この記事ではグーグルマップの写真(ストリートビュー)の削除依頼方法について解説しています。
ストリートビューを見ていると、通行人の顔や車のナンバー、家の中などが鮮明に写っていることがありますよね。個人情報が流出していると思うのですが、削除できないんですか?
結論から言えば、ストリートビュー自体は削除できません。ただし、「ぼかし(モザイク処理)」を入れるように依頼することはできますよ。
今回のテーマは「ストリートビュー画像の削除」です。
ストリートビュー画像の「削除」とまではいきませんが、前述の通り、モザイク処理を依頼することによって「見えにくくすること」は可能です。
今回はPC・スマホそれぞれのストリートビュー削除(ぼかし)依頼方法と「削除できない」場合の対処方法を解説しています。
グーグルマップ上の他の写真(360°ビュー以外)を報告したい方は下記の記事から方法をご確認ください。
まずはグーグルマップの「不適切なコンテンツ」に該当するか見極める
グーグルマップのストリートビューは「報告」をすることでグーグルに対処を依頼できます。その報告の前に、必要な知識を押えておきましょう。
早く削除したい方は次章「ストリートビュー写真の削除(ぼかし)依頼方法」へとお進みください。
ストリートビュー写真には実は2種類ある
単にストリートビュー写真と言っても、以下の2種類があります。
この2種類では、適用されるグーグルのポリシーと問題の対処方法が若干異なりますので、初めに違いを明らかにしておいてくださいね。
この2種類の違いは以下で詳しくご紹介します。
わかりにくいかもしれませんが、「その2:ユーザーが提供したストリートビュー写真」の場合は左上に「ユーザー名」が表示されます。
例えば以下の「ハチ公前」のストリートビューをご覧ください。
これはユーザーが提供したいわゆる「360°動画(写真)」です。左上にはユーザー名が記載されています(※当メディアと上記ストリートビューを投稿したユーザーは無関係です)。
グーグルでは、提供された360°動画に写り込んだ容姿(顔など)に自動的にぼかし加工処理を行うアルゴリズムが利用されています。
ただし、提供されたコンテンツが「動画」以外の場合は自動のぼかし加工は行われません。顔にモザイク処理がかけられていない原因は、この仕組みが原因であると思われます。
また、「その1:グーグルが提供したストリートビュー写真」の場合は、左上にグーグルのアイコンと「Google」という文字が記載されています。
公道や駅などの構内などの公共の施設のストリートビュー画像は、グーグルが提供しています。それに対してユーザーが提供するものはハチ公前のような「スポット」単位であることが多いようです。
グーグル提供「ストリートビュー」のポリシー
前述の通り、グーグル提供「ストリートビュー」には公共のスペースが多いです。そのような場所で自分の容姿がモザイク処理なしで表示されている場合などはまずはこの項目をご確認ください。
グーグルではストリートビュー上にプライバシーに関する問題がある場合、きちんと対処すると示しています。
ぼかし加工
Google では、Google マップにストリートビュー画像を公開する際に、個人のプライバシーを保護するためのさまざまな施策を講じています。(中略)プライバシー補足情報: Google では、マップの特定の機能に特化したプライバシー保護の取り組みも行っています。
引用Googleマップストリートビュー「Google 提供のストリートビュー画像に関するポリシー」※赤太字加工
このように問題に対処してくれることが分かりました。その一環が「ぼかし加工」というわけですね。
対処はしてくれるということでひとまずは安心ですね。
通常Webサイト上では、ポリシーなどの規約に違反する行為がある場合、運営側が適切に対処してくれるケースがほとんどです。まずはこういったポリシーに違反していないか確認していきましょう。
それが「不適切なコンテンツ(ポリシー)」となります。
グーグル上では下記のように記載されています。
不適切なコンテンツを見つけた場合は、[問題の報告] からお知らせいただけます。コンテンツに芸術的、教育的、記録的価値がある場合を除き、以下のカテゴリに該当するものを不適切なコンテンツとみなします。
引用Googleマップストリートビュー「Google 提供のストリートビュー画像に関するポリシー」※赤太字加工
このように、「不適切なコンテンツ」が「ぼかし加工」対処の基準となっていることが分かります。カテゴリは以下の通りです。
- 知的財産権の侵害
- 露骨な性的表現を含むコンテンツ
- 違法、危険、または暴力的なコンテンツ
