この記事ではデジタルタトゥーの消し方(消す方法)について解説していきます。
一度ネットに公開された書き込みを消すのは、非常に厄介です。
ましてや「誹謗中傷」などの悪質な書き込みは、公開されている限り、対象となった人の精神を傷つけ続けます。
ゆえに、情報公開後の一刻も早い対処が求められます。
そこで今回紹介するのが「デジタルタトゥーの迅速かつ的確な消し方」です。
具体的には、
について解説していきますので、具体的な対処の方針を固めることが可能ですよ。
ぜひ参考にしていただき、デジタルタトゥーに対処していただければと思います。

デジタルタトゥーには適切な対処を心がけましょう。
まずはその基本から解説していきます。
デジタルタトゥーの危険性
デジタルタトゥーの危険性は「真っ当な人生を歩めなくなること」の一点に集約されます。
例えば、
といった危険性があります。
デジタルタトゥーとして残るのは
- 犯罪
- 前科
- 誹謗中傷
といった情報ですが、実際にどのくらいのリスクがあるのか簡単に解説していきます。
危険性その1:とにかくネットで名前を検索されただけで信用を失う
「その人のことを知りたい」という目的で、ネットを利用して名前を検索される場面は意外と多いです。
特に政治活動や芸能活動、作家活動を行っている著名人にはその傾向があります。
その結果、過去の書き込みが検索にヒットし、悪い印象を与える(風評被害)ケースは容易に考えられます。

確かに名前で検索して悪質な情報が表示されれば「この人ってこんな人だったんだ・・・」とつい思ってしまいます。

デジタルタトゥーの危険性は、ネットの検索結果で誤った印象を与えてしまうだけではありません。
その効果が半永久的に継続することにもあります。
デジタルタトゥーの一番の特徴は「ネットから消えにくいこと」です。
書き込まれてから何年経っても悪質な情報が表示され続けるので、ネットで名前を検索される行為が信用を失うことにつながります。
危険性その2:停学・退学・停職・退職処分となる恐れがある

デジタルタトゥーがあると、ネットで名前を検索されただけで検索した人に悪印象を与えてしまいます。
企業の人事や学校の生活指導にデジタルタトゥーが見つかれば、何らかの「懲罰」を受ける可能性があります。
多くの学校・企業では社員個人の人生よりも「面子」「社会的評判」を重んじる傾向があります。
世間的な信用のない人間を雇い続ければ、企業の面子が潰れる可能性があります。
そのようなリスクを回避するためにも、そのような人間の「処分」に出る可能性は十分に考えられるでしょう。
また、そのような問題のある従業員を放置すれば、「学校・企業へのクレームの電話・文書」「施設の破壊行為、罵声、デモ、落書きなどの嫌がらせ行為」といった事態に発展する恐れもあります。
こういった事態に早急に対処するために、従業員や学生の処分を行う可能性があります。

本人への戒めの意味でも、制裁を加える可能性も考えられますね。
危険性その3:就学・就職・転職に影響する
就学や就職、転職といった場合、採用担当者は必ず本人の身辺情報を調査します。
近年はネット上の情報をある程度信用する学校や企業が増えたためか、採用試験の前に名前をネットで検索する傾向があります。
その過程でデジタルタトゥーが見つかってしまうと採用担当者に悪印象を与え、「書類選考に通らない」「面接に落ちる」「内定取り消し」といった可能性も考えられます。
危険性その4:あらゆる「審査」に影響する
身辺情報を調査される機会があるのは、就学・就職・転職だけではありませんよね。
日常生活を送る上ではあらゆるサービスとの「契約」を結ぶケースがありますが、契約を結ぶ際の「審査」にも影響します。
特に「賃貸」の入居審査でデジタルタトゥーが見つかった場合、契約ができなくなる恐れがあります。
危険性その5:交際・結婚が不利になる
「その人を知りたい」としてネットを利用するのは何も学校・企業だけではありませんよね。
一般人レベルでも、身辺情報の調査の一環でネットを利用する可能性があります。
例えば、交際・結婚です。
交際・結婚の際は「結婚していい相手なのか」と相手の情報をよく調査する傾向があります。
その際にデジタルタトゥーが見つかれば交際を断られ、結婚ができなくなるといった問題が発生します。

