ネットに強い弁護士とは、 ネット上の誹謗中傷問題を得意とする弁護士のことです。
ネット上の問題に強い弁護士がいるならば、ぜひとも依頼したいですよね。誹謗中傷による焦りと不安でなおさらそう思うかもしれません。
そこでこの記事では、 ネットに強い弁護士がどのようなものなのか解説していきます。 ネットに強い弁護士が対応できる範囲と弁護士費用、メリットをみていきましょう。
その後、ネットに強い弁護士の探し方を紹介します。
まずはネットに強い弁護士がどのような弁護士なのか押さえて、実際に弁護士を探しましょう。
それでは、解説していきます。
ネットの誹謗中傷被害で弁護士が対応できること
ネットで誹謗中傷を受けたら、弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談したことで、匿名掲示板大手・5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)での問題を解決できた例もあります。
ネット上の問題の投稿に対して、依頼を受けた弁護士ができる対応は次の通りです。
- 問題の投稿についての相談
- 問題の投稿の削除をサイトに交渉
- 問題の投稿の削除を裁判所を介してサイトに請求
- 投稿した犯人の特定
- 犯人への損害賠償請求(慰謝料)の請求
- 犯人の刑事告訴
ネット上の誹謗中傷は匿名性も高いため、投稿者の足取りを掴むのは困難ですが、弁護士ならば以上6つのような対応も可能です。
ネットに強い弁護士であれば、ネット上の投稿に関するみなさんの悩みをすみやかに解決に導きます。
弁護士ができる対応について、1つずつみていきましょう。
ネットに強い弁護士ができることその1:問題の投稿についての相談
問題の投稿をどうしたらいいのか相談できます。
ネット上の誹謗中傷投稿に対して、個人で対応できることは限られています。
ネット上の問題に対応するためには 法的な知識も必要で複雑な手続きも多いためです。
法的な知識がなければ、個人での解決手段も曖昧となってしまいます。
解決手段が正しくなければ、失敗の可能性も高くなってしまうため、不安や焦りを感じてしまうかもしれません。
そこで、 問題の投稿に対する悩みをそのまま聞いてくれるのが弁護士です。
アバウトな悩みを持っていても、弁護士であれば的確な判断で今後の対応をサポートしてくれるので、不安も解消できます。
さらに、ネットに強い弁護士であれば、相談もスムーズで、今後の対応について的確にアドバイスしてくれるのです。
誹謗中傷による名誉毀損の相談も弁護士へ
誹謗中傷投稿を名誉毀損として訴えたい場合も、名誉毀損が成立する条件に合致するか確認してもらえます。
また、投稿を 名誉毀損として訴える場合の慰謝料相場は、100,000円~500,000円です。
しかし、その慰謝料相場以上に弁護士費用がかかってしまう可能性もあります。
刑事告訴を受けさせることができれば、弁護士費用の回収は困難でも、犯人に刑罰を与えることができます。
名誉毀損として訴えたい場合も、弁護士に相談しましょう。
ネットに強い弁護士ができることその2:問題の投稿の削除をサイトに交渉
弁護士は問題の投稿がある サイトの運営に連絡・交渉して、削除を促すことが可能です。
サイト運営側によるむやみな投稿の削除は、ユーザーの「表現の自由」を脅かす原因となります。
そのため、サイト側はどんな削除依頼でも簡単に聞き入れてくるわけではありません。
そこで、交渉が必要となるのです。
投稿削除の交渉するためには、まず 投稿の利用規約違反や攻撃を受けているという法的な根拠を提示します。
その後、サイト運営側で削除するかしないかを検討するのです。
個人で対応すれば利用規約の読解や法的根拠の提示など難易度がやや高くなります。
しかし、弁護士であれば、すみやかな交渉が可能です。
サイト運営側が削除に応じてくれれば成功ですが、運営からの返答がないなどの失敗の可能性もあります。
