今回は、ニコニコ動画の動画を削除する方法をご紹介します。
実際に動画内で何らかの侵害を受けていても行動に出ない方が多い傾向がありますので、行動をしようとしている時点で素晴らしいと思います。
そこで今回は、ニコニコ動画の削除依頼方法をお伝えしていきます。
「削除依頼が初めてだ」「めんどくさそう」という方でも、簡単に実践できる対処方法ですので、最後までご覧くださいませ。
それでは詳しく解説していきます。
ニコニコ動画の削除依頼の方法と流れ
削除依頼は難しそうという方へ、ニコニコ動画の削除依頼は基本的に以下の流れとなります。
まずは基本を押さえておきましょう。
- ステップ1:規約を確認しながら、「規約違反動画」か確認
- ステップ2:規約違反動画なら削除を依頼
- ステップ3:削除成功・失敗
このような流れとなります。
動画を自力で削除依頼する2つの方法
「ステップ2:規約違反動画なら削除を依頼」として、動画を削除する方法について、以下のように「 通報」が基本的な手段となります。
動画をご視聴中に規約違反や権利侵害行為を確認した場合には、通報フォームの内容に沿って適切な違反項目と種別を選択し、具体的な行為内容の詳細を記載の上、通報してください。
※通報にはniconicoへのログインが必要です。[不適切な内容の通報]
niconico利用規約に沿って、削除対象と判断した場合は削除および利用停止などの適切な措置を行います。[権利侵害による申立](権利保有者のみ)
正当な権利保有者または法定代理人からの申立の場合は調査を行い、申請者の権利保有を確認できた段階で適切な措置を行います。
引用元:ニコニコヘルプ「[動画]不適切・権利侵害されている動画を通報する」
「適切な措置」とありますが、基本的には「動画の削除」となるケースが多いです。
また、通報の方法にも「不適切な内容の通報」「権利侵害による申立」の2種類があります。
もし分かりにくい場合、もう少しお付き合いいただければと思います。
まずはniconico利用規約の確認
原則的には、 規約違反動画にのみ「削除」が認められるとされます。
つまり、 ニコニコ動画の規約に違反していれば、削除できる可能性があるということです。
以下の規約をご覧ください。
6 運営会社の対応
利用者による本利用規約への違反を確認した場合、運営会社は、自己の判断により、利用者に対する事前の告知なく、利用者が登録したアカウント情報の削除、書き込みの削除を含む運営会社が適切であると判断する一切の対応を行い、利用者はこれに同意します。
この内容は「規約の違反があれば、運営が対応しますよ」という約束です。
ゆえに、まずは どのような違反があるのか確認するところから始めなければいけません。
先述の通り、ニコニコ動画においては「 不適切な内容の通報」として動画を削除依頼する方法、「権利侵害による申立」として動画を削除依頼する方法の2つがあります。
そのため、それぞれの方法に必要な規約・違反の知識を解説していきます。
ケース1:不適切な内容の規約違反を通報
以下のような行為は「規約違反」となりますので、条件を満たしている動画は発見次第通報しましょう。
利用者による「niconico」の利用に関して、以下の行為が禁止されています。
ニコニコ活動ガイドライン第3項及び第4項に掲げる行為又はこれらの行為に準じる行為(コメントの書き込みや動画等の投稿以外の手段を通じて行われる行為を含みます)
本利用規約の条項に違反する行為
公職選挙法に抵触する行為
「niconico」のサーバーに過度の負担を及ぼす行為
「niconico」の運営を妨害する行為
児童買春・ポルノ、無修正ビデオ動画のダウンロードサイト等へのリンク掲載
運営会社の許諾を得ない売買行為、オークション行為、金銭支払やその他の類似行為
運営会社の許諾を得ない商品の広告、宣伝を目的としたプロフィール内容の公開、その他スパムメール、チェーンメール等の勧誘を目的とする行為
13歳以上の未成年者が法定代理人(親権者)の同意を得ずに、「niconico」を利用する行為
運営会社が不適切であると考える行為
その他上記に準じる行為
特に、以下のような内容のコンテンツについては、ニコニコの自主的判断により削除する場合があります。
<犯罪、違法行為>
例)
日時、場所、方法を示し、殺人やテロなどを予告する
麻薬、武器、爆弾など違法な物品の売買を告知する
売春や援助交際を求める
劇場で盗撮した映画を投稿する<他者の権利を侵害する行為>
例)
他者の名誉、社会的信用、評判、プライバシーを侵害する内容
他者の基本的人権、著作権等の知的財産権、その他の権利を侵害する内容<公序良俗に反するもの>
例)
性的な内容
暴力的な内容
自殺関与(誘引、勧誘、協力、教唆)に相当する内容<その他、ニコニコが不適切と判断するもの>
引用元:ニコニコ活動ガイドライン「3.コンテンツによる表現の自由は無制限ではありません」
このように動画内の特定の個人・集団に向けた攻撃的な内容も禁止されています。
もし規約違反として動画を通報する際は、この 「ニコニコ活動ガイドラインの「〇〇」に違反している」という旨を伝えましょう。
ケース2:権利侵害による申立
原則として、この申立ができる人物は 権利を持つ人間またはその代理人(弁護士など)だけです。
