この記事ではyoutubeの動画内でに勝手にプライベートを公開された方に適切な削除依頼方法をお伝えする記事です。
「自分が映っている動画を勝手に撮影・投稿された!」
面白半分で投稿している者もおり、憤りを感じるのも無理はありません。
そこで今回は、そのような動画を削除し、不届きな投稿者を特定して訴える方法を紹介していきます。
動画の削除には数ヶ月~1年程度かかると予想されるので、 まずは今この瞬間から行動することが大切です。
もちろん予備知識などは一切不要です。こういったネットトラブルにも不慣れな方も多いでしょうから、わかりやすく解説していきます。
読み進めながら、削除を依頼していきましょう。
削除依頼前に!YouTubeの削除基準をチェック
残念ながら、どんな投稿でも削除できるわけではありません。
削除できるYouTube動画には「特徴」があります。
その特徴とは「YouTubeの規約を違反している」という点です。
ゆえに、削除を成功させるためには、 規約の確認をしてから削除を行うことが重要となります。
動画内で「勝手に撮影された動画の利用(プライバシーの侵害)」「勝手に顔写真を利用(肖像権の侵害)」など 個人情報を公開されたということならば、「個人情報の保護」や「YouTubeプライバシーガイドライン」という規約に違反している可能性が高いです。
これらの規約では、以下のような情報を公開された場合に 投稿を削除するとしています。
- 画像(顔写真など)・音声
- フルネーム
- 財務情報(銀行口座、クレジットカードなど)
- 連絡先情報(自宅の住所、電話番号など)
- 政府が発行した個人番号
- その他
まずは動画内で公開されている情報が以上の項目に当たるか確認しましょう。
ただし、 youtubeの動画内で誹謗中傷があった場合や、 動画以外にもコメント欄で誹謗中傷・個人情報の流出があった場合は、今回紹介する方法とは 別の方法での対処が必要となります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
動画の削除依頼方法3つで徹底対策
前章の「削除依頼前に!YouTubeの削除基準をチェック」基準を満たしている場合、削除を依頼しましょう。
動画を削除させる削除依頼の方法は大きく分けて3つあります。
- 方法その1:投稿者に交渉して削除依頼(必須)
- 方法その2:youtubeに削除依頼
- 方法その3:弁護士に依頼して削除依頼
1つずつ確認して、最適な方法で削除依頼を進めていきましょう。
方法その1:投稿者に交渉して削除依頼(必須)
まずは投稿者に交渉して直接削除依頼を行いましょう。
投稿者のチャンネルの「概要」を開き、「ビジネス関連のお問い合わせ」の項目からメールアドレスを表示させ、連絡を行います。
以下のような例文に沿ったメールを送信しましょう。
お世話になります。
〇〇(法人の場合)の〇〇と申します。
今回は〇〇という動画(要URL)の動画内に私の個人情報が含まれており、動画を「該当箇所の差し替え」または「動画の削除」をお願いしたくご連絡申し上げました。
この動画の〇分〇秒~〇分〇秒には、私の「〇〇(動画内に含まれる個人情報の説明)」という個人情報が含まれており、プライバシーが侵害されている状態となっております。
このような侵害行為はYouTubeの利用規約「個人情報の保護」並びに「YouTubeプライバシーガイドライン」に違反する行為となります。
また、弁護士に依頼した法的な措置も検討しておりますので、念のため申し添えます。
動画の削除のご検討の程何卒よろしくお願い申し上げます。
完成したら、チャンネルのメールアドレスに送信して対応を待ちます。
必須である理由は方法2を試すことができないから
必須である理由は、 この直接削除依頼を行わないと、方法その2の削除方法を試すことができないためです。
以下はYouTubeへの削除依頼「プライバシー侵害の申し立て手続き(後述)」の確認画面からの抜粋となります。
プライバシー侵害の申し立て手続き: ステップ 3/6
アップロードしたユーザーへの連絡
YouTube に投稿された動画によって自分のプライバシーが侵害されていると思われる場合は、まずアップロードしたユーザーに連絡してそのことを伝えてください。アップロードしたユーザーは、自分が投稿した動画やコメントによって、嫌な思いをしている人がいることに気付いていない可能性があります。
(中略)
