誹謗中傷によって名誉が傷つけられるだけではなく、客足が遠のく、従業員が辞めるなど被害が大きくなることもあります。
この記事は、誹謗中傷を受けて悩んでいる方に、一番最初に読んでほしい記事です。
この記事では、以下の項目を紹介していきます。
- 該当する誹謗中傷の種類の確認誹謗中傷の証拠の保存
- 投稿の削除方法
このように、投稿削除の基礎をマスターした内容となっています。
また、投稿を削除したいのに、「該当する誹謗中傷の種類の確認」と「誹謗中傷の証拠の保存」する必要があるのかと思うかもしれません。
しかし、これらは投稿を削除するための準備ですので、怠らないようにしましょう。
それでは、解説していきます。
投稿削除前に!書き込みが誹謗中傷にあたる内容なのかを再確認
誹謗中傷という言葉をなんとなく理解している方は多いです。
しかし、書き込みが誹謗中傷にあたる内容かどうか確認するにあたり、誹謗中傷の言葉の意味を正確に理解しておかなければいけません。
「誹謗中傷」の「誹謗」と「中傷」は元々別の単語で、誹謗の意味は「他人の悪口を言うこと」で、中傷の意味は「根拠のない発言で他人の名誉を傷つけること」です。
ゆえに、2つの単語を合わせた誹謗中傷の意味は「 根拠のない悪口を言って、他人の名誉を傷つけること」を指します。
[surfing_voice icon=”https://sakujo.or.jp/wp-content/uploads/2019/01/AdobeStock_99318355.jpeg” name=”” type=”r” font_color=”000″]他人としていますが、誹謗中傷は特定の人物を指定する必要があります。誹謗中傷のターゲット像がアバウトだと誹謗中傷とみなしにくいです。
誹謗中傷には、次のような種類があります。
- 名誉毀損
- 侮辱
- プライバシー侵害
- そのほかの誹謗中傷
それぞれに当てはまる条件を説明していきます。
名誉毀損
名誉毀損罪は、インターネット上などの誰でも閲覧できる場所に投稿された「特定の人の信用を貶めるような発言」 を指します。
この発言は何でもよいわけではありません。真実かウソかは問わず、何らかの事実を突きつけられる必要があるのです。
名誉毀損は次のような例があります。
- 「Aは低学歴である
- 「Bは過去に犯罪を犯して、逮捕されたことがある
- 「Cは無差別殺人を行った」
このような発言は名誉毀損に該当します。
侮辱
侮辱は、名誉毀損とほぼ同じで発言で他人の信用を貶めることですが、事実を突きつけられる必要はありません。
そのため、 罵倒や暴言でも侮辱に当てはまります。
侮辱は次のような例がありますよ。
- 「Aは死ね」
- 「Bは文字も書けないような馬鹿だ」
- 「Cはブスだ」
このような発言は侮辱に該当する可能性が高いです。
プライバシー侵害
プライバシーの侵害は「誰にも知られたくない私生活情報がネット上に公開されてしまうこと」 です。
- 「芸能人Aの住所や電話番号は○○○だ」
- 「いじめの主犯格の住所は○○○で、親は○○○に勤務している○○○だ」
このような発言はプライバシーの侵害にあたります。
そのほかの誹謗中傷
ここまでに紹介した名誉毀損や侮辱、プライバシーの侵害のほかにも、信用毀損・業務妨害、脅迫などが誹謗中傷にあたります。
弁護士に相談するならば、以上に紹介した情報で十分ですが、誹謗中傷をより深く知りたい場合や業務妨害で法的な措置を取る場合は以下の記事の情報がその助けになりますよ。
投稿削除前に!誹謗中傷にあたる書き込みを保存
ネット上の誹謗中傷投稿は、「この人物が誹謗中傷を行った」という貴重な証拠です。
しかし、ネット上の情報は投稿者や運営によって簡単に削除できる情報でもあります。ゆえに、誹謗中傷の 証拠となる投稿が簡単に消されてしまう可能性があるのです。
したがって、ネット上で誹謗中傷を受けたら、まず第一に証拠保存を行いましょう。
そのためにこの章では、次の2項目を紹介します。
- 証拠保存の方法
- 証拠保存時のの注意点
証拠保存の方法と必要性を理解して、証拠を保存していきましょう。
証拠保存の方法
証拠保存の方法として、次のような方法があります。
- スクリーンショット(画面キャプチャ)
- ページ情報をPDFで保存
- ページを紙に印刷
- パソコンやスマホの画面を写真や動画で撮影
- インターネットアーカイブ
- ウェブ魚拓
- Googleキャッシュ
それでは、証拠保存の方法を1つずつ紹介していきます。
スクリーンショット(画面キャプチャ)
スクリーンショット(画面キャプチャ)で投稿を保存します。このスクリーンショットは慣れていれば簡単でシンプルな方法です。
スクリーンショットをする際は、 アドレスバーのURLが明確に含まれているか注意します。
