Facebookの悪 口(誹謗中傷)は名誉毀損で訴えることができるのかについて詳しく解説しています。
この記事はそのように感じる方に向けて、名誉毀損を徹底解説する記事です。
今回は 名誉毀損の意味から成立する条件、Facebookでの悪口を名誉毀損として立証できるかを中心に解説していきます。
名誉毀損罪の予備知識がなくても読み進めることができるようにわかりやすく解説していくので、ご安心ください。
それでは、Facebookの悪口をどう対処していくか考えていきましょう。
名誉毀損の意味とは?成立する条件を解説
Facebookの誹謗中傷が「名誉毀損」に該当するか一緒に考えていきましょう。
まず、 誹謗中傷とは、 他人をそしることであり、悪口のことなどを指します。
名誉毀損とは、一言で言えば 他人の評価(名誉)を傷つけることです。
つまり、 悪口という手段で他人の評価が傷つけば、名誉毀損が成り立つ ということになります。
Facebookで名誉毀損を満たすレビューは削除できます。
レビューの削除方法を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
名誉毀損が成立する3つの条件とは?
この「名誉毀損」という言葉は日本の法律で詳しく定義されています。
第230条(名誉毀損)
1.公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
名誉毀損が法律で禁止されている犯罪行為であり、刑罰が設けられていることがわかりました。
1番目の条文の前半「 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者」は、そのまま名 誉毀損が成立する条件といえます。
この条文から、名誉毀損が成立するためには以下の3つの条件が存在することがわかります。
- 条件1:「公然と」
- 条件2:「事実を摘示し」
- 条件3:「人の名誉を毀損した者」
条件を1つずつ見ていきましょう。
条件1:「公然と」
「公然と」とは、誰でも見ることができる状態を指します。
ネット上であれば、不特定多数が閲覧できる状態です。
Facebookへの投稿は不特定多数のFacebookユーザーが閲覧できる状態にあります。
そのため、 この「公然と」はFacebookに投稿した時点で成立しているのです。
条件2:「事実を摘示し」
「事実を摘示し」とは、何らかの情報を示すことです。これは「投稿内容」を指します。
ただし、どんな投稿内容でも良いわけではありません。もう一度1番目の条文を見てみましょう。
条文の中盤に「 その事実の有無にかかわらず」という記述がありますよね。
投稿した情報が 嘘か本当かは関係ないということです。
つまり、嘘か本当かという審議できる事柄でなければいけません。例えば、「犯罪者」「詐欺師」「元風俗嬢」などです。
このような情報がFacebookへの投稿内容に含まれていれば、この条件2が成立します。
条件3:「人の名誉を毀損した者」
「人の名誉を毀損した者」とは、簡単に説明すると他人の評価を傷つけた者を指します。
「人」は他人だけではなく、企業・団体を指すこともあります。つまり、 名誉毀損の対象は個人だけではないのです。
「名誉」は、他人による評価を指します。
この名誉は他人からの評価の蓄積で形成されるため、他人の気が変われば簡単に傷ついてしまいます。
名誉毀損はこの評価を傷つける(毀損)ことで成立するのです。
Facebookの場合は、 悪口(誹謗中傷)を投稿することによって、特定の人物・団体などの社会的な評価を傷つけた者となります。
実際に名誉毀損が成立するような状況
条件を3つ合わせると、名誉毀損罪は「不特定多数が閲覧できる場所に、何らかの情報を示すことで、他人の評価を傷つけた」時に成立することが分かります。
つまり、ネット上での悪口(誹謗中傷)の内容(条件2)次第では、名誉毀損が成立するのです。
また、逆に状況次第では、「公共性」「公益性」「真実性」の条件が成立して、名誉毀損に問えないこともあるので注意しなければいけません。
名誉毀損が成立しない条件については、以下の記事が参考になりますよ。
Facebookの悪口は名誉毀損にあたる?
