歴」など嘘か本当かわからない情報です。
不特定多数のユーザーが閲覧できるサイトとは、ホットペッパーのようなレビューサイトやSNS、匿名掲示板サイトのことを指します。
このようなサイトに、公然と他人を傷つけるような投稿をする行為は、権利侵害に該当するのです。
侮辱
名誉毀損は侮辱と似ています。名誉毀損は相手を傷つける情報を伝える必要がありましたね。
しかし、侮辱では情報を提示して相手を傷つける必要はありません。
侮辱は「死ね」「殺す」などの罵倒・暴言で意味をなさない単語でも、名誉毀損に問えるのです。
ホットペッパー上でのお店への侮辱は刑法の侮辱罪に問える犯罪行為となります。
プライバシーの侵害
隠しておきたい私生活の情報が勝手に公開されることで不快・不安に感じた時点で権利侵害として認められます。
ホットペッパーに審査された口コミが、みなさんのプライバシーの権利を侵害されている場合は弁護士に依頼しましょう。
信用毀損・業務妨害
「嘘の情報を流す」「妨害行為をする」などして業務の邪魔をする場合、刑法の信用毀損・業務妨害罪に問うことが可能です。
お店のレビューサイトの場合、この信用毀損罪や業務妨害罪に問える可能性が高くなります。
口コミが信用毀損・業務妨害罪に該当していないか、確認しましょう。
著作権違反
著作権違反も立派な権利侵害です。
口コミ投稿の際に、勝手に店舗公式ホームページの宣伝フレーズを用いると、著作権侵害に該当します。
ただし、法律上レビューサイトでの著作権違反を立証するのは困難です。
ゆえに、どうしても著作権違反で仮処分を受けたい場合は、弁護士に相談しましょう。


まとめ

ホットペッパーでの口コミ削除は難しいけど、工夫次第で口コミ削除が可能になるんですね。

結論としては、ホットペッパーの口コミ削除は困難です。
ただし、困難なのはホットペッパーの利用規約に沿って削除した場合に限ります。
弁護士に依頼して、仮処分を裁判所に認めてもらうことで、確実に問題の口コミを削除させえることが可能なのです。
お店として風評被害が拡散されてしまう前に、早めの対応で手を打ちましょう。
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