Xのコミュニティノートが誤情報?訂正・報告・削除する方法

X(旧Twitter)では、誤解を招く可能性のある投稿に対して、ユーザー自身が背景情報を追加できる「コミュニティノート」という機能が利用されています。デマや誤情報の拡散を抑える仕組みとして定着し、ノートが付いた投稿を目にする機会も増えました。

しかし、このコミュニティノートそのものに誤った情報や個人情報が書き込まれてしまう可能性があることは、あまり知られていません。「この会社は過去に不祥事を起こしている」「この人物は○○の関係者である」といった事実と異なる内容のノートが表示されることがあります。そうなると、投稿を見た人に「公式に訂正された情報」のように受け取られ、企業や個人の信用を大きく損なうおそれがあります。

コミュニティノートはX公式の見解ではなく、匿名の協力者が作成したものです。そのため、誤ったノートを見つけても、当事者が直接削除したり編集したりすることはできません。一方で、Xには問題のあるノートを報告する仕組みが用意されており、個人情報の共有や嫌がらせにあたるノートは報告の対象になります。

本記事では、次の内容を順を追って解説します。

・コミュニティノートの仕組みと、ノートを書いている人

・誤ったノートへの訂正・報告の方法

・元ポストを削除した場合の扱い

・企業の風評被害につながった場合の対応

「まさかこんなところで」と思わぬ被害に遭わないよう、ぜひ参考にしてください。

Xのコミュニティノートとは?仕組みと書いている人

國次将範
國次将範

この章では、コミュニティノートの基本的な仕組みと、ノートを実際に書いているのは誰なのかを整理します。コミュニティノートは、X社の社員やファクトチェック機関ではなく、一般ユーザーである「協力者」が作成し、協力者同士の評価によって表示が決まる仕組みです。ノートがX公式の見解ではないという点は、誤ったノートへの対応を考えるうえでの大前提になります。まずはこの仕組みを正しく理解しておきましょう。

コミュニティノートの仕組みと表示されるまでの流れ

コミュニティノートとは、誤解を招く可能性のあるポストに対して、ユーザーが背景情報や補足説明を追加できる機能です。以前は「Birdwatch(バードウォッチ)」という名称で試験運用されていたもので、現在はXの誤情報対策の中心的な仕組みになっています。

ノートが付いたポストには、本文の下に「読者が背景情報を追加しました」といった表示とともに、補足説明や参考URLが掲載されます。ポストの閲覧者は、元の投稿とノートをあわせて読むことで、情報の真偽や前後の文脈を判断しやすくなります。

ただし、ノートは書かれた瞬間にすぐ表示されるわけではありません。一般的には次のような流れを経て公開されます。

・協力者がポストに対してノートを作成・提出する

・提出されたノートを、ほかの協力者が「役に立った」「役に立たなかった」などの段階で評価する

・普段は異なる評価傾向を持つ協力者同士が、共に「役に立った」と評価した場合に限り、ノートがポストに表示される

この仕組みは、単純な多数決で表示が決まらないように設計されています。特定の立場の人だけが集まって高評価を付けても、ノートが表示されにくいようになっているのです。評価に使われるアルゴリズムやデータは公開されており、誰でも検証できる透明性の高さも特徴とされています。

また、表示されたノートは固定されたものではありません。公開後も評価は続き、評価が下がればノートが非表示に戻ることもあります。一度表示されたノートが、後から消えたり、別のノートに置き換わったりすることがあるのはこのためです。

ノートを書いているのは誰か(匿名の協力者とAIノート作成者)

コミュニティノートを書いているのは、「協力者(コントリビューター)」として登録した一般のXユーザーです。協力者になるには、アカウント作成から一定期間が経過していること、Xのルールに違反していないこと、電話番号の認証が済んでいることなどの条件を満たしたうえで、参加登録を行う必要があります。

協力者は、最初からノートを書けるわけではありません。まずはほかの人のノートを評価する立場から始め、評価の実績を積むことでノートの作成が可能になるのが基本的な流れです。