次は裁判所を介して、サイトに削除を請求しましょう。
ネットに強い弁護士ができることその3:問題の投稿の削除を裁判所を介してサイトに請求
弁護士はサイトが削除に応じてくれない場合、裁判所で手続きを行い、投稿を強制的に削除します。
どんなサイトであっても、裁判所の判断や決定に従わないわけにはいきません。ゆえに、この措置でほぼ100%の確率で投稿を削除可能です。
この措置では、権利を守り削除を正当化する「仮処分」の申し立てが必要となります。
ネット上の誹謗中傷投稿は、法律上の権利を違法に侵害する「権利侵害」を含むケースが少なくありません。
「権利侵害」を認めるには裁判の決定が必要ですが、誹謗中傷情報の拡散は一刻を争う事態です。
そこで「仮処分」は、裁判の結果を待たずに「権利侵害」から守るために必要な措置だけ(投稿の削除など)を許可します。
裁判所に「仮処分」が認められれば、 すみやかにサイト運営に削除命令を出してもらえるのです。
裁判所への「仮処分」申し立ては、法的な知識や複雑な手続きをしなければなりません。
そのため、個人ではなく弁護士に依頼するケースがほとんどとなっています。
もしサイト側が交渉に応じてくれない場合は、弁護士と協力して裁判所に投稿の削除命令を出してもらいましょう。
ネットに強い弁護士ができることその4:投稿した犯人の特定
弁護士に依頼すれば、問題の投稿の犯人の身元を特定することも可能です。
犯人は以下の5つのステップで特定できます。
- ステップ1:本当に該当するサイトに誹謗中傷投稿が投稿されているか確認する
- ステップ2:サイト管理人に連絡して、IPアドレスなどの情報を開示させる
- ステップ3:IPアドレスなどの情報から犯人のプロバイダを特定する
- ステップ4:プロバイダに連絡して、犯人に関する記録を保存させる
- ステップ5:プロバイダが犯人の名前、住所、メールアドレスを公開する
このステップの中には、裁判所への手続きを行う必要があるステップも存在します。
犯人の特定は弁護士に依頼するケースがほとんどですので、犯人を知りたい場合は弁護士にお願いしましょう。
こちらの内容は当サイトの以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ネットに強い弁護士ができることその5:犯人への損害賠償請求(慰謝料)の請求
犯人が特定できれば、弁護士に依頼して犯人に慰謝料を請求することも可能です。
この場合、特定した犯人の個人情報をもとに、示談交渉で慰謝料を請求します。
この 示談交渉がうまくいかなければ、損害賠償請求の訴訟を起こすことも可能です。
慰謝料や損害賠償の請求は、裁判所書類の作成、申請手続きなど複雑で難易度が高くなっています。
弁護士に依頼すれば、賠償金関係の問題解決まで弁護士が請け負いますので、精神的な負担が少ないです。
ネットに強い弁護士ができることその6:犯人の刑事告訴
弁護士ならば、犯人に相応な罰を与える刑事告訴をサポートしてくれます。
犯人に誹謗中傷をした罰を受けさせたいと思う方は、弁護士と相談しましょう。
刑事告訴への第一歩として、まずは 警察に告訴状を提出する必要があります。
その際、 刑事告訴できるだけの証拠の収集・保存をしなければなりません。
警察は告訴状の内容と証拠を見て、捜査の妥当性を判断するまで動きません。それだけ証拠や内容には妥当性が求められるのです。
警察が動けば犯人は逮捕され、刑事裁判を受け、刑罰を受けることになります。
弁護士は証拠の収集・告訴状作成・警察との連絡をサポートしてくれるため、刑事告訴は弁護士に相談しましょう。
誹謗中傷の対応に必要な弁護士費用の相場
弁護士ができること
- 問題の投稿についての相談
- 問題の投稿の削除をサイトに交渉
- 問題の投稿の削除を裁判所を介してサイトに請求
- 投稿した犯人の特定
- 犯人への損害賠償請求(慰謝料)の請求
- 犯人の刑事告訴