それ以外のユーザーは権利侵害が起きているとして 申立を行っても受理されませんので注意しましょう。
「権利侵害による申立」の場合は、いわゆる「擁護」的な動機による通報は困難となっています。
もしできることがあるとすれば、 権利者に「権利侵害が起きている」現状を伝え、行動を促すことだけです。
また、一概に「権利侵害」と言っても様々な権利侵害が存在します。
ニコニコ動画の「権利侵害」は著作権侵害を指すという認識を持つ方がほとんどですが、他にも多くの権利侵害があるのでその一部をご紹介します。
権利 | 権利侵害 | 動画内容・発言 | |
誹謗中傷 | プライバシーの権利 | プライバシーの侵害 |
|
名誉(権) | 名誉毀損 |
|
|
侮辱 |
|
||
経済的な評価 | 信用毀損 |
|
|
経済活動の自由 | 偽計業務妨害 | ||
行動の自由・意思決定の自由 | 脅迫 |
|
|
著作権 | 著作権侵害 |
|
このような権利侵害があります。
上記に該当する行為が動画内で行われている場合はすみやかに削除依頼を出しましょう。
ニコニコ動画の削除依頼を出す方法
お待たせしました。
規約や約束事が確認できたところで動画の削除を依頼していきます。
まずは問題動画のページを開き、ページ最下部からオレンジ色の「動画通報」をクリック・タップして、 通報画面を開きます(スマホ:動画タイトル横にある︙ボタン内の「動画通報」をタップ)。
スクリーンショット出典:ニコニコ動画(く)
「違反動画の通報」というページが表示され、問題の動画のタイトル・ID・サムネイルが表示されているかと思います。
スクリーンショット出典:ニコニコ動画(く)「違反動画の通報」
このページの下部に 記入用のフォームがあります。
こちらの記入を進めていきましょう。
先述の通り、動画の削除依頼方法は以下の2つだったので、シチュエーションに応じて適切な方を選びます。
- パターンその1:「不適切な内容の通報」←権利者以外の第三者による通報が可能
- パターンその2:「権利侵害による申立」←権利者が申立可能
それぞれのパターンに分けて、記入方法をわかりやすく説明していきます。
パターンその1:「不適切な内容の通報」
スクリーンショット出典:ニコニコ動画(く)「違反動画の通報」
「違反項目(違反行為のジャンル)」を設定します。
前章「まずはniconico利用規約の確認」で利用規約で違反行為と確認済みですので、「違反項目」は規約違反に近い内容を選択しましょう。
- 性的な内容が含まれている
- 暴力的な内容が含まれている(暴行など)
- グロテスクな内容が含まれている
- 不快な表現が含まれている(動画内での発言に問題がある場合など)
- 差別的な表現が含まれている(特定の人種・性別・年齢・職業などに対する差別的な発言など)
- 残虐な内容が含まれている
- 法令に違反する内容が含まれている(権利侵害以外)
- その他
権利侵害については、権利者本人に申立してもらうほかありません。
権利者以外の第三者ができることは問題の発言・行為が他の規約に触れていないか確認して、動画を「規約違反」として通報することくらいです。
上記の中から違反項目を選んだら、「種別」を 「映像」「音声」「映像+音声」の3つの中から選びましょう。
「詳細」については削除を依頼するに至った「削除理由」を記入します。
以下のような例文に沿って記入できると良いです。
お世話になります。違反箇所があるので通報します。
〇分〇秒 の箇所に「〇〇 」という発言(表現・内容) がありますが、こちらはニコニコ活動ガイドラインの「〇〇 」に違反しています。
このような発言はniconico規約「5 禁止事項」「ニコニコ活動ガイドライン第3項及び第4項に掲げる行為又はこれらの行為に準じる行為(コメントの書き込みや動画等の投稿以外の手段を通じて行われる行為を含みます)」に該当する行為であり、規約違反です。
ご対応の程よろしくお願い申し上げます。
赤字の部分を各自のシチュエーションに応じて記入してください。
ニコニコ活動ガイドラインの違反箇所については直接ページを確認するか、前章「まずはniconico利用規約の確認」を参考にしてください。
「次へ」を押すと確認画面となるので、内容を確認したら送信しましょう。
パターンその2:「権利侵害による申立」
繰り返しとなりますが、こちらは権利者本人しか記入できません。
権利者本人であれば、「違反項目」のプルダウンメニューから「保有する権利が侵害されている(権利者の方のみ)」を選びましょう。
スクリーンショット出典:ニコニコ動画(く)「違反動画の通報」
プルダウンメニューの一番下です。
すると「違反項目」以外の「種別」「詳細」のフォームが消え、「次へ」のみ表示されます。
「次へ」をクリック・タップすると、確認画面が表示されます。
スクリーンショット出典:ニコニコ動画(く)「違反動画の通報」
これから申請で記入する際の「個人情報」の用途や申立後の注意点について記載されています。
権利侵害の場合は深刻な事態が想定されますので、必ず留意しておきましょう。
確認が終わったら、「上記の内容を理解した上で申請を続けます。」のチェックボックスにチェックを入れます。