ここで注意したいのは、協力者はXのユーザー名ではなく、コミュニティノート専用の別名で活動するという点です。ノートを見ても、どのアカウントの持ち主が書いたのかはわかりません。つまり、ノートの内容に誤りがあっても、作成者に直接連絡して訂正を求めることは基本的にできないのです。

さらに近年は、AIによってノートを作成する「AIノート作成者」の仕組みも導入されています。これは開発者が作成したAIが、ノートを求められたポストなどに対してノートの案を提出するものです。AIが作成したノートにはその旨が表示され、人間のノートと同じく協力者による評価を経なければ表示されない仕組みとされています。とはいえ、AIが誤った解釈や古い情報をもとにノートを作成するリスクはゼロではありません。人とAIの双方が関わる仕組みである以上、誤ったノートが表示される可能性は常にあると考えておく必要があります。

コミュニティノートはX公式の見解なのか

コミュニティノートは、ポストの直下にXの画面デザインの一部として表示されるため、X社が内容を確認した「公式の訂正」だと受け取る人も少なくありません。しかし実際には、そうではありません。

Xのヘルプセンターでは、コミュニティノートはX社の見解を示すものではなく、X社のチームが内容を編集したり修正したりすることもないと説明されています。ノートの内容は、あくまで協力者が作成し、協力者の評価によって表示されたものにすぎません。

また、ノートが付いたからといって、元のポストがXによって削除されたりラベルを付けられたりするわけではありません。Xのルールや利用規約、プライバシーポリシーに違反していると判断されない限り、X社はポストにもノートにも直接手を加えないのが原則です。

この点は、誤ったノートを書かれた側にとって、次の2つの意味を持ちます。

・「X社が認めた事実」ではないため、ノートの記載内容をそのまま事実として扱う必要はない

・X社は内容の正誤を判断して編集しないため、「内容が間違っている」という理由だけでは削除を求めにくい

一方で、ノートもXのルールの対象外ではありません。個人情報の共有や嫌がらせなど、Xのルールに違反するノートは報告でき、違反した協力者はコミュニティノートへの参加資格を失うなどの措置を受けることがあります。誤ったノートへの対処では、「内容の誤り」と「ルール違反」を分けて考えることが重要です。この違いを踏まえた具体的な対応方法は、第3章・第4章で詳しく解説します。

コミュニティノートが風評被害につながるケース

國次将範
國次将範

この章では、コミュニティノートがどのような形で企業や個人の風評被害につながるのかを具体的に整理します。コミュニティノートは誤情報を正すための仕組みですが、ノートそのものに誤りや個人情報が含まれていた場合、通常の誹謗中傷よりも「信頼できる情報」として受け取られやすいという特有のリスクがあります。どのようなケースで被害が生じやすいのかを把握しておくことが、早期発見と適切な対応の第一歩になります。

誤った事実や古い情報が記載されるケース

もっとも典型的なのは、ノートの中に事実と異なる情報が書き込まれてしまうケースです。たとえば、次のような例が考えられます。

・企業のキャンペーン告知ポストに「この会社は過去に行政処分を受けている」と、実際には別の会社の処分を混同したノートが付く

・新商品の紹介ポストに「この商品は安全性に問題があると報じられた」と、すでに解決済みの古い情報や、誤報だった記事を根拠にしたノートが付く

・個人の発信に対して「この人物は○○団体の関係者である」と、同姓同名の別人の情報や、根拠のない推測をもとにしたノートが付く

コミュニティノートには参考URLを添えるのが一般的ですが、参照されている情報源そのものが不正確だったり、内容を正しく読み取れていなかったりすることもあります。ノートの評価をする協力者も、すべての情報源を詳しく確認しているとは限りません。一見するともっともらしい根拠が付いていることで、誤った内容のまま「役に立った」と評価されてしまうことがあるのです。

また、会社名や商品名が似ている企業、同じ業界の別企業との混同は、当事者から見ると明らかな誤りでも、第三者には気づかれにくいものです。企業にとっては、自社の公式アカウントの告知ポストに誤ったノートが付くことで、販売や採用、取引先との関係にまで影響が及ぶおそれがあります。