確かにネット上で「〇〇は逮捕されたことがある」「〇〇は訴えられたことがある」という投稿を見かけると、厄介事に巻き込まれる前に交際を断ってしまうかもしれません。
危険性その6:家族に迷惑がかかる
デジタルタトゥーは自分だけに影響するものではありません。
みなさんと血縁関係があり、深い関係のある「家族」にも影響します。
例えば「あの家の子供は犯罪者だ」「あの子の父親は痴漢で捕まった」など家族単位で悪いウワサが広がるパターンです。
家族が住む地域で近隣住民のウワサによって肩身の狭い思いをさせるだけではなく、「こどものいじめの原因」「親の停職の原因」などにもなりかねません。
このような家族への迷惑もデジタルタトゥーの危険性として考えられるでしょう。
危険性その7:放置すれば有害な情報がネット上に拡散する
デジタルタトゥー自体の危険性として拡散スピードの速さがあります。
デジタルタトゥーになるような情報は、本人にとって有害な情報でありながら、話題性があるため拡散力があります。
特にSNSや匿名掲示板を中心に悪質な情報が拡散すると考えられます。
情報はネット上で広く拡散され、ネット世界の常識となっていくでしょう。
さらに根も葉もないウワサが広がったり、情報に脚色が加えられたりと誤情報も増えていきます。
このように「放置」はデジタルタトゥーの悪化をまねくだけです。
早急な対処が求められます。
デジタルタトゥーの消し方4つ【重要】
デジタルタトゥーはネットから消えにくいです。
その理由は情報が複数サイトに拡散されているためと考えられます。
ゆえに、デジタルタトゥーを消す方法は、とにかくネット上にある情報を地道に削除するしかありません。
ここは冷静になり、問題の情報を掲載しているすべてサイトに対して、掲載情報の削除を求めていきましょう。
その方法として以下の4つがあります。
- 方法その1:情報掲載サイトに直接削除依頼(投稿削除機能・お問い合わせフォームから)
- 方法その2:送信防止措置依頼書
- 方法その3:弁護士に依頼する削除依頼【任意】
- 方法その4:弁護士に依頼する削除依頼【要請・仮処分】

上記4つの方法でデジタルタトゥーに対処できますよ。
どこから手を付けていいか分からない場合は方法その1から順番に試していきましょう。
ネット上の情報は災害のように放置すれば被害が拡散していきますので、初動対応が重要です。
対応が遅れて風評が広範囲に広がってしまった場合、別の方法で対処する必要があります。
その点をふまえて、上記4つの消し方について解説していきます。

もし問題の情報が「前科」「犯罪歴」の場合は下記の記事を参考にしてデジタルタトゥーに対処してきましょう。
方法その1:情報掲載サイトに直接削除依頼
2ちゃんねる、Twitter、インスタなどデジタルタトゥーが残るサイトは様々です。
そのような情報掲載サイトに対して直接的に削除を依頼していきましょう。
アプローチの手段も多様ですが、以下のような削除依頼方法があります。
- 専用の削除依頼機能・ツールを利用
- お問い合わせフォームから削除依頼文を送付
- 専用のお問い合わせメール宛に削除依頼文を記入したメールを送付
いずれかの方法で問題の情報掲載を中止させ、非掲載・削除させます。
ただし、こういった任意での削除依頼は強制力が弱く、必ず削除が成功するとは限りません。
ほとんどが「気休め程度」というのも事実ですが、削除依頼しないよりはマシですよね。
実際に投稿が削除できるケースもあるので、試してみる価値は十分にあります。