- 嫌がらせ、脅迫
- 悪意のある表現
- テロ関連のコンテンツ
- 児童を危険にさらすコンテンツ
- 個人の特定につながる情報
参考Googleマップストリートビュー「Google 提供のストリートビュー画像に関するポリシー」
写真コンテンツが上記のいずれかに該当する場合、ぼかし加工の依頼が「問題の報告」から可能となります。
具体的な方法は次章で解説していきます。
ほとんどの場合は「道路を歩いている自分の姿がストリートビューにモザイク処理なしで写っている」といった場合と思われますので、「個人の特定につながる情報」に該当するケースが多いでしょう。
不適切なコンテンツにさえ該当していれば、グーグルはきちんと対処してくれますので、もう一度状況を整理して不適切なコンテンツに該当しているか確認しておきましょう。
ユーザー提供「ストリートビュー」のポリシー
グーグル提供のものと同様に、ユーザー提供のストリートビューにもポリシーが存在します。以下はユーザー提供ストリートビューのプライバシーポリシーの一部抜粋です。
個人の住宅の内部や一般公開されていない場所、撮影禁止の場所などで撮影した写真や動画は決して公開しないでください。
(中略)
ご近所の方への配慮を常に心がけ、識別可能な人物が写っている写真や動画は、撮影された本人の許可なく投稿しないでください。
引用Google マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーヘルプ「プライバシー」※赤太字加工
このようにストリートビュー動画・写真内に「誰か分かる(識別可能)人物」を写す行為は禁止されています。つまり、ぼかし加工が行われていないユーザーコンテンツは「規約違反」となります。
規約違反を報告する方法は次章で解説していきます。
前述の通り、グーグルでは提供された360°動画に自動的にぼかし加工処理を行いますが、提供されたコンテンツが「動画」以外の場合は自動のぼかし加工が行われませんでしたね。
そのため、「360°写真」の場合は顔にモザイク処理をかけるかどうかは投稿ユーザーの自主的な処理となり、ユーザーのモラルや常識に委ねられることになります。
残念ですが、中にはそのような処理をかけずに360°写真を投稿する人もいますよね・・・。
次章を確認して問題の投稿に対処していきましょう。
ストリートビュー写真の削除(ぼかし)依頼方法
ストリートビューの写真自体を削除することは困難ですが、写真に「ぼかし加工(モザイク処理)」を入れることは比較的容易です。
実際にグーグルの各種ヘルプ内でもストリートビュー内で問題が生じた場合は「モザイク処理の依頼」が推奨されています。
Google が所有する写真に次の要素が含まれている場合は、ぼかすことを要求するか、その写真について報告してください。
- ご自身の許可なく撮影された顔、居宅、その他の個人の特定につながる情報。
- Google が提供するストリートビューのプライバシーに関するポリシーに違反するあらゆる要素。
引用Googleマップヘルプ「ストリートビュー アプリで 360° 写真にぼかしを入れる、または削除する」
ここからはその依頼方法を紹介していきます。
必ず解決の糸口はありますので、まずは焦らず、慎重に対処していきましょう。
パソコンから「ぼかし加工」依頼
パソコンからGoogle提供ストリートビューに対して「ぼかし加工」を依頼する手順は以下の通りです。
- STEP1Googleマップに移動問題のストリートビューを表示
- STEP2左上の「三点」アイコンから問題報告左上の「三点」アイコンをクリックすると「問題の報告」があるのでクリック
- STEP3「不適切なストリートビューを報告」「不適切なストリートビューを報告」と呼ばれる報告用フォームが表示されるので「画像のプレビュー」から画像の問題箇所を指定し、報告する理由を選択/メールアドレスを記入し、reCAPTCHAを確認して「送信」
続いては、ユーザー提供ストリートビューのぼかし加工依頼方法です。
- STEP1Googleマップに移動問題のストリートビュー(ユーザー投稿の360°動画・写真)を表示
- STEP2左上の「三点」アイコンから問題報告左上の「三点」アイコンをクリックすると「問題の報告」があるのでクリック
- STEP3報告用フォームの記入「この写真についてご報告いただいた理由をお知らせください。 (必須)」から「その他」を選択し、記入欄に「ぼかし処理が適切に行われていないため、顔が識別できる状態である」と記述/メールアドレスを記入し、reCAPTCHAを確認して「送信」