個人情報や人物の関係性が書き込まれるケース

さらに深刻なのが、ノートの中に個人情報や、特定の人物との関係性が書き込まれるケースです。

たとえば、あるポストの投稿者について「この投稿者の本名は○○で、△△社に勤務している」「この人物は□□事件の関係者の家族である」といった内容が、ノートの形で記載されることが考えられます。本来、背景情報を補足するための仕組みが、事実上の「特定」や「晒し」の手段として使われてしまう危険があるのです。

コミュニティノートの協力者は匿名で活動しているため、書いた側が特定されにくいという事情もあります。個人情報を含むノートは、たとえ評価を経ずに非表示のままであっても、協力者向けの画面ではほかの協力者の目に触れる可能性があります。

また、画像や動画に対して付けられたノートは、同じ画像や動画を使った別のポストにも自動的に表示されることがあります。写真の人物について誤った説明が付いた場合、その画像が転載されるたびに同じ誤りが表示され続けるおそれがある点にも注意が必要です。

個人情報の公開や、特定の人物への嫌がらせは、Xのルールで禁止されている行為です。ノートに個人情報が含まれている場合は、「内容の正誤」の問題ではなく「ルール違反」として報告できるため、後述する報告手続きを速やかに進めることが大切です。

「公式の訂正」のように受け取られやすいノート特有のリスク

コミュニティノートによる被害が通常の誹謗中傷と大きく異なるのは、ノートが「中立的で信頼できる訂正情報」として受け止められやすいという点です。

一般的な誹謗中傷のリプライや引用ポストであれば、閲覧者も「個人の意見」「悪口」として一定の距離を置いて読むことが多いでしょう。一方でコミュニティノートは、Xの画面上で目立つ枠に囲まれ、元のポストよりも信頼できる情報であるかのように表示されます。第1章で触れたとおり、ノートはX公式の見解ではありませんが、多くの閲覧者はその違いを意識していません。

その結果、次のような二次被害につながることがあります。

・ノートが付いたポストのスクリーンショットが「公式に否定された」「ファクトチェックで嘘がバレた」といった説明付きで拡散される

・まとめサイトやニュース記事で、ノートの内容が事実として引用される

・会社名や人物名で検索した際に、ノートを引用した記事や投稿が上位に表示される

さらに、ノートが後から非表示になったとしても、スクリーンショットや転載記事は残り続けます。コミュニティノートの被害は、X上だけでは完結しないという前提で、早い段階から対応を検討することが重要です。

誤ったノートは削除できる?訂正と再審査の考え方

國次将範
國次将範

この章では、誤った内容のコミュニティノートを見つけた場合に、当事者として何ができるのかを解説します。結論からいえば、誤ったノートを当事者が直接削除・編集することはできません。ただし、協力者による評価の仕組みや、投稿者が利用できる「追加の審査」を求める手続きなど、ノートを見直してもらうためのルートはいくつか用意されています。「内容の誤り」への対応と、次章で解説する「ルール違反」の報告を使い分けることが大切です。

ノートを直接削除・編集することはできない

まず理解しておきたいのは、ポストの投稿者であっても、自分のポストに付いたノートを削除したり、内容を書き換えたりすることはできないという点です。

第1章で説明したとおり、コミュニティノートはX社の見解ではなく、X社のチームが内容を編集・修正することもありません。そのため、X社に「ノートの内容が間違っているので削除してほしい」と依頼しても、それだけで削除されることは基本的に期待できません。X社がノートに対応するのは、Xのルールや利用規約、プライバシーポリシーに違反している場合に限られるのが原則です。

また、ノートの作成者は匿名の別名で活動しているため、作成者に直接連絡して訂正を求めることもできません。ノートの内容に関して反論したい場合は、仕組みの中で見直しを求めるか、自ら正確な情報を発信するかのいずれかが基本的な選択肢になります。

なお、ノートの内容が誤っているだけでなく、個人情報の公開や嫌がらせにあたる場合は、ルール違反としての報告が可能です。この場合の手順は次章で詳しく解説します。

「役に立たなかった」評価と訂正情報の発信による対応

コミュニティノートは、公開後も協力者による評価が続く仕組みです。誤ったノートに対して「役に立たなかった」という評価が集まれば、ノートが非表示に戻る可能性があります。