直接削除依頼することはとても勇気の要ることです。
ここは冷静になり、「必ず削除して平穏な生活を取り戻す」と強い意志を持って地道に削除を依頼しましょう。
しかし、削除依頼するにしても、具体的な削除依頼の手順やコツ、ポイントを知りたいですよね。
具体的に
- 証拠の保存
- 削除できる投稿の見極め
- 削除依頼の基本的な手順
などといった削除依頼の基本は下記の記事で詳しく解説していきいます。
削除を依頼する前に確認しておきましょう。
さらにここからはSNS、匿名掲示板、ブログ、レビュー(口コミ)サイトなどネット上のコミュニケーションツールに応じた具体的な削除依頼方法も解説していきます。
早速SNSの削除依頼方法から見ていきましょう。
パターン1:SNSに直接削除依頼
SNS上の投稿で問題が発生した場合、以下の方法で対処できます。
- 方法その1:自力でSNS上の投稿に削除を依頼する(通報システム、お問い合わせフォーム、投稿者に直接連絡)
- 方法その2:弁護士に削除を依頼する
- 方法その3:警察に通報・相談する
SNSの特徴として投稿の「通報」機能が充実している傾向があります。
そういったものを駆使して、問題の投稿を削除していきましょう。
具体的な削除依頼の方法は下記の記事でご紹介します。
パターン2:匿名掲示板に直接削除依頼
匿名掲示板の削除依頼方法を考えていきます。
- 2ちゃんねる(現5ちゃんねる)
- 爆サイ.com
- ガールズちゃんねる
- 雑談たぬき
こういった匿名掲示板は削除依頼方法が特殊で、サイトごとに削除依頼方法が異なります。
詳しい方法は下記の記事でそれぞれ解説していきますので、ぜひご覧くださいませ。
パターン3:無料ブログサービスに直接削除依頼
無料でブログをレンタルできる無料ブログサービスは個人ブログだけではなく、まとめサイトなどにも利用されています。
- Amebaブログ
- Livedoor Blog(ライブドアブログ)
- gooブログ
- FC2ブログ
このようなブログサービスも誹謗中傷や名誉毀損の温床となっているケースがあります。
具体的な削除依頼方法は下記の記事で解説していきますので、無料ブログサービスに直接削除依頼したい方はぜひ参考にしていただければと思います。
パターン4:レビュー(口コミ)サイト
宿泊施設や飲食店などの場合、こういったレビュー(口コミ)サイト上に従業員の誹謗中傷などが投稿される場合があります。
もしレビュー(口コミ)サイトでもデジタルタトゥーが残っているようであれば、下記の記事を参考に問題の掲載情報を削除していきましょう。
方法その2:送信防止措置依頼書
「送信防止措置依頼書」とは、プロバイダ責任制限法という法律に基づいた法的な方法で、Webサイトの管理者に「削除」を依頼する手続きのことです。
テンプレに基づいて特殊な記載事項をすべて記載した「書面」を郵送またはFAXで送付するだけで手続きは完了となります。
簡単で法的な強制力もある頼もしい手続きですが、依頼できるケースは「権利侵害」が発生している場合に限られています。
権利侵害とは、法律で守られている権利を不正に信頼される行為のことです。

権利侵害とは具体的にどのようなものですか?

例えば、プライバシー権の侵害、著作権侵害、肖像権侵害などに該当します。
プロバイダ責任制限法によれば、プロバイダ責任制限法が適用されるのは「情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由」がある場合に限定されています。
つまり、権利侵害が発生していなければ相当な理由も存在せず、送信防止措置を依頼できないということになります。
例えば、送信防止措置が依頼できるのは以下のようなケースと考えられています。
個人 | 法人 | |
送信防止措置が 依頼できるケース |
名誉毀損 ・プライバシー侵害など |
業務妨害 ・信用毀損など |
依頼できるケースの見分け方や具体的な記入方法と記入のポイント、全体の流れなどは下記の記事で詳しく解説していきますのでご安心ください。
下記の記事を参考にサイトの管理会社あてに送信防止措置依頼書を送付しましょう。
方法その3:弁護士に依頼する削除依頼【任意】
弁護士に問題のサイトへの削除依頼を依頼することも可能です。
まずは以下の流れで弁護士を探し、削除を依頼しましょう。
- 弁護士を探す
- ネット上の問題対処を得意とする弁護士を選ぶ
- ステップ3候補に挙げた弁護士と法律相談する
- ステップ4弁護士に投稿の削除を依頼する
- ステップ5弁護士がサイトや投稿者と直接交渉を行い、投稿の削除を行う
任意での削除依頼となりますので、削除の要請というよりは「説得」「交渉」に近い形となります。
その分弁護士費用が控えめとなりますので、まずは弁護士にご相談ください。
詳しい弁護士の探し方や選び方、問題解決までにかかる期間などは下記の記事が参考になりますので参考にしていただければ幸いです。
方法その4:弁護士に依頼する削除依頼【要請・仮処分】
法的な強制力があると、投稿削除の成功率が高くなります。
弁護士に依頼して裁判所を通した「仮処分」を申請し、強制的にサイト上の投稿を削除させることも可能です。

