今回はサジェスト対策の基礎、サジェスト・サジェスト機能・サジェスト汚染を徹底解説していきます。

ちまたでは「サジェスト対策」という言葉だけが流行り、サジェストの意味や表示の仕組みまでは触れられないケースが多いですよね
中々消化しきれない思いでいる方も多いと思います。
そこで今回は、 Googleのサジェスト機能を中心に、 サジェストがどのような機能なのかを解説していきます。
この記事の内容を理解できれば、サジェスト対策の準備が進めやすくなりますよ。
「これからサジェスト対策をしたい」という個人・企業・団体の方の参考となれば幸いです。
それでは、早速解説していきます。
サジェストとは
サジェストとは、検索窓にキーワードを入れた際に、プルダウンメニューのように下に表示される関連キーワードの一覧のことです。
この機能は、検索されやすいキーワードを自動で表示してくれるため、オートコンプリート(入力補助)とも呼ばれます。
試しにGoogleを開いて、「リンゴ」と打ってみます。
参照元:Google
このような検索結果となりました。
「リンゴ」の下に並ぶものはすべてサジェスト(関連キーワード)です。


どんな仕組みで表示されているのかより詳しく見ていきましょう。
サジェストの表示の仕組み
サジェストに表示されているキーワードは、特殊な仕組み(アルゴリズム)に選出されます。
Googleの場合、この仕組みは外部に公表されていないため、実態を正確に把握することは困難です。
しかし、サジェストの表示には一般的に次のような仕組みがあると考察されています。
- 検索ボリューム
- 定期的にたくさんの人々が検索しているキーワード
- 注目されているキーワード
- キーワードに対応するサイトの存在
- 検索した地域と言語
- 過去に検索したキーワード(履歴)
1つずつ説明していきます。
仕組みその1:検索ボリューム
Googleが提供するサジェストは、過去に誰かが検索したキーワードから生成され、「検索ボリューム」で調整されます。
「検索ボリューム」とは、検索された回数のことです。
過去に検索されたサジェストの中でも、 検索された回数が多いサジェストは、優先的に表示される傾向があります。


仕組みその2:定期的にたくさんの人々が検索しているキーワード
Googleではキーワードの選出に一定の期間を設けています。
この期間中にたくさんの人々がそのキーワードを検索すれば、サジェストに表示されやすくなるといわれています。
あくまで「たくさんの人々」ですので、 一人が複数回検索してもサジェストに表示される可能性は低いです。
つまり、サジェストに表示されているキーワードは 不特定多数の人々が頻繁に検索しているものとなります。


このような事態を防ぐための措置とされています。
仕組みその3:注目されているキーワード
「仕組みその2」で「Googleではキーワードの選出に一定の期間を設けています」としました。
基本的にはこの通りで、月単位でじっくりとサジェストを選出するとされています。
しかし、注目されているキーワードの場合は例外で、数時間~数日でサジェストに登録されます。
例えば、重要度の高いニュース(芸能人、政治家に関するものなど)はGoogleに登録されてから 数時間でサジェストに表示される可能性が高いです。
Googleでは、こういった話題性・人気度という観点も考慮しているとされています。
仕組みその4:キーワードに対応するサイトの存在
キーワードに対応するサイトが存在することも大切です。
サジェストに登録されているキーワードは、対応するサイトが存在すると言えます。

そういうサイトがある前提でサジェストに登録されるんじゃないんですか?

サジェストに沿ったサイトは必ずしも存在する必要がないのでしょう。
仕組みその5:検索した地域と言語
どんなユーザーにも同じサジェストが表示されるとは限りません。
検索した地域・言語で異なることがあります。
例えば、大阪市内で日本語で「カフェ」と検索すると、サジェストに大阪市内のカフェの店舗名が表示されます。
このように、地域・言語にも依存したサジェストになるということを忘れてはいけません。
仕組みその6:過去に検索したキーワード(履歴)
過去に検索したキーワードをサジェストとして表示させることも可能です。
検索履歴とも呼ばれています。
参照元:Google
他のサジェストより優先的に上部に表示されていますが、これは各ユーザーにのみ表示されます。
他人にも同じ履歴が表示されているわけではありません。
右側の「削除」から履歴を削除できます。
サジェストによる悪い影響?サジェスト汚染とは


サジェスト汚染とは、サジェストがネガティブな単語で埋め尽くされてしまう状況のことです。
例えば、以下のような状況を指します。
株式会社○○ |
株式会社○○ 不祥事 株式会社○○ 問題 株式会社○○ とは 株式会社○○ 裏 株式会社○○ 騒動 原因 株式会社○○ 詐欺 株式会社○○ 採用 ・・・ |
このようなサジェストは、会社のことが知りたくて検索してくれたユーザーに、ネガティブな印象を与える可能性が高いです。
このように、サジェストに不穏な雰囲気が漂うことを「サジェスト汚染」と呼びます。
個人の場合でも、自分の名前で検索するとサジェストに「逮捕歴」が表示される場合があり実生活に悪影響を及ぼす恐れがあるので注意が必要です。