Google提供ストリートビューの場合と異なるのはステップ3の報告用フォームの形式だけです。適宜、選択理由をお選びくださいませ。
スマホから「ぼかし加工」依頼
次はスマホ版の依頼方法です。
- STEP1
- STEP2右上の「三点」アイコンから問題報告右上の「三点」アイコンをタップすると「問題を報告」があるのでタップ
- STEP3「不適切なストリートビューを報告」「不適切なストリートビューを報告」と呼ばれる報告用フォームが表示されるので「画像のプレビュー」から画像の問題箇所を指定し、報告する理由を選択/メールアドレスを記入し、reCAPTCHAを確認して「送信」
続いては、ユーザー提供ストリートビューのぼかし加工依頼方法ですが、スマホ版アプリだと選択肢にプライバシー侵害を申告する項目がないほか、パソコン版のように選択肢に「その他」がありません。
「削除できない」と思うかも知れませんが、諦めないでください。
スマホからユーザー提供ストリートビューのぼかし加工を依頼する場合は以下の方法をお試しください。
- STEP1「ブラウザアプリ」を利用chrome、safariなど「ブラウザアプリ」を利用して、まずは「Googleマップ」と検索、画面長押しして「開く」「別タブで開く」などを選択し、Googleマップアプリを利用せずにブラウザ上でGoogleマップを開く
- STEP2ストリートビューの表示問題の場所にタップでピンを刺し、ストリートビューを表示(左下の写真アイコンをタップ)
- STEP3右上の「三点」アイコンから問題報告右上の「三点」アイコンをタップすると「問題を報告」があるのでタップ
- STEP4「このコンテンツの問題点」「このコンテンツの問題点」と表示されるので、「その他」を選択し、記入欄に「ぼかし処理が適切に行われていないため、顔が識別できる状態である」と記述し、「REPORT」をタップ
重要なのは「アプリ」ではなく、「ブラウザ」上から報告を行うということです。アプリからではユーザー提供ストリートビューのポリシー違反を報告できませんのでご注意ください。
どうしてもブラウザでマップを検索して開こうとするとGoogleマップアプリが勝手に起動する場合、一度マップアプリを削除してから検索することをおすすめします。
写真が削除できない?対処方法は「待つ」「再報告」「法的措置」
これまでの方法を試しても「写真が削除できない(ぼかし加工できない)」と思う方もいるのではないでしょうか。問題報告後はGoogleでの審議もありますので、時間がかかります。
しばらくお待ちください。 審査が完了するまでには、数日かかることがあります。
引用Google マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーヘルプ「不適切なコンテンツを報告し、修正する」
Google でご報告いただいた内容を審査いたします。このため、変更が地図に反映されるまでには時間がかかる場合がありますのでご了承ください。
このように、審議や結果の反映には時間がかかるとされています。1週間程度は待ってみましょう。
それでも削除がされない場合は残念ながら、削除が失敗している可能性が高いです。
もう一度状況を整理し、選択理由などを変え、別のポリシー違反報告とみなして再度報告してみましょう。
それでもぼかし加工依頼ができなかった場合はどうすれば良いのですか?
残された方法は法的な措置しかありません。Googleマップ上でプライバシー権が不当に侵害されていると報告し、削除を要請しましょう。
「顔が明瞭に識別できる状態」であれば、プライバシー権の侵害(権利侵害)としてプロバイダ責任制限法に基づき、「送信防止措置依頼書」をグーグルに提出しましょう。
この「送信防止措置依頼書」とは、ネット上のコンテンツの強制的な削除を依頼する法的な要請書です。宛先は以下の通りです。
詳しい書き方は下記の記事で紹介します。
法的な措置なので、弁護士に協力を求めても良いでしょう。
まとめ
今回は複雑な内容を説明してきました。要点をまとめると以下のようになります。
- STEP1ポリシー違反の有無の確認ポリシーに違反している点があればそれを根拠に「ポリシー違反」としてぼかし加工依頼ができるので、まずはポリシー違反箇所を探す
- STEP2Googleマップ上で問題報告Googleマップ上の「問題の報告」からストリートビュー上の問題箇所(ポリシー違反箇所)を選択し、報告
削除はできませんが、ぼかし加工依頼はできます。この流れを意識してストリートビューに対してぼかし加工を依頼していきましょう。
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