仮処分ってなんですか?

仮処分とは、ネット上の権利侵害などに対して、これ以上の権利侵害を避けるために一時的に法律のガードを作り出す措置のことです。
これにより、権利侵害投稿の強制的な削除が可能となります。
こういった仮処分の申請を成功させるためには、弁護士の中でもネット上の問題対処に特化した弁護士に依頼するのが効果的です。
下記の記事を参考に「ネット上の問題対処に特化した弁護士」を探しましょう。
情報が広範囲に拡大している場合
削除など対処を行ってもデジタルタトゥーが残りやすい状況として、情報が広範囲に拡大している場合が考えられます。
このような場合は同じくネット上の情報が原因で誤った認識を形作る「風評被害」の対処・対策と同様の方法で、問題に対処していきましょう。
被害があまりにも深刻で削除が追いつかない場合は以下の2つの方法でデジタルタトゥーに対処しましょう。
- 方法1:リスクコンサルサービス(風評被害対策業者)
- 方法2:逆SEO対策
風評被害に対処するのと同様の方法で深刻なデジタルタトゥーに対処することが可能です。
下記の記事で詳しく解説していきますので、「被害がひどすぎて手を付けられない」という場合は参考にしてみてください。
「削除業者」と「逆SEO」はおすすめしない理由
ネット上でデジタルタトゥーの対処を検索すると、デジタルタトゥー削除業者やデジタルタトゥーの逆SEO対策を推奨される可能性もあります。
実はこういった対策はあまりおすすめできません。

逆SEO対策って何ですか?

逆SEO対策とは、特定のページを検索エンジンの検索結果上位に表示させる試み「SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)」の逆で特定のページを検索結果下位に押しやり検索されにくくする方法のことです。
おすすめできない理由を解説していきます。
「削除業者」は違法
「削除業者」とは、問題のサイトへの削除を代行する業者のことです。
このような業者は「違法」となっています。
ネット上の情報削除という行為は、その対象となっている方とその方から依頼を受けた弁護士にのみ認められています。
それ以外のものには認められておらず、削除の代行を不正に行うと「非弁行為」として2年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます。
以下が非弁行為を定める弁護士法72条です。
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
この条文では、ビジネスとして報酬を得る目的で法律事務(削除を請け負う行為など)を行うことはできないと定めています。
つまり、削除を代行する「削除業者」はこの条文に反する違法業者となります。
このような違法業者に削除を依頼すれば、依頼した方の信用も失墜しますので注意しましょう。
「逆SEO」では根本的に問題が解決していない
逆SEO対策は「デジタルタトゥーを見えにくくする」という点では効果的なのですが、実際は検索結果から問題の情報を一時的に情報を隠しているだけです。
つまり、問題の情報を情報を削除できているわけではありません。
根本的な問題の解決のためには、やはり「削除」を行う必要があります。
まとめ
デジタルタトゥーには様々な危険性がありました。
放置してもデメリットしかありませんし、事態は悪化するだけです。
そこで有効なのがデジタルタトゥーの原因となる情報の削除となります。
デジタルタトゥーの消し方は以下の通りです。
4つの方法でデジタルタトゥーを消していきましょう。
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