この記事ではデジタルタトゥーが就職に与える影響について解説しています。
現代は「ネット社会」であり、ネット上の書き込みや発言もある程度、信頼性のある情報として扱われるケースがあります。
デジタルタトゥーとして代表的な「犯罪歴」「逮捕歴」などといった情報も同じで、ある程度「信じる」方が存在します。
こういった情報はマイナスな印象を与えかねませんので、就職の採用選考への影響が心配になりますよね。
そこで今回解説するのが「デジタルタトゥーが就職に与える影響」です。
特に以下の項目を解説していきます。

最終的には、デジタルタトゥーを見つけて自力で消すことができるようになりますよ。
まずはデジタルタトゥーの影響から見ていきましょう。
デジタルタトゥーの危険性と就職に与える影響
デジタルタトゥーはネット上に存在するにもかかわらず、社会生活に影響を及ぼす大変危険な情報です。
吉野ヒロ子氏(2018)は、デジタルタトゥーをネット炎上と関連付けて、以下のように説明しています。
さらに、インターネット上に拡散された個人情報は、削除が難しい「デジタル・タトゥー」(Enríquez 2013)として、拡散された側の社会生活を長期間脅かすことになる(中略)一般人が炎上した場合、その人物の現在の人間関係が破壊されるだけでなく、未来の人間関係やキャリアにも影響することになる。
小木曽(2017)は、炎上した経験があることを理由に高校の推薦入学を取り消されたり、就職活動が難航したり、婚約を取り消されたりした事例を紹介している
引用吉野ヒロ子「ネット炎上を生み出すメディア環境と炎上参加者の特徴の研究」中央大学大学院 2018
※赤字加工
ネット上に投稿された情報(個人情報、誹謗中傷、デマなど)が一度炎上したり、ネット上で話題となると、その情報はネット上に残る傾向があります。
このような情報がデジタルタトゥーと呼ばれ、「キャリア」にも影響するとされていることが分かりましたね。
実際にデジタルタトゥーは就職に影響する可能性が高いです。
就職・転職といった場合、求職者の個人情報を広範囲にわたって収集する行為は、通常の採用活動で当たり前のように行われています。
近年はネット上の情報をある程度信用する企業が増えたためか、その情報収集の過程でデジタルタトゥーが見つかってしまうのです。

例えば、過去に炎上するなどして実名で検索すると出てくる「根拠もなく『殺人犯』とするデマ情報」「性犯罪を犯した際のニュース」「汚職で逮捕された過去」といった情報ですね。

企業はそういった経歴を持つ人間を雇いたがりませんよね。
こういったデジタルタトゥーは、採用担当者に悪印象を与えます。
「書類選考に通らない」「面接に落ちる」「内定取り消し」といった可能性も十分考えられます。
就職に不利になることは明らかですね。
こんなにある?タトゥーとして残りやすい情報
デジタルタトゥーとしてネット上に残りやすい情報にはある特徴があります。
それは「話題性がある情報」です。
例えば、
- 他人を煽るような攻撃的な書き込み
- 社会問題
- 特定された犯罪者の個人情報
- 性的な画像・動画
- 芸能人の犯罪
- 炎上
などです。
このような情報には話題性があり、匿名掲示板やWebメディアなどネット上の各種メディアで取り上げられ、急速に拡散される傾向があります。
また、実際に炎上した情報がデジタルタトゥーとなりやすいとしましたね。
ここで炎上しやすいテーマを見てみましょう。
食べ物・宗教・社会保障・格差・災害(不謹慎ネタ)・政治(特に外交)・戦争(安全保障)関係の話題は炎上しやすい。
引用山口 真一「炎上の分類と事例」『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」
このようなテーマは炎上しやすいことが分かりました。
つまり「炎上してネット上に残るようなテーマ」すなわち「デジタルタトゥーとして残りやすいテーマ」とも言えます。