すると以下のように記入項目が表示されました。
スクリーンショット出典:ニコニコ動画(く)「違反動画の通報」
「権利の内容」に権利の一覧が表示されます。
該当する侵害された権利を選ぶか、その他に侵害された権利名を記入しましょう。
「権利の対象物」には侵害されたものを選びます。
- 著作権(侵害)の場合:権利侵害されている作品名・楽曲名
- プライバシー権(侵害)の場合:権利侵害されている(勝手に公開された)盗撮映像・プライベート情報など
- その他/名誉(権利侵害)の場合:権利侵害されている人物の名前
権利侵害されている対象のもの・人物の名称を記入しましょう。
「侵害の状況等」には「動画内で権利侵害された箇所・内容」を抜き出し、法律と照らし合わせながら、被害の状況を2000字以内で説明していきます。
お世話になっております。
(〇〇の/企業・団体の場合)〇〇と申します。
今回は当動画内で私の〇〇という権利を侵害する内容(表現・発言・行為・著作物など)があったので申立いたしました。
侵害箇所は〇分〇秒であり、「〇〇」という内容 が、権利侵害の成立の条件を満たします。
この権利は日本の「〇〇」という法律で定められている権利であり、この動画の投稿者は権利侵害による違法性のある動画を公開しています。
(著作物の場合:著作物が元々アップロードされていたURL) つきましては、ご対応の程よろしくお願い申し上げます。
運営に積極的に動いてもらうためにも、できるだけ多くの状況を提供して、詳細に状況を説明することを意識しましょう。
記入方法がわからない場合、問題の箇所と権利侵害(法律)が結びつけられない場合は、円滑に記入するためにも基礎的な知識を身につけておくことをおすすめします。
記入が完了したら、下部の【権利者に関する情報】に必要項目も記入して、「削除申請する(確認へ)」をクリック・タップし、確認後に送信しましょう。
相談料として数千円かかるケースが多いですが、みなさんの置かれている状況を分析して適切に対応策を練ってくれる確実な方法です。
運営から連絡が来た場合の対応
運営からの削除完了通知または削除に関する連絡は「ニコニコ動画権利侵害対応窓口」から送信されます。
無事削除され、完了通知が来れば良いのですが、「証拠が足りない」として具体的な権利侵害の内容について詳細を求められるケースも多いです。
もし運営から証拠不十分の知らせが来たら、権利侵害を受けている内容について証拠を送付しましょう。
何が不十分か分からない場合は、「何が不十分なのか分かりません」という意図を返信します。
運営とのやりとりは手間がかかりますが、削除には必要なステップであるため、我慢するほかありません。
通報は動画投稿者にバレる事もある
「不適切な内容の通報」と「権利侵害による申立」の2つの削除方法がありましたが、特に「権利侵害による申立」のような深刻な事態の場合、 状況によってはバレる恐れがあるのです。
「申立の確認画面」をもう一度ご覧ください。以下のような記載があります。
動画投稿者から報告者に関する情報の開示を求められた場合、運営者の判断により情報を開示する場合があります。但し、報告者が個人の場合については、事前に開示の可否についてお問合せを致します。
つまり、「運営の判断で投稿者に削除申請者の情報を開示しますよ」という内容です。
要は「運営の判断によってはバレる」ということになります。
ただ、申請者が企業などではなく、「 個人」の場合は「開示して良い?」と聞かれる約束になっています。
いきなりバレる心配は無いのでまずは安心しましょう。
削除されない場合は弁護士に相談する
弁護士に相談・依頼して動画を削除する方法もあります。
この方法は最終手段であり、明らかな権利侵害が発生しているにもかかわらず、 ニコニコ動画で権利侵害の申立が受理されなかった場合などに活用しましょう。
まずは弁護士を探すところから始まります。
ネット上でトラブルが起きてから、依頼した弁護士が解決に導くまでの大まかな流れは以下の通りです。
- ステップ1:弁護士を探す
- ステップ2:ニコニコ動画の問題を解決してくれそうな弁護士を選ぶ
- ステップ3:弁護士に法律相談する
- ステップ4:弁護士にニコニコ動画の動画削除を依頼する
- ステップ5:弁護士が投稿者・運営(株式会社ドワンゴ)に対して交渉・訴訟を行う
- ステップ6:弁護士がトラブル解決に導く
以上のような流れになります。
詳しい流れを理解したら、弁護士を探して依頼しましょう。
まとめ
動画が削除されれば、動画ページにアクセスした際に「申立により削除されました」という旨が表示されます。
基本的には最初に紹介した流れの通りです。
- ステップ1:規約を確認しながら、「規約違反動画」か確認
- ステップ2:規約違反動画なら削除を依頼
- ステップ3:削除成功・失敗
削除は動画ページ最下部から行います。
記入内容や削除にかかる日数などはケースバイケースですので、一概にどれが「正しい」という判断は難しいです。
権利関係について複雑な箇所が多いため、始めから弁護士に依頼しても良いでしょう。
ニコニコ動画での問題の動画を対処できることを祈っています。
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