URLも誹謗中傷が行われた現場(サイト)を示す重要な情報です。必ず含めるようにしましょう。
パソコンやスマホの機種によってスクリーンショットの方法が異なります。
OSごとのスクリーンショットの方法については、以下の表をご覧ください。
OS | スクリーンショット方法 | 参考URL |
Windows |
|
https://121ware.com/qasearch/1007/app/servlet/relatedqa?QID=017976 |
MacOS |
|
https://support.apple.com/ja-jp/HT201361 |
Android | 「電源」ボタンと音量ボタンの「-」※機種によって異なる可能性あり | |
iPhone/iPad | 「スリープボタン」+「ホームボタン」 |
スクリーンショットはペイントなどほかのソフトを開き、ペースト(貼り付け)してから保存しましょう。
一度保存しても失敗していることもあるので、念のためライブラリを一度確認してスクリーンショットがきちんと撮影できているか確認すると良いです。
ページ情報をPDFで保存
誹謗中傷が投稿されているページごと、ページ情報としてPDF(Portable Document Format)で保存しましょう。
PDFとは、ページを紙に印刷した状態をそのままデータとして保存したファイルのことです。
PDFで保存するためには、ウェブブラウザ「GoogleChrome」を使用します。
- 誹謗中傷を受けたサイトを開き、右上の「設定ボタン」(アドレスバーの右横)をクリック
- 「印刷」をクリック
- 「送信先」の「変更」をクリック
- 「印刷先」の「PDFに保存」をクリック
- 「保存」とクリックし、保存した場所を指定して「保存」をクリック
以上の5ステップでPDFに保存することが可能です。
こちらもきちんと保存できているか確認しておきましょう。
ページを紙に印刷
PDFに出力するのが面倒な場合は、そのまま紙に印刷しましょう。
各ブラウザで誹謗中傷を受けたサイトを開き、右クリックをして「印刷」をクリックすると、印刷できます。
印刷の際には、URLがきちんと印刷されているか確認しましょう。
パソコンやスマホの画面を写真や動画で撮影
これまで紹介してきた中で最も手軽な証拠保存方法です。
スマホやビデオカメラやタブレット端末で、パソコンやスマホの画面を写真や動画で撮影します。
動画の場合は、誹謗中傷の投稿が投稿されているページをスクロールしながら撮影することで、誹謗中傷投稿が投稿されるにいたる流れを記録できますよ。
ただし、写真や動画の解像度が低いと拡大した際にURLがつぶれて見えないなどという事態が起こるかもしれません。
そのような場合は、URLにフォーカスして撮影するなどして対策をとりましょう。
インターネットアーカイブ
インターネットアーカイブは、ネット上に公開されたページを収集・保存することで、削除されたページも閲覧できるサービスです。
保存サービスは2001年10月から開始され、1996年10月以降に公開された膨大な量のページを保存しています。
利用者は無料でインターネットアーカイブ上のページにアクセス可能です。
このサービスを利用することで、誹謗中傷投稿が投稿されているサイトの情報を保存するように手続きしたり、既に削除されてしまった情報の検索ができますよ。
ウェブ魚拓
ウェブ魚拓はネット上のサイトを「キャッシュ」として保存するサービスのことです。
キャッシュとは一度表示したサイトを保存しておいて、次に同じサイトを開くときに高速で表示してくれる仕組みを指します。
ウェブ魚拓を利用すれば、たとえ誹謗中傷投稿のページが削除されても、キャッシュから元の記事を閲覧可能です。
Googleキャッシュ
Googleは定期的にサイトのキャッシュを保存しており、誹謗中傷投稿やページ自体が削除されても閲覧ができます。
Googleにキャッシュされているページの見方は次の通りです。
- 手順1.Googleで誹謗中傷投稿が投稿されている記事、ページを検索
- 手順2.検索結果のサイトURL横にある「▼」をクリック
(このように表示されます。この「▼」です。)
- 手順3.「キャッシュ」をクリック
このような手順でGoogleにキャッシュされたサイトの閲覧ができます。
証拠保存時の注意点
証拠を保存する際は、次の3つに注意してください。
- URLや誹謗中傷に至る流れを記録する
- HTML形式での保存は避ける
- 動画の場合は動画をダウンロードする
3つの注意点について、解説していきます。
注意点1:URLや誹謗中傷に至る流れを記録する
必ずサイトのURLを記録しましょう。