上記のようなテーマでデジタルタトゥーが残っている場合、就職に影響する場合があります。
ネット炎上については下記の記事で詳しく解説していますので気になる方はチェックしてみてくださいね。
デジタルタトゥーの見つけ方!自分で探すことはできる
デジタルタトゥーは就職に悪影響を及ぼすことが分かりました。
ゆえに、ネット上のデジタルタトゥーは採用試験を受ける前に探し出し、削除しておく必要があります。
まずはデジタルタトゥーの探し方や見つけ方を理解して、デジタルタトゥーの実態を把握しておきましょう。
デジタルタトゥーの探し方・見つけ方
デジタルタトゥーの探し方・見つけ方はシンプルです。
以下の手順でGoogle検索を利用し、デジタルタトゥーを見つけましょう。
- ステップ1Google検索Googleの検索フォームで「自分の本名」「事件の名前」「炎上した発言」などで検索を行い、検索結果の一覧を表示させる
- ステップ2情報を掲載しているサイトをメモしておく後でデジタルタトゥーを削除するため、検索結果の一覧からデジタルタトゥーの原因となっている情報を掲載しているサイトをメモしておく
- ステップ3問題のサイト・ページの一覧を作成ステップ1とステップ2を繰り返し、問題のサイト・ページの一覧を作成しておく

自分に関する情報が検索結果の一覧となっているかもしれないので、閲覧するのが非常に辛いと思います・・・。

ここはこらえて、冷静かつ確実にデジタルタトゥーの原因となっているサイトやページを見つけ出しましょう。
「どんなキーワードで検索していいかわからない」という場合は、「関連キーワード取得ツール」を利用して参考となりそうなサジェストを探しましょう。

サジェストとは、Googleで検索フォームに記入した際に表示される検索候補のことです。
このサジェスト検索ツールの活用方法は以下の通りです。
- ステップ1サジェスト検索に本名を入れる「関連キーワード取得ツール」にアクセスし、上部の「検索キーワード」に本名を記入し、「取得開始」をクリック・タップ
- ステップ2サジェストの一覧から問題のあるサジェストをメモサジェストの一覧が表示されるので、「〇〇(本名) 〇〇(誹謗中傷ワード)」といったデジタルタトゥーの原因となりそうなサジェストをメモしておく(Yahoo!知恵袋などの検索結果も表示されるので参考にしておく)
- ステップ3メモしたサジェストをGoogleで検索Googleの検索フォームでメモしたサジェストで検索を行い、検索結果の一覧を表示させる
- ステップ4情報を掲載しているサイトをメモしておく後でデジタルタトゥーを削除するため、検索結果の一覧からデジタルタトゥーの原因となっている情報を掲載しているサイトをメモしておく
- ステップ5問題のサイト・ページの一覧を作成ステップ3とステップ4を繰り返し、問題のサイト・ページの一覧を作成しておく
関連キーワード取得ツールを利用して、デジタルタトゥーも活用してデジタルタトゥーの原因となっているサイト・ページを探しましょう。
デジタルタトゥーが残りやすいサイトの特徴
デジタルタトゥーには特定の人間の人生を台無しにするものであり、自制すべき投稿内容とも言えます。
そのようなデジタルタトゥーが残りやすいサイトの特徴として、以下のような特徴があります。
つまり、誰でも自由に書き込めて、すべての書き込みを閲覧可能、利用者数も多く、本人情報を開示する必要がないサイトです。
このようなサイトでは、
- いかなる書き込みをしたところで実生活に影響はない(反撃されない)
- 他の利用者も悪質な投稿を書き込んでいるから自分も書き込んでも大丈夫
という心理が働きます。
つまり、攻撃的な投稿や悪質な投稿などデジタルタトゥーの原因となりうる投稿が書き込まれやすいサイト、残りやすいサイトとも言えますね。
実際にデジタルタトゥーが残りやすいサイト
実際にデジタルタトゥーが残りやすいサイトとして以下のようなサイトが挙げられます。
- 2ch(現5ch)
- インスタ
こういったサイトは有名であるため、企業も身辺情報調査のために参考にしているケースは多いです。
実際にどのような特徴があるのか見ていきましょう。
残りやすいサイトその1:2ch(現5ch)
まずは2ちゃんねる(現5ちゃんねる)です。
- 会員制サイトか:いいえ(誰でも書き込み可)
- ユーザー名は実名登録が絶対ではないか:実名登録不要
- 非公開設定ができるか:不可(誰でも閲覧可能)
- 利用者数が多いか:多い/月間合計訪問回数約1億回(日本国内のトラフィックが全体の約98%)
- 投稿の通報システムがあるか:なし
このように2ちゃんねるでは、誰でも身元がバレることなく、自由に書き込むことが可能です。
2ちゃんねるの投稿に対処したい方は下記の2記事を参考に削除を依頼していきましょう。
残りやすいサイトその2:Twitter
続いては、Twitterです。
- 会員制サイトか:はい(ただし、メールアドレスがあれば誰でも簡単に登録可能)
- ユーザー名は実名登録が絶対ではないか:実名登録不要
- 非公開設定ができるか:可能(「鍵アカ」)
- 利用者数が多いか:非常に多い/月間合計訪問回数約43億5千万回(日本国内のトラフィックは全体の約14%、1位はアメリカで約27%)
- 投稿の通報システムがあるか:あり
Twitterは会員登録が必要、非公開設定が可能、通報システムがあるなどと2ちゃんねるのように誰でも自由に書き込めるわけではありません。
しかし、利用者数が非常に多く、集団的な心理が働くためか、悪質な投稿も多く散見されます。
Twitterのデジタルタトゥーに対処したい方は下記の記事を参考にしていただければと思います。
残りやすいサイトその3:インスタ
インスタ(Instagram)もデジタルタトゥーが残りやすいサイトの一つです。
- 会員制サイトか:はい(ただし、メールアドレスがあれば誰でも簡単に登録可能)
- ユーザー名は実名登録が絶対ではないか:実名登録不要(しかし、Facebookのように実名で登録する利用者が多い)
- 非公開設定ができるか:可能
- 利用者数が多いか:多い/月間合計訪問回数約39億回
- 投稿の通報システムがあるか:あり
インスタはSNSの中でも匿名性は低く、誰でも投稿できるわけではありません。
ただし、画像での投稿がメインとなるため、画像によるデジタルタトゥーが残りやすいサイトとなります。
インスタの悪質な投稿に対処したい方は下記の記事をチェックしましょう。
デジタルタトゥーの消し方!就職活動の前に削除しよう
デジタルタトゥーが就職活動の最中にエントリー先の企業に見つかれば書類選考で落ちる可能性があります。
そのような事態を未然に防ぐためにも、デジタルタトゥーを消すことは重要です。