それでは実際にFacebookのコメント・レビューで悪口(誹謗中傷)が投稿された場合について考えていきましょう。
先ほど紹介したとおり、名誉毀損罪は 「不特定多数が閲覧できる場所に、何らかの情報を示すことで、他人の評価を傷つけた」時に成立します。
Facebookに 投稿された時点で不特定多数が閲覧できる状態(条件1)です。
あとは 投稿内容(条件2)と本当に評価を傷つけられたか(条件3)です。
名誉毀損にあたるFacebookの投稿内容
条件2のように名誉毀損罪が成立する投稿内容については、何かしらの情報を含んでいる必要があります。
「死ね」「馬鹿」などのただの暴言や罵倒では名誉毀損罪は成立しないのです。
名誉毀損罪は嘘か本当かもわからない情報を投稿された状況で名誉毀損の条件の1つ「事実を摘示」を満たします。
ゆえに、「Facebookでデマを拡散された」といった状況ならば、名誉毀損罪は成立する可能性があるわけですね。
なお、「死ね」「馬鹿」などで成立する犯罪「侮辱罪」もあります。
名誉毀損罪と侮辱罪の違いについては、以下の記事で詳しく解説していますよ。
Facebookでの被害状況を説明できるのかもポイント
Facebook上に投稿された情報でどのような被害を受けたのか弁護士・警察などに説明できるようにしておきましょう。
どのような被害を受けたかを客観的に説明できれば、格段に名誉毀損の状況を説明しやすくなります。
名誉毀損による被害状況は、 企業であれば「売上の減少」などで数値化できます。
個人の場合に受ける被害は「精神的な苦痛」などが多く、中々数値化しにくいです。
「これって本当に名誉毀損に問えるの?」と感じたら、誹謗中傷を名誉毀損として立証することに特化したネットに強い弁護士にアドバイスをもらいましょう。
ネットに強い弁護士は以下の記事を参考にして探していきます。
また、Facebookの投稿を警察に通報したいときは、警察にスムーズに動いてもらえるコツがあります。
コツについては以下の記事で紹介しています。
Facebookならばこのような投稿は名誉毀損が成立する
Facebookに投稿される誹謗中傷の例として以下のような内容であれば、名誉毀損罪として立証できる可能性があります。
- 「(自分の投稿に対して)元犯罪者のくせに生意気だ」
- 「A(名指し)は元々は風俗店で働いていた」
ただし、以下のような「公益性」のある投稿は名誉毀損罪として立証できません。
- 「政治家であるBは汚職を行っている」
- 「○○株式会社の幹部Bは会社の備品を横流ししている」
このような情報は国民にとって有益な「公益性」のある投稿です。
名誉毀損には例外があることだけ注意しておきましょう。
Facebookの写真は名誉毀損で訴えることができる?
Facebookの写真だけでは名誉毀損の立証は困難です。
名誉毀損を立証するためには、言葉で表現している必要があります。
しかし、写真に加えて文章が添えられている場合は、名誉毀損で立証することはできるかもしれません。
Facebookの写真で被害を受けた場合は、名誉毀損よりは「プライバシーの侵害」や「肖像権の侵害」の問題で訴えることができる可能性があります。
写真で訴えたい場合は、ネットに強い弁護士に相談してみてください。
事例紹介1:SNS上の名誉毀損で起訴された判例
2017年には動画配信サービスやTwitterなどで在日朝鮮人のAの社会的評価を低下させたとして、被告らは「名誉毀損」としてAに対して77万円を支払うという判決が下っています。
このようにSNS上の名誉毀損で起訴された判例があるのです。
つまり、Facebookでの誹謗中傷も名誉毀損罪として立証できる可能性があると言うことになります。
まとめ
結論として、Facebookの悪口はケースによっては「名誉毀損罪」として立証することが可能です。
実際にネット上の誹謗中傷が名誉毀損罪として立証され、犯人の起訴に至ったケースはあります。
立証には法的な知識も必要になるので、Facebookの投稿を名誉毀損罪として訴える時は弁護士の力を借りましょう。
みなさんがFacebookの悪口を名誉毀損として立証する際の判断材料となれば幸いです。
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