サジェスト汚染の影響


サジェストは単なる検索画面といえど、検索ニーズの表れでもあり、検索ユーザーの気を惹く語句が並んでいます。
ゆえに、そこにネガティブなサジェストがあれば、 ネガティブな印象を与えてしまう可能性は高いです。
特に企業名の場合だと個人と比べて、月に一定数の検索ユーザーがいる傾向があります。
そのようなユーザーに汚染されたサジェストを見せているわけですから、一定の影響があると考えた方が良いです。
さらに、今までそのような情報を知らなかった人にも、サジェストが表示されるので、第一印象が悪くなってしまいます。
サジェスト汚染の影響は企業・個人の場合で異なりますので、それぞれ解説していきます。
企業・公共施設・店舗の場合
- 飲食店
- 企業
- 病院
こういったサービスはサジェスト汚染の影響を受けやすいとされています。
最も懸念されるのが、採用試験応募者や取引先企業に対する「企業イメージの悪化」です。
「こんな企業に就職したら将来が不安だ」
「こんな企業とは取引したくない」
このようなイメージをもたれてしまうかもしれません。
採用活動の難航や売上の減少につながる要因となるので早急な対処が必要です。
飲食店や病院の場合であっても、評判の悪化につながる恐れがあり、利用者の減少が懸念されます。
ブロガーやインスタグラマーなど個人の場合
サジェスト汚染による誹謗中傷や名誉毀損が問題となっています。
近年では、個人向けの配信メディアが急増しました。
その中で誕生したのが、以下のような著名人(インターネットセレブリティ)です。
- ブロガー
- インスタグラマー
- YouTuber
- Twitch配信者
このような人々はネット上で一定の知名度があり、検索回数も一定数あると予想されます。
企業のように社会的な評価もあるということです。
ゆえに、サジェスト汚染によって、評判が悪化するという事態は容易に想定できます。

意図的なサジェスト汚染もあり得る


社員の不祥事や事故でニュースとなり、自然とサジェストが汚染されてしまうケースがほとんどです。
しかし、サジェスト表示の仕組みを逆手に取り、意図的にサジェスト汚染を引き起こす例も見られます。
5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)やWikipedia、ニコニコ大百科、pixiv、NAVER まとめといった有名なサイトは、サジェストの選出にも影響するといわれています。
さらに、このようなサイトでは自分でトピックを立てて、さまざまなテーマで論じることができるため、企業や個人に対するテーマを立てることも可能です。
つまり、 サジェストに対して影響力の強いサイトを利用することで、サジェストを操作することができてしまうわけですね。
過去には実際に、匿名掲示板の利用者が唐澤貴洋氏に関するサジェスト汚染を誘発させた事例があります。
このようにサジェストの仕組みを悪用して、企業に対する風評被害の流布や特定の個人への攻撃を行われるケースがあるのです。


Googleは動いてくれないのか
サジェスト汚染に有効なのは、運営が監視を行って、サジェストの削除や非表示化をすることです。
しかし、 Googleはサジェストの削除に対して、消極的な姿勢をみせています。
サジェストは独自のアルゴリズム(表示の仕組み)とフィルタをもとに、公正に選出されたものだと主張し、削除・変更には応じないケースが多いのです。
しかし、ここ数年でフィルタの性能が強化されたためか、ネガティブなサジェストは以前より表示されにくくなっています。
さらに、2011年頃からEUを中心として、「忘れられる権利」を認める動きが加速し始めました。
忘れられる権利とは、「インターネット上のプライバシーを侵害する情報を削除できる新しい権利」です。
プライバシーの権利の新しい形とも呼ばれています。

このような背景もあり、サジェスト汚染が認められる際には、Googleにサジェストの削除を依頼できるようになりました。
Googleはサジェスト汚染の対応に幾分か積極的になったと言えます。
しかし、2017年に法廷で忘れられる権利を認められなかったケースもありました。
インターネット検索サイト「グーグル」に表示された犯罪歴削除の仮処分申し立てで、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日までに、検索結果の削除を認めない決定をした。
検索サイト側の表現の自由と表示される側のプライバシー保護を比べ、「公表されない利益が優越することが明らかな場合に限って削除できる」と削除には厳格な要件を求める初の統一判断を示した。
引用元:最高裁、「グーグル」結果削除は公共性を重視 :日本経済新聞
このように、裁判では認められないケースがあるため、Googleのコンテンツの削除の可否は状況によるとしか言い様がありません。
Googleは動いてくれるけど、日本の裁判所が動いてくれないということもあり得るということです。




サジェストの削除だけではなく、Googleにページの削除を要求する場合などはこの点を理解しておきましょう。
これってサジェスト汚染?本気で消したい方へ
意図的か否かにかかわらず、サジェスト汚染が見つかった場合は、早急にサジェスト汚染の対策をしましょう。
サジェスト汚染の対策(サジェスト対策)は以下の3つがあります。
- サジェスト汚染対策業者に依頼
- 自分でサジェスト対策をする方法
- サジェスト対策を弁護士に依頼
いずれかの方法でサジェストを削除していきます。
風評被害が拡散してしまう前に、この方法を確認してサジェスト汚染を対策しましょう。

まとめ
今回はサジェスト・サジェスト汚染に関する基礎知識を解説してきました。
今回解説した内容を完全に理解する必要はありませんが、サジェスト汚染に対処する「サジェスト対策」として一刻も早く行動に出ることをおすすめします。
サジェスト対策を弁護士・業者に任せる際の知識も、「これってサジェスト汚染?本気で消したい方へ」で紹介した記事で解説していますので、参考にしていただければ幸いです。
みなさんのサジェスト対策が無事成功することをお祈り申し上げます。
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