着手金 | 報酬金 | |
1.相談 | 1時間5000円程度/無料の法律相談所もあり | |
2.サイトに
削除交渉 |
50,000円以上 | 50,000円以上 |
3.裁判所を
介して削除請求 |
100,000円以上 | 100,000円以上 |
4.犯人特定 | 50,000円以上 | 50,000円以上 |
5.慰謝料請求 | 100,000円~300,000円 | 慰謝料として得た額の10~20% |
6.刑事告訴 | 300,000円以上 | 300,000円以上 |
着手金とは、弁護士が業務を始めるにあたり、支払う料金のことです。着手金は難易度が高いほど金額も高くなります。
報酬金は、弁護士が対応に成功した際に払う支払う料金です。報酬金の額は相談の際に確認しておきましょう。
着手金無料の法律相談所もあり、弁護士費用を安く抑えることができるため、こちらは弁護士を選ぶ際に確認しておくと良いです。
ネットに強い弁護士に相談をするメリット
ネットに強い弁護士に相談するメリットは次の5つです。
- 誹謗中傷を法的に立証できる
- 利用規約の読解やネット関連の法律に強い
- 難しい交渉でも引き受けてくれる
- 問題の早期解決を実現できる
- 精神的な負担が減る
それでは、ネットに強い弁護士に相談するメリットをみていきましょう。
メリットその1:誹謗中傷を法的に立証できる
誹謗中傷自体はまだ犯罪行為と呼べません。
誹謗中傷から法律で守られている権利の侵害である「権利侵害」を立証することで、法律に違反していることを示す必要があります。
ネットに強い弁護士であれば、「権利侵害」の立証を得意としている ケースが多いです。
誹謗中傷を法的に立証する際に、ネットに強い弁護士ならば効果的・効率的に立証できるわけですね。
メリットその2:経験豊富で利用規約の読解やネット関連の法律に強い
ネットに強い弁護士は誹謗中傷の問題を解決した経験が豊富です。
解決に導いた経験があれば、誹謗中傷を解決してくれそうな信頼できる弁護士といえます。
また、ネットに強い弁護士は経験だけではなく、利用規約の読解やネット関連の法知識が豊富なケースも多いです。
ネット上の誹謗中傷を立証するためには、以下の表のようなスキルや法知識が必要になります。
- ウェブサイト上の利用規約を読解し、交渉に活かすスキル
- IPアドレス、ドメイン、DNS、プロバイダなどのインターネットに関する知識
- 犯人を特定するために必要なITスキル
- 刑法(名誉毀損、侮辱、信用毀損・業務妨害など)
- 民法(不法行為など)
- リベンジポルノ防止法
- プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)
- 特定迷惑メール防止法(電子メールの送信の適正化等に関する法律)
ネットに強い弁護士は上記のスキルや法知識に長けており、誹謗中傷の問題を効率的に解決に導いてくれるパートナー候補なのです。
メリットその3:難しい交渉でも引き受けてくれる
誹謗中傷への対応を困難と感じる大きな要因は、「法知識を交えた交渉」という過程があるためです。
その法知識の例として、「権利侵害」があります。
「権利侵害」を証明するためには、刑法の知識(名誉毀損、侮辱、信用毀損・業務妨害など)を知っておかなければいけません。
この刑法を理解するのが誹謗中傷への対応時に困難な過程であり、時間を要する過程なのです。
ネットに強い弁護士に依頼すれば、そのような困難な手続きを自分で行う必要はありません。
クライアントが難しいと感じる交渉でも、引き受けてくれます。
手続きが進まないと感じたら、ネットに強い弁護士に相談しましょう。
メリットその4:問題の早期解決を実現できる
ネット上の情報は非常に拡散性が高いです。誹謗中傷を含んだ情報も圧倒的に拡散されてしまいます。
つまり、誹謗中傷投稿は早めに削除しなければ、どんどん拡散され、風評被害の原因となってしまうのです。
