今回は「ネットいじめってなに?」「ネットいじめに遭った」「ネットいじめの実態が知りたい」という方にネットいじめについて詳しく解説していきます。
ネットいじめ(cyber bullying)とは、ネット上で発生するいじめ行為です。多くは現実のいじめ行為の延長であり、公的機関や学会のレポートではネットいじめは学校で発生するいじめの一種として捉えられています。
また、かつては「学校裏サイト(匿名掲示板サイト)」で起きる対象人物へのリンチ行為という認知されていましたが、現在はTwitterやLINEなどSNSも学生に多く利用されており、SNS上で発生した嫌がらせ行為もネットいじめとして取り扱われるというケースがあります。
「ネット上で起きた学校でのいじめ」なんですね。
今回はこのネットいじめ行為に関する基礎的な情報だけではなく、対処方法まで紹介していきますので、ネットいじめに遭って対処したいという方はぜひご参照くださいませ。
ネットいじめの特徴!これっていじめ?
ネットいじめはおおむねネット上で行われる嫌がらせ行為を指していましたね。それではまず、どのような手口でネットいじめが行われているのでしょうか。
実はネットいじめの手口(特徴)として、「誹謗中傷」と「個人情報流布」の2つが顕著です。
ある調査結果によると「悪口・誹謗中傷・脅しなど言葉の暴力」が6割を超える、という結果が出ています。このようにネットいじめは「言葉の暴力」という一面があるようです。
ネットいじめの特徴を押さえることで、いじめに遭われている方は現状の再認識と傾向と対策が掴めると思います。
以下の記事ではネットいじめのネットいじめのターゲットや問題性、ネットいじめが発生する場所、原因と背景について解説していきますのでぜひご参照ください。
事例からさらに理解するネットいじめの実態
ネットいじめについては誹謗中傷が6割を超えるとしましたね。実際に以下のようなネットいじめ事例がありました。
- 事例1:SNSで複数の生徒から誹謗中傷
- 事例2:掲示板で実名公開、投稿者を特定
- 事例3:LINE(ライン)でネットいじめ
- 事例4:不快な動画の撮影・公開・拡散
具体的な内容は以下の記事で解説していきますので、さらに実態を理解したい方は下記の記事をご参照ください。
ネットいじめの認知件数2020最新!どれくらい起きてる?
ネットいじめの認知件数は増加傾向にあります。文科省のデータに基づいた以下の表をご覧ください。
ネットいじめ 件数(件) |
「いじめ」自体の認知件数 に占める割合(%) |
|
H22(2010) | 3051 | 3.93 |
H23(2011) | 2992 | 4.26 |
H24(2012) | 7855 | 3.96 |
H25(2013) | 8788 | 4.73 |
H26(2014) | 7898 | 4.20 |
H27(2015) | 9187 | 4.08 |
H28(2016) | 10779 | 3.34 |
H29(2017) | 12632 | 3.05 |
H30(2018) | 16334 | 3.00 |
※文科省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(H23~H30)」の調査項目「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる。」を元に筆者が作成
ネットいじめの発生件数は8年で5倍以上増えていますが、学校で発生するいじめ全体の認知件数に占める割合は減っています。つまり、ネットいじめ以外のいじめの方が増えている、ということになります。
しかしながら認知件数の「5倍」という数字は見逃せません。少しでも困っている方は「ネットいじめの対処方法」を参考にして対処・対策していきましょう。
また、以下の記事では視覚的に分かりやすい推移のグラフと小中高でのネットいじめのデータを掲載しています。「ネットいじめがどれくらい起きているのか」知りたい方は確認しておきましょう。
ネットいじめは法律的にどうなの?
実はネットいじめを含む「いじめ行為」は「違法行為」です。
有名な「いじめ防止対策推進法」では第四条で「児童等は、いじめを行ってはならない。」と定めてあります。ただし、この法律には罰則規定がないのでこの法律で加害者を裁くことはできません。
そこで現行法でいじめを対処するためには数多ある法律の中で「刑法」と「民法」が適用されます。
刑法とは具体的な「犯罪行為」を規定した法律であり、「懲役」や「罰金」など罰則期待が存在します。民法は私的生活を規律する法であり、日本人の権利(人権)や義務について定めてある法律です。
まず、ネットいじめは「誹謗中傷」の特徴が強い場合、刑法上で『名誉毀損罪』または『侮辱罪』に該当する可能性があります。
また、民法上でも人権を侵害する『不法行為』に該当し、損害賠償請求(慰謝料請求)権が与えられます。
さらにはネット上で権利侵害が発生した場合(ネットいじめで人権が傷つけられた場合)、『プロバイダ責任制限法』が適用され、投稿者の特定が可能となります。
法的な内容をこの記事で一気に説明するのは便宜上困難ですので以下の記事で詳しく解説していきます。加害者に対して法的な対処を検討している方はご確認くださいませ。
ネットいじめの対処方法
現在、ネットいじめに苦しんでいる方は早急な対処が重要です。今すぐできる対処法として以下の2つの方法が考えられます。
- ネットいじめは専門機関に「相談」
- ネット上の問題情報の「削除」
「相談」と「削除」は上記2つの方法が考えられます。
具体的な対処方法も重要ですが、下記の記事では保護者の「早期発見」の重要性も解説していますので、ネットいじめについて不安に感じている方はぜひご覧ください。
ネットいじめ対策!子供を、自分を守るために
こちらはネットいじめを予防する「対策」です。ネットトラブルはネットの拡散性の高さという性質もあり、発生するとネット上に情報が拡がるので厄介です。
そのため、ネットいじめは発生してからの対処ではなく、発生を未然に防ぐ対策方法が重要となります。例えば、以下のような対策方法が考えられます。
- 対策1:『フィルタリング利用』『スマホ没収』
- 対策2:『家庭内ルール制定』『情報リテラシー/情報モラル習熟』
- 対策3:『インターネットへの理解』
- 対策4:『巡回(パトロール)』
政府もいじめの対策を行っていますので、国の対応にもどかしさを感じている方もぜひご確認ください。
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