協力者は、ノートを評価する際に「役に立たなかった」理由を選択できます。「情報源が信頼できない、または根拠になっていない」「事実に誤りがある」「古い情報である」といった理由が評価に反映されることで、ほかの協力者の判断材料にもなります。

ただし、当事者が評価に関わる場合は注意が必要です。

・社員や関係者を動員して、組織的に「役に立たなかった」と評価させる行為は、仕組みの趣旨に反する

・このような評価操作は、協力者の評価スコアを下げたり、参加資格を失う原因になったりするおそれがある

・異なる立場の協力者の合意を重視する仕組みのため、特定の集団による評価だけでは結果が変わりにくい

そのため、当事者として取り組むべきなのは、評価の数を増やすことよりも、誰が見ても誤りだとわかる一次情報を用意することです。具体的には、次のような対応が考えられます。

・自社サイトや公式アカウントで、事実関係を客観的な資料とともに説明する

・行政処分の有無や報道の訂正など、第三者が確認できる公的な情報源へのリンクを示す

・誤ったノートが付いたポストに対して、リプライや追加の投稿で正確な情報を補足する

こうした一次情報が公開されていれば、協力者がノートを再評価する際の根拠になり、誤ったノートを訂正する新たなノートが作成されるきっかけにもなります。

自分のポストに付いたノートへの再審査リクエスト

自分のポストにノートが付き、その内容に同意できない場合、ポストの投稿者は「追加の審査(Additional review)」をリクエストできます。Xのヘルプセンターでも、投稿者がノートの内容に同意できない場合の手段として案内されています。

一般的な手順は次のとおりです。

・Xのヘルプセンターにある、コミュニティノートの追加審査に関する案内ページを開く

・ノートが付いた自分のポストのURLを入力する

・コミュニティノートの画面に移動し、追加の審査をリクエストする

リクエストが受け付けられると、そのノートはより多くの協力者の評価対象として提示されます。追加の審査はノートの削除を保証するものではなく、改めて協力者の評価を集める手続きです。評価の結果によっては、ノートが非表示になることもあれば、そのまま表示され続けることもあります。

この追加審査を効果的に活用するためにも、前述した一次情報の発信を並行して進めておくことが重要です。協力者が再評価する際に参照できる、客観的で確認しやすい根拠があるかどうかが、結果を左右する大きなポイントになります。

なお、画面の表記や手順はアップデートにより変更されることがあります。申請の前には、Xのヘルプセンターやコミュニティノートのガイドで最新の方法を確認してください。

問題のあるコミュニティノートを報告する方法

國次将範
國次将範

この章では、個人情報の公開や嫌がらせなど、Xのルールに違反するコミュニティノートを報告する具体的な方法を解説します。Xでは、ノートのメニューから報告する方法と、コミュニティノート専用の報告フォームを利用する方法が用意されています。報告は、ポストの投稿者本人でなくても行えます。報告を行う前には、必ずノートの内容を証拠として保存しておきましょう。

ノートのメニューから報告する手順

もっとも手軽なのは、表示されているノートのメニューから直接報告する方法です。Xのヘルプセンターでも、ルールに沿っていないと考えるノートは、ノートのメニューから「報告」を選ぶことで誰でも報告できると案内されています。

一般的な流れは次のとおりです。

・問題のあるノートが付いたポストを開く

・ノートの右上などに表示されているメニュー(「…」など)を選択する

・「報告」を選び、表示された項目の中から該当する理由を選択する

報告の前には、次の情報を必ず保存しておきましょう。

・ノートが表示された状態のポストのスクリーンショット(ノートの本文、参考URL、表示日時がわかるもの)

・ポストのURL

・ノートに記載されている個人情報や、事実と異なる記載部分

ノートは評価の変化によって非表示になったり、削除されたりすることがあります。後から専門家への相談や法的な手続きが必要になった場合に備え、報告する前に記録を残しておくことが大切です。パソコンのブラウザで開き、URLと日時が同時に確認できる状態で保存すると、証拠としての信頼性が高まります。