まずアップロードしたユーザーに連絡してから、申し立てを提出するかどうかを決めてください。
引用元:YouTubeヘルプ「プライバシー侵害の申し立て手続き」
このように、申し立てを行う前に 直接連絡を行うように指示されていることが分かりますね。
ゆえに、必ず一度は動画投稿者に対して直接削除依頼をしておきましょう。
方法その2:youtubeに削除依頼
「方法その1」では強制力が弱いため、中々動画を削除できない恐れがあります。
そこで運営元のyoutubeに連絡を取り、「プライバシー侵害の申し立て手続き」から動画の削除を依頼しましょう。
以下の流れで申し立てを行います。
- ステップ1:「プライバシー侵害の申し立て手続き」にアクセス
- ステップ2:内容を確認し「次へ」
- ステップ3:「ステップ 2/6 嫌がらせ行為への対処」では「プライバシー侵害の申し立てを行いたい」を選択
- ステップ4:「ステップ 3/6 アップロードしたユーザーへの連絡」では「次へ」(方法その1で連絡済み)
- ステップ5:「ステップ 4/6 問題のある動画を報告する」では「コミュニティ ガイドラインを確認した」を選択
- ステップ6:「ステップ 5/6 プライバシー侵害の申し立て手続きの不正使用によるアカウントの停止」では「次へ」を選択
- ステップ7:「ステップ 6/6 公開されている個人情報の種類」では状況に応じて「自分の画像または氏名」または「その他の個人情報」
参照元:YouTube「プライバシー侵害の申し立て手続き: ステップ 6/6」
- ステップ8:お問い合わせフォーム「プライバシー侵害の申し立てを送信する」が表示されるので、案内通りに記入して送付
ステップ1~ステップ7はそれほど難しいステップではありません。
聞かれたことに正しい返答をするだけなので、アンケート感覚で進めていきます。
ステップ8のお問い合わせフォームについては、以下のように記入していきましょう。
指示(以下はすべてYouTubeヘルプより引用) | フォームへの記入内容 |
あなたの個人情報を公開しているチャンネルの URL を入力してください。 |
|
問題の動画の URL を入力してください |
|
報告したい内容を選択してください。 該当するものをすべてお選びください。 |
|
問題とされるコンテンツが表示される位置を選択してください |
|
問題とされるコンテンツが動画内で映っている箇所を示してください (例: 2:14)。 |
|
このコンテンツは、あなたのチャンネルまたは動画からコピーされたものですか? |
|
動画内の他の人たちとあなたを区別するための情報が必要です(後略) |
|
次の声明にご同意ください |
|
記入し終わったら、内容を確認して送信しましょう。
方法その3:弁護士に依頼して削除依頼
動画投稿者への 直接依頼やyoutubeへの削除依頼が失敗した場合は、弁護士に依頼して投稿を削除しましょう。
弁護士であれば、投稿者やyoutubeとの交渉や裁判所での手続き、投稿の削除まで一貫して協力してくれます。
弁護士に依頼する場合は以下のような流れになります。
- ステップ1:弁護士を探す
- ステップ2:youtubeの問題を解決してくれそうな弁護士を選ぶ
- ステップ3:法律相談をする
- ステップ4:弁護士にyoutubeの動画削除を依頼する
- ステップ5:弁護士が投稿者・youtubeに交渉・訴訟を行う
- ステップ6:弁護士がトラブル解決に導く
youtubeの問題を解決できるような弁護士を探し出すためには、コツがありますので、そちらも紹介していきます。
依頼するとしないでは削除の成功率に大きな差が出るので利用することをおすすめします
知っておきたい削除依頼時の注意点3つ
youtubeで削除を依頼する際は以下の点に注意しましょう。
- 注意点1:個人情報は誰が見ても自分のものといえるか
- 注意点2:炎上・拡散する危険性もある
- 注意点3:「公益性」の問題もある
注意点3つを詳しく説明していきます。
意点1:個人情報は誰が見ても自分のものといえるか
「肖像権」「プライバシー権」などの問題で削除を依頼する際は注意しなければならないことがあります。
それは個人情報が「自分のもの」と明確であり、 明らかに自分の個人情報が流出している状況を証明できることです。
youtubeの規約には以下の記載がありました。
コンテンツを削除する基準
(中略)