「どこで」誹謗中傷が投稿されたのかという場所を特定する証拠として、URL情報は重要な価値があります。
証拠を保存する際は、URLが写るように保存しましょう。
さらに、誹謗中傷に至る流れを記録する必要もあります。
なぜなら、流れがわかることで誹謗中傷に至った状況を把握しやすくなるためです。
被害の状況を伝える証拠として、スレッドや誹謗中傷の原因となる発言をすべて記録しておきましょう。
[surfing_voice icon=”https://sakujo.or.jp/wp-content/uploads/2019/01/AdobeStock_99318373.jpeg” name=”” type=”r” font_color=”000″]Twitterの場合でも、誹謗中傷に至る原因となったツイートやアクシデントがあります。そのようなツイートを集めて証拠として保存しましょう。
注意点2:HTML形式での保存は避ける
ページはHTML形式で保存することも可能です。
しかし、この形式だと、URLが記録されないうえに、HTMLタグの書き換えなどで情報の改ざんを許してしまう形式となってしまいます。
ゆえに、ページはHTML形式で保存せずに、スクリーンショットやPDF出力で保存しましょう。
注意点3:動画の場合は動画をダウンロードする
動画で誹謗中傷をされた場合、動画をダウンロードしましょう。
まずは動画のURLがわかるようにブラウザ上で再生しながら、その様子をスマホなどで動画撮影します。
再生と撮影が終了したら、その動画をダウンロードします。
もし動画内に著作物が映っていたとしても、私的使用目的のダウンロードではなく、証拠を集めるためのダウンロードであるため、違法とはみなされにくいです。
このようにして動画の誹謗中傷の場合は、証拠として動画を保存する必要があります。
発信者やサイト管理者に書き込みを削除してもらう
ここまでのステップで誹謗中傷を削除する準備が整いました。
それでは、次の3つの方法で投稿の削除を申請しましょう。
- 発信者(投稿者)に直接、誹謗中傷投稿の削除依頼を行う
- サイトの管理者や運営に投稿の削除依頼を行う
- 法律のエキスパートである弁護士にお願いする
3つの削除方法を解説していきます。
発信者(投稿者)に直接、誹謗中傷投稿の削除依頼を行う
まずは誹謗中傷投稿の発信者(投稿者)に直接連絡を取って、投稿を削除してもらいましょう。
SNSはアカウントに直接連絡する手段がありますし、ブログはコメントで連絡できます。
依頼する場合は、「 弁護士や警察などの捜査機関への相談や法的手段も検討している」と添えると効果的ですね。
このようにして、まずは誹謗中傷の犯人に投稿削除を促しましょう。
ただし、匿名掲示板ではユーザーは全員匿名のユーザーであるため、直接連絡を取れません。
ゆえに、次に紹介するようにサイト側に削除依頼を行いましょう。
サイトの管理者や運営に投稿の削除依頼を行う
匿名掲示板サイトやレビューサイトなどでは、投稿削除用のお問い合わせフォームを設けているケースが多いです。
そのお問い合わせフォームから、サイトの管理者や運営に投稿の削除依頼を申請します。
削除依頼を申請する際は、次の項目を添えて削除依頼文を作成しましょう。
- 投稿のURL
- サイトの利用規約違反を証明
- 誹謗中傷の種類とその誹謗中傷に該当する表現
このような項目を充実させると、削除成功率が高くなる可能性があります。
必要となればさきほど作成した証拠を提示しながら、「なぜ削除に至ったのか」という削除の経緯を明確に説明しましょう。
法律のエキスパートである弁護士にお願いする
法律のエキスパートである弁護士に依頼する方法もあります。
投稿の削除には法的な知識が必要となり、さらに的確に対処してくれる弁護士に依頼するケースが多いです。
保存した証拠は、弁護士に依頼する場合にも必要になるので、大切に保管しておきましょう。
「弁護士に依頼する方法」は以下の記事で詳しく紹介します。
まとめ
誹謗中傷の投稿を削除する方法としては、次の3つがあります。
- 発信者(投稿者)に直接、誹謗中傷投稿の削除依頼を行う
- サイトの管理者や運営に投稿の削除依頼を行う
- 法律のエキスパートである弁護士にお願いする
しかし、投稿を削除する前に「該当する誹謗中傷の種類の確認」と「証拠の保存」をしておきましょう。
また、投稿を削除するだけではなく、投稿者の特定もできます。投稿者を特定することで、精神的苦痛に対して慰謝料を請求可能です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
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