専用フォームから報告する方法と記載のポイント

Xのヘルプセンターには、コミュニティノート専用の報告フォームも用意されています。メニューからの報告では伝えきれない事情がある場合や、より詳しく状況を説明したい場合は、フォームからの報告を検討するとよいでしょう。

フォームでは、「個人情報を共有している」「嫌がらせや脅迫にあたる」など、ノートの問題点を選択したうえで、該当するノートやポストの情報を入力します。報告の際は、次のような点を具体的に記載することが大切です。

・どのノートが問題なのか(ノートが付いたポストのURL、ノートの該当部分)

・どのルールに違反していると考えるのか(個人情報の公開、特定の人物への嫌がらせ など)

・どのような被害が生じている、または生じるおそれがあるのか(勤務先への問い合わせ、取引への影響 など)

「ノートが間違っている」「不快である」といった抽象的な記載よりも、ノートのどの部分が、どのルールに、どのように違反しているのかを明確に示した方が、審査する側も判断しやすくなります。

また、X上の情報が日本の法令に照らして違法であると考える場合は、Xが用意している違法なコンテンツの報告窓口を利用する方法もあります。2025年4月に施行された情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)では、一定規模以上のプラットフォーム事業者に対して、削除申出の窓口整備や、申出への対応結果の通知などが義務付けられました。Xの運営会社もこの大規模プラットフォーム事業者に指定されているため、権利侵害が明らかな場合は、こうした窓口の活用も選択肢になります。

ノートに個人情報を書かれた場合の対応

ノートに本名や勤務先、住所、電話番号などの個人情報が書き込まれていた場合は、「内容の正誤」にかかわらず、Xのルールに違反する個人情報の公開として報告できます。誤った情報であっても正しい情報であっても、本人の同意なく個人情報を公開することは問題になります。

この場合は、次のような対応を並行して進めましょう。

・ノートのメニューや専用フォームから、「個人情報を共有している」という理由で報告する

・Xのヘルプセンターにある個人情報の公開に関する報告フォームも確認し、状況に応じて利用する

・ノートが付いたポストや、ノートを引用して拡散している投稿についても、個別に報告する

・自分のプロフィールから勤務先や学校名などの情報を一時的に削除し、アカウントの公開範囲を見直す

個人情報のフォームでは、報告者と個人情報の持ち主との関係や、公開されている情報の種類を選択する項目があります。本人だけでなく、本人から依頼を受けた代理人として報告できる場合もあります。

なお、ノートに書かれた個人情報をもとに、ほかのユーザーによる特定行為や、勤務先・自宅への嫌がらせが始まっている場合は、報告と並行して、警察や公的な相談窓口にも早めに相談することが大切です。身の安全に関わる場合は、ネット上の削除対応よりも安全の確保を優先してください。

元ポストの削除と企業の風評被害への対応

國次将範
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最後に、「元ポストを削除すればノートも消えるのか」という疑問と、企業や個人が風評被害を受けた場合の総合的な対応策を解説します。元ポストの削除は、ノートの表示を止める手段になり得る一方で、スクリーンショットや転載、画像に付いたノートなどには効果が及ばない場合があります。X上の対応にとどまらず、二次拡散や検索結果への対策、再発防止まで含めて考えることが重要です。

元ポストを削除すればノートも消えるのか

コミュニティノートは、特定のポストに付けられる補足情報です。そのため、ノートが付いた自分のポストを削除すれば、そのポストとともにノートもX上で閲覧できなくなると考えられます。実際に、ノートが付いたことをきっかけに投稿者がポストを削除するケースは少なくありません。

ただし、ポストの削除には次のような注意点があります。

・画像や動画に付いたノートは、同じ画像・動画を使った別のポストにも表示される場合があり、自分のポストを消しても表示が続くことがある

・ノートが表示された状態のスクリーンショットは、ポストを削除しても残り続ける

・誤ったノートのせいでポストを削除すると、閲覧者に「指摘が正しかったから消した」と受け取られるおそれがある

特に企業の場合、誤ったノートを理由に公式ポストを削除すると、かえって「ノートの内容を認めた」という印象を与えてしまうことがあります。ノートの内容が明らかに誤っている場合は、安易に削除するのではなく、前章までに解説した追加審査や報告、正確な情報の発信を優先することも検討しましょう。