コンテンツが削除の対象として考慮されるためには、問題のコンテンツにおいて個人がはっきり特定できることが必要です。
このように「はっきり特定できる」情報が考慮の条件となっています。
ゆえに、「一瞬だけ映ったから」と削除を依頼しても削除は困難と言えます。
注意点2:炎上・拡散する危険性もある
仮に動画の削除依頼が通って動画を削除されても、みなさんのSNSアカウントが「炎上」してしまう恐れがあります。
なぜなら、投稿者のチャンネルには登録者が一定数存在するケースがほとんどで、そうした「ファン」や投稿者による報復の可能性もあるためです。
一度炎上してしまうと、投稿者やみなさん、動画に関する情報は「話題」としてネット中に拡散されてしまう可能性が高くなります。
こういった炎上・拡散のリスクも少なからず存在しているので、「消してやった」「消されてよかった」の発言は 慎むなどしてSNSでの言動には十分に注意しましょう。
注意点3:「公益性」の問題もある
「公益性」とは、「公の人々の利益になりうる」という意味で、多くの人々のためになる情報を指します。
例えば、動画によるセクハラ行為の告発のようなニュースになるような情報であれば、削除されない可能性があります。
こちらもガイドラインに記載がありました。
YouTube がコンテンツをプライバシー違反として削除する必要があるかどうかを判断する方法
(中略)
また、プライバシー違反として削除の判断をする際には、公共性や報道価値なども考慮されます。YouTube は、プライバシー·ガイドラインの違反が発生したかどうかの最終決定を行う権利を有します。
引用元:YouTubeヘルプ「YouTube プライバシー ガイドライン」
プライバシー侵害の申し立てが報告された場合、YouTube は公益性、ニュースバリュー、コンセンサスを最終決定要因として考慮します。
このように審査項目に「公益性」の観点があると明確に述べています。
つまり、「一人の被害>動画投稿者の利益」ならば削除の可能性はありますが、 「一人の被害<大多数の利用者の利益」ならば残念ながら削除は困難と言えます。
動画の投稿者を特定して責任追及
以下の2つの方法があります。
- 方法その1:自力で特定する
- 方法その2:弁護士に「法的な」特定を依頼
以上のいずれかの方法で犯人を特定しましょう。
方法その1:自力で特定する
「Youtuber」ということであれば、SNSを運用しているケースも多いです。
例えば、TwitterやInstagram、Facebookといったサービスから個人が特定できることはあります。
しかし、個人を特定できるような情報がSNSに投稿される例は稀です。
みなさんも普段、個人情報の流出に注意しながら、ネットを利用しますよね。
動画の投稿者として活躍する者ともなれば、特定されることを恐れて自分の情報は中々公開しない傾向があります。
ゆえに、 自力での特定は非常に困難ですので、弁護士に依頼しましょう。
方法その2:弁護士に「法的な」特定を依頼
「誰が個人情報を流したのか」ということが分かれば、責任を取ってもらうことが可能です。
損害賠償(慰謝料)の請求や投稿者の通報もできます。
削除しただけでは気が済まないという方は、以下の方法で弁護士に投稿者の特定を依頼しましょう。
- ステップ1:削除を依頼した弁護士と法律相談をする
- ステップ2:動画が「プライバシー権」「肖像権」を侵害しているか確認
- ステップ3:youtubeに交渉・訴訟して、投稿者のIPアドレス・タイムスタンプ(投稿の日時に関する情報)の情報を開示させる
- ステップ4:IPアドレス・タイムスタンプから犯人のプロバイダを特定する
- ステップ5:プロバイダに交渉・訴訟して、犯人に関する記録を保存させる
- ステップ6:プロバイダに交渉・訴訟して、犯人の名前、住所、メールアドレスを開示させる
以上のステップで犯人の特定が可能になります。
まとめ
今回はプライバシー権・肖像権侵害の動画を削除する方法を紹介してきました。
弁護士に依頼する方法も紹介しましたが、まずは自力で試すことをおすすめします。
削除や特定を弁護士に依頼すると数十万~数百万円の費用が必要であるためです。
まずは自力でyoutubeに削除を依頼し、無理そうなら弁護士に依頼しましょう。
また、投稿者への法的な措置でかかった数十万~数百万円の弁護士費用は、 損害賠償(慰謝料)を請求することで相殺できます。
慰謝料の請求方法をふまえて、犯人には責任を負ってもらいましょう。
コメント