でも、デジタルタトゥーを消すと言ってもどこから手を付けていいかわかりません。

そうですよね。
デジタルタトゥーは削除が困難ですが、地道に1つずつ消していけばいつかは消えます。
デジタルタトゥーの消し方は4つあります。
- 方法その1:情報掲載サイトに直接削除依頼(投稿削除機能・お問い合わせフォームから)
- 方法その2:送信防止措置依頼書
- 方法その3:弁護士に依頼する削除依頼【任意】
- 方法その4:弁護士に依頼する削除依頼【要請・仮処分】
いかなるデジタルタトゥーであっても、この4つの方法で対処することが可能です。
ただし、被害が広範囲で、単に情報を削除しただけでは対処しきれない場合もあります。
そのようなケースも考慮した具体的な削除依頼方法を下記の記事で紹介していきますよ。
ぜひ参考にしていただき、デジタルタトゥーに対処していきましょう。
まとめ
デジタルタトゥーは社会生活を長期間脅かして「キャリア」にも影響し、就職活動が難航するリスクがあるとされています。
デジタルタトゥーとして残りやすいテーマは
などでしたね。
中でも炎上などが発生すると、ネット上に長期間情報が残りやすいとされています。
炎上しやすいテーマには以下のようなものがありましたね。
さらに、デジタルタトゥーはGoogleなどの検索エンジンを利用して探すことが可能です。
この記事で紹介した方法でデジタルタトゥーの実態を把握したら、デジタルタトゥーの原因となるページ・投稿に対して削除依頼を出していきましょう。
就職活動に影響する前に情報を削除しましょう。

みなさまのデジタルタトゥー削除成功をお祈り申し上げます。
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