また、ノートが付いているのが他人のポストである場合、当事者であってもそのポストを削除することはできません。この場合は、ノートの報告や、ポスト自体に権利侵害がある場合の削除申請で対応することになります。

企業や個人が風評被害を受けた場合の対応策

誤ったノートによって風評被害が生じた場合は、次のような流れで対応を進めることが基本です。

・証拠の保存:ノートが表示されたポスト、拡散している投稿、転載記事などをスクリーンショットとURLで記録する

・事実関係の整理:ノートのどの部分が誤りなのかを、客観的な資料とともに整理する

・正確な情報の発信:自社サイトや公式アカウントで、事実に基づく説明を公表する

・X上の手続き:追加審査のリクエスト、ノートの報告、違法コンテンツの報告を状況に応じて行う

・二次拡散への対応:転載先のSNSやまとめサイトに対し、それぞれの窓口から削除を依頼する

・検索結果への対策:元のページが削除された場合はGoogleの「古いコンテンツの削除」ツールで更新を申請し、名誉毀損などにあたる場合は法的な理由による削除の申請を検討する

公式な説明を発信する際は、感情的な反論や、ノートの作成者を批判するような表現は避けることが大切です。反論の仕方によっては、それ自体が新たな炎上の火種になることがあります。事実と根拠を淡々と示すことが、結果的に信頼回復への近道になります。

ノートの内容が名誉毀損や信用毀損にあたるほど深刻で、売上の減少や取引の停止など具体的な損害が生じている場合は、法的な対応も視野に入ります。ノートの作成者は匿名の別名で活動しているため、作成者の特定を求める発信者情報開示請求が可能かどうかは、事案ごとの慎重な判断が必要です。早い段階で専門家に相談し、対応方針を検討しましょう。

自社だけでの対応が難しい場合は、総務省の「違法・有害情報相談センター」や、一般社団法人セーファーインターネット協会の「誹謗中傷ホットライン」などの窓口に相談することもできます。

再発を防ぐためのモニタリングと予防策

コミュニティノートによる被害を最小限に抑えるためには、ノートが付いたことにいち早く気づける体制を整えておくことが欠かせません。

投稿者は、自分のポストにノートが付いた場合に通知を受け取れることがあります。ただし、他人のポストに付いたノートで自社や自分の名前が書かれた場合には、通知は届きません。そのため、次のような予防策を日頃から講じておきましょう。

・X上で自社名、商品名、代表者名などを定期的に検索し、言及されているポストやノートを確認する

・Googleアラートなどのツールを使い、社名や人名を含む記事やまとめサイトの掲載を継続的にモニタリングする

・公式サイトに、会社概要や沿革、過去の報道への見解などを整理し、協力者が参照しやすい一次情報を公開しておく

・告知ポストでは、誤解を招きやすい表現や、根拠のない断定的な表現を避ける

・ノートや炎上が発生した場合の社内の連絡体制や、公式見解を出すまでの手順を決めておく

特に、正確な一次情報が公開されているかどうかは、誤ったノートが付いたときの対応の速さを大きく左右します。協力者が誤りに気づき、訂正のノートを書いたり、低い評価を付けたりする際の根拠になるからです。

コミュニティノートは誤情報対策として有用な仕組みですが、その一方で、ノートそのものが風評被害の原因になり得ることも忘れてはなりません。「証拠の保存」「正確な情報の発信」「報告と追加審査の活用」の3つを意識して、落ち着いて対応を進めましょう。自分だけで対応するのが難しいと感じた場合は、一人で抱え込まず、ネット上の削除対応に詳しい専門家や公的な相談窓口に相談することを検討してください。

 

ネットトラブル風評被害対策
この記事の監修者
國次@ネット削除の専門家

インターネットの誹謗中傷対策、削除の専門家。5ちゃんねるを始めとする、各種書き込みの削除、下位表示させるプロ。特に企業案件を得意とし、ネガティブな口コミ、サジェストキーワードを常に監視、対策している。携わった案件は1,000以上。お困りの場合は、以下↓LINEからお気軽にお問い合わせください。

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