自力で対応しようとすれば、知識不足で法律・方法を調べる際に時間がかかってしまいます。
初めて誹謗中傷を対応するのであれば、交渉・手続きの失敗の可能性も低くはありません。
しかし、ネットに強い弁護士に依頼すれば豊富な経験とスキルを活かし、問題の早期解決を実現可能です。
問題の投稿の削除や犯人の特定を確実にするために、弁護士に相談することをおすすめします。
ネットに強い弁護士の探し方
ただの弁護士ではなく、ネットに強い弁護士を探しましょう。
ネットに強い弁護士には、ここまでに紹介した5つのメリットがあるためです。
弁護士の中でもネットに強い弁護士を探すためには、以下のポイントに3つに注意します。
- ネット上の問題を解決した実績やスキルが掲載されている
- ネット上で「ネットに強い弁護士」として評判である
- 変化の激しいネット上の情報をキャッチしている
それでは、探し方のポイントをみていきましょう。
探し方その1:ネット上の問題を解決した実績が掲載されている
弁護士にとって重要なのは過去に問題を解決した「実績」です。
ネット上の問題を解決した実績があれば、自分の依頼も成功に導いてくれる可能性が高くなります。
弁護士業界内では、「ネット」のジャンルはまだまだニッチな専門分野で、ネットに強い弁護士は多くはないかもしれません。
ニッチなネットに強い弁護士の探し方として、まずネットで「ネット 弁護士」などのワードで検索し、弁護士・法律事務所のホームページを開きます。
彼らの実績を確認すると、実績やスキルのページが設けられている場合があります。
そのページを見て、実績があるか確認する方法がベストです。
探し方その2:ネット上で「ネットに強い弁護士」として評判である
ネット上には、グルメサイトのように、弁護士を専門に扱うレビューサイトが存在します。
そのようなサイトで高評価の弁護士に依頼するのも良いです。
その際もただの弁護士に依頼するのではなく、「ネットの問題も解決してくれる」と評判の弁護士に依頼することを意識しましょう。
また、匿名掲示板でも優秀な弁護士を紹介するスレッドが存在するケースもあります。
そもそも、ネットに強い弁護士であれば、ネットを通して経歴に関する情報を掲示している可能性が高いです。
現実だけではなくネット上の情報を参考にして、ネットに強い弁護士を探しましょう。
探し方その3:変化の激しいネット上の情報をキャッチしている
残念ながら弁護士には、ネットに疎い弁護士が多いです。
そのような弁護士に依頼してしまうと、早期解決の可能性が低くなってしまいます。
変化の激しいネット上の情勢を理解していれば、調査がスムーズになり、早期の解決が可能となります。
そこで弁護士に相談する際には、「ネット上の情報もしっかりキャッチできているか」という点もさりげなく尋ねましょう。
まとめ
ネットに強い弁護士に依頼できることは以下の通りです。
- 問題の投稿についての相談
- 問題の投稿の削除をサイトに交渉
- 問題の投稿の削除を裁判所を介してサイトに請求
- 投稿した犯人の特定
- 犯人への損害賠償請求(慰謝料)の請求
- 犯人の刑事告訴
ネットに強い弁護士への依頼は高額となってしまいますが、以下のようなメリットがありました。
- 誹謗中傷を法的に立証できる
- 利用規約の読解やネット関連の法律に強い
- 難しい交渉でも引き受けてくれる
- 問題の早期解決を実現できる
- 精神的な負担が減る
そこで、以下の方法でネットに強い弁護士を探しましょう。
- ネット上の問題を解決した実績やスキルが掲載されている
- ネット上で「ネットに強い弁護士」として評判である
- 変化の激しいネット上の情報をキャッチしている
ネットに強い弁護士に依頼し、ネット上の悪質な投稿への対策を考